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(2004.6.13 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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本日2鞍目は3級の経路練習。相方はダンス、私はハイセイコーJRで経路を踏むことになっています。この間JRで経路を踏んだときは、すっかりケンカになってしまってダメだったけど、今回はうまく行くといいなぁ。
N子先生に「前回ケンカしちゃったからなぁ、私が引っ張りすぎたのが悪いってことは分かってるんですけどー」と言うと、「そんなことないよ、あの馬口がうるさいもんね。ちょっと持って行かれそうになったら、拳の中だけで抑えこんじゃえばいいんだよ。せいぜい指だけでこらえるの。それで諦めて止めるよ。それでもやられたら、また押さえる。いつか諦める」「持ってかれちゃってるから、JRが諦めないで、しつこくやられちゃうってことですか?」「そういうこと」なるほど。でもあのJRのバカ力、手の中だけで抑えるなんてできるかなぁ。まずは首を突っかけられないように、拳をやわらかくして乗ることをこころがけよう。

JRは直前のレッスンで使っていたのですが、その人は自前の鞍を使っていたので、倶楽部のレンタル鞍に乗せ換えることになります。JRの鞍は若干堅いし、障害寄りの総合鞍なので馬場には向かなさそう。ジュンヨーの鞍を借りようとしていたら、友達のSさんが「僕の鞍貸してあげるよ」って、今馬から下ろしたばかりのパッシェの馬場鞍を貸してくれました。ひー、うれしー。嬉しいけど、こんないいもの借りちゃったら、ヘンな騎乗したら言い訳がきかないなぁ。
今日はもしJRに首を突っかけられても持って行かれないように、サイドレーンをつけておきます。前回はつけていなかったから思いっきり持って行かれたってこともあるし(いや、つけてたってある程度までは持って行かれちゃうんだけど)。
JRの馬装は簡単に終わったので、みんなが正規馬場を作ってくれているのを手伝います。標識を並べていたら、相方がダンスくんを連れて馬場に出て来やがった。抜け駆けだわ。
ということで、私も馬場を作るのをやめにして、JRを連れて馬場に出ます。

「踏み台いらない?」といたずら顔をしながらMちゃん、「いるいるいる」倶楽部の中で1〜2を争う巨体のJRに、踏み台ナシでなんか乗れませんって。
補助をしてもらって騎乗、フラットワークを始めます。前回は何しろ隅角が回れなかったので、常歩のうちに隅角を教えておこう。常歩で正規馬場の蹄跡を周り、隅角は特にきっちり回すように気を付けて歩かせます。それから速歩に移行、すこしだけ軽速歩。重めではあるが、まぁ素直に動いてくれている感じ。
経路はほとんど速歩なので、速歩に落とします。いやー座りやすくて助かるな。JRは倶楽部の貸与馬の中で、もしかして反動の一番ラクな馬かもというくらい。拳は、以前TOMOさんに「拳とハミは糸でんわ」と言われたのを思い出して、たるまない程度にゆるめに持っておきます。

「準備が出来たほうから始めよう。どっちからやるー?」とN子先生が言うのに応えて、相方が「じゃあ僕から行きます」ということで、私は控え馬場で待機。
控え馬場で駈歩をしようと思ったのですが、うまく伝わらなかったみたい。というか、私の気合いが足りなかったのか。まぁJRは、正規馬場に入ったらちゃんと動かなきゃいけないことは分かってる馬だし、今ここで無理することもないだろう。
でも速歩がどんどん速くなっていくので、すこしここで落ちつかせとくか。JRが出たがると、私は抑えようとしてハミ引っ張っちゃいそうだから、それやったらまたケンカになっちゃうし。というわけで常歩に落として歩かせます。

相方とダンスが2回ほど経路を回ってきたあと、「じゃあ次KYOKOさん」ということで、バトンタッチして正規馬場へ。あ、しまった、ちゃんと速歩に移行してから馬場に向かわなきゃダメじゃん。わーん、なんでこういうときに限って速歩が出にくいの。でもA点のちょっと前、馬場に正対した瞬間にJRが分かってくれたようで、速歩になりました。
A点から速歩入場、X点で停止。敬礼をするとN子先生が答礼してくれたので、速歩発進。さっき速歩が出にくかったのがウソみたいに、ちゃんと1歩目から速歩になります。C点から右手前で蹄跡、ここの隅角がショートカットしやすいから、きちんと回らせないと。
M点で斜め手前変換、軽速歩にして鞭を使うと、すっと歩度が伸びるJR。ふだん部班だと、ぜったいこんなには伸びてくれないんですけど、彼も何回か(私以外の3級受験者も乗せているし)練習したので覚えたらしい。
K点手前で「もうそこで、座ってつめる!」とN子先生の声、座ってつめて、隅角はきっちり入れないと。蹄跡に入って、再びF点から斜め手前変換。ここもよく伸びるし、ちょっとだけ右によれようとするけど、右の手綱を少し押してやると、きちんとH点に向かってくれました。

C点を超え、内蹄跡に入って横木を目指します。「そこも隅角でしょ! 取り方が甘い!」「はい!」隅角へ入るときは、O先生に言われたようにちょっと前(というか、拳)をラクにして。よしよし、さすが昔は障害飛んでたJR、横木は堂々たるもの。
A点付近で半巻きすると、「円が大きすぎー!」あらら、半巻きが大きくなっちゃった。このままじゃ横木に真っ直ぐ入れないよー。JRだから自分でなんとかするかもしれないが、横木に斜めに入ると歩幅が変わっちゃうんだよね。
もうほとんど無理矢理に真っ直ぐ向かせて横木に入れましたが、横木の中央には入れませんでした。

蹄跡に向かい、C点から駈歩。座って外方脚を引くと、ぽんと出ました。そうそう、JRの駈歩って、外方で出すんだよね。蹄跡行進から、「E点が目に入ったら巻き乗りの準備!」「はいっ」駈歩の巻き乗りは、3日前にさんざん鍛えられたんだから、失敗するわけにはいかない。
E点手前で内方の座骨を押し込み、脚を使ってから内方の手綱で顔を内側に向けます。よしよし、ちゃんと巻き乗りに入れたぞ。ここで内方の手綱を控えて…あっ、控えた手綱は下げちゃダメじゃん、私いま内方を下げて、外方を上げてた。「あっ、間違った」と思わず口走ると、「間違ってない! そのまま行け!」とN子先生。でも私が間違ったと言ったのは経路のことじゃなくて、拳の使い方だったんだけど、とあとでN子先生に言うと、「うん、分かってたよ。でもすぐ直したでしょ」って。
内方の拳を自分の外方の肩に向けて上げるように控えると、かなり大きくはなってしまいましたが、駈歩のまま巻き乗り成功。

駈歩のまま、蹄跡行進からB点で半巻き、ここであんまり大きくまわるとF点に入りにくくなるんだけど、やっぱりかなり大きく回ってしまいました。「上体起こしてないから、小さく回れないの! 体起こせ!!」ええと、ええと、上体起こしてないから座骨がちゃんと使えてないってことなんだろうな。
「はい、もうそこで速歩に落として!」F点の2mくらい前で速歩に落としたつもりだったのですが、思ったよりうまく落ちなくて、勢いづいて蹄跡に入れず、F点から馬場の外にはみだしてしまいました。「はい、失権」ひ〜。別にラチが組んであるわけではないから(左図にある白い点線は、実は仮想ラチ。実際にはポイントにパイロンがおいてあって、四隅だけちょっと横木で隅角が作ってあるだけ)、自分がどうにかするしかなくて、うちの練習って実はけっこうシビアだったりして。

さて、どうしようかな。馬場の外に出ちゃったから、どこかからやり直しだ。「F点駈歩からでいいから、やり直してみな」とN子先生が言うので、馬場に入ってM点当たりから速歩で蹄跡に入り、F点から駈歩。
F点からの蹄跡行進、A点もJRが外にふくらみたくなるポイントだけど、ここはなんとか阻止。E点から、今度は右手前で巻き乗り。ここもまず、拳を引っ張らないで腰と脚で曲がる方向を教え、それから内方の手綱を控えると、進入はスムーズでした。問題はこの円の後半だ。またもやかなりふくらんでしまい、おいおいおい横木またがないでちょうだいよ。あたし駈歩の横木またぎなんかやったことないんだから。

ぎりぎりで横木の脇をすり抜けるようにして、どうにか巻き乗り成功、蹄跡へ。
そのまま蹄跡行進、B点から右手前の半巻き。こっちはなぜか、あまり大きくならない。ダンスで踏んだときもそうだったし、もしかして馬じゃなくて私の癖なのか。
M点の手前で速歩に落とし、M点から駈歩、蹄跡行進。K点で速歩に落としますが、勢いづいていて、A点をちょっと越えて中央線に入ってしまいました。あーあ。
X点で停止、敬礼すると、「じゃあもう1回、このままやってみよう。あのね、次のポイント見るのが遅すぎる。それから、ちゃんと体起こさないと小さく回れないのよ。それだけ気を付けて回ってきな」ということで、いったん控え馬場に出て、A点からふたたび速歩で入場。

X点で停止、敬礼をして速歩発進。よーし、よれずにまっすぐだ、偉いぞJR。何しろ座りやすいもんだから、座骨で前に推すっていうのがちょっとできてる気分。
斜め手前変換も、わりとよれることなく真っ直ぐ走れるし、ちゃんと伸びてくれる。しかも考えてみたら、この時点でまだ首を突っかけられていない。つまりさっきの拳で、JRと折り合いがついてるってことだから、拳の使い方はさっきのでいいんだろう。
蹄跡行進から、C点のちょっと先で内蹄跡に入り、横木へ。かるーく鞭で勢いをつけ、前を許してまたいでいきます。A点付近での半巻き、さっきのよりマシだけど、やっぱり大きくなっちゃった。ちょっと無理矢理だったけど、ぎりぎり横木の手前で真っ直ぐにして、横木をまたがせます。

C点から駈歩、これもスムーズに発進。この馬、要するに前を引っ張りさえしなければ軽い馬だったんだなぁ。さて難関のE点からの巻き乗り、E点が目に入ったら腰と脚で巻き乗りの準備をして、と。
巻き乗りに入ったときに、C点にいたはずのN子先生がX点に移動してきているのが見えました。先生やさしいなぁ、巻き乗りが大きくなりすぎないように、あそこで阻止しようとしてくれている。先生を目印にすれば私も馬を誘導しやすいし、馬もそこに先生がいれば、それより向こうに行こうとはしないだろうし。
それなら私も失敗するわけにはいかない、「体起こして、座骨、座骨!」と先生に言われながら、内方の拳は思いっきり控え手綱にして巻き乗り。ほぼ成功、蹄跡に戻ります。

B点から半巻き、さてこの先のF点も難関。何がなんでも、あそこから外に出さないようにしないと。さっきより少し手前で速歩に落とし、F点ではなく蹄跡を狙うようにして馬を誘導。F点で蹄跡に入ると同時に駈歩発進、あーよかった、失権しないですんで。
ふたたび駈歩巻き乗り、今度もN子先生がX点にいてくれたおかげで、ほぼ成功。そのまま蹄跡行進し、B点から半巻き。「ほら、半巻きがでかーい!」うー、ほんとだ。でも速歩に落としたところでどうにかリカバーし、M点から左手前で駈歩発進。
蹄跡行進、「K点が見えたらもう速歩に落とす準備!」K点の手前から下方移行する気持ちでいたら、K点のわずか手前で速歩に落ちました。「そこでもう、次のA点見とく!」隅角を回らせながらA点を見、A点より手前で方向転換の準備。
A点から中央線に入ったら、ちゃんとC点が延長線上に見えるではないですか。よし、最後をちゃんと決めようねJR。真っ直ぐ真っ直ぐ、X点で停止。敬礼。

ギャラリーから拍手が聞こえました。N子先生もにこにこしてくれました。やだもうJRったら、JRのくせに天才。適当な手抜き馬だと思っていたら、やるときゃちゃんとやってくれるじゃないの。んもう(ここにハートマークをつけたいくらい)。
「じゃあどうする、ダンナさんJRに乗り換わる?」「そうですね、換わってあげましょうか」ダンスくんで経路を回るのが難しいってことは、私も重々よく分かっている。こんなにJRでラクに回れるんだったら、JRで回らせてあげたいと思うし。
というわけでJRから下馬し、ダンスを他の人に持っていてもらって、まず相方がJRに騎乗。「引っ張らないで、JRの行きたいように行かせれば回れるから」と相方に伝えておきます。私はダンスに騎乗して正規馬場の外を歩くことにし、相方はJRで経路を踏み始めます。

それにしても相方は、なんであんなにハミ固めてるんだろう? JRは口がやわらかいんだから、引っ張っちゃダメだって言ったじゃん。思わず「引っ張らないで」と声をかけるのですが、耳に入っているのかいないのか。あぁ、JRがイライラしはじめた。人の騎乗はよく分かるものだな。
彼が焦れば焦るほどJRと衝突していき、私のときには踏めた隅角を浅く切れ込んだり、正規馬場の外にはみ出したり、あれは明らかに反抗している。それを無理に押さえ込もうとしてるから、首は突っかけるわ、方向の制御は効かなくなってるわ、ああなるとJR、もう許してくれないんだよな。もう、乗り手も乗られる馬もどっちもかわいそうな騎乗になっちゃってる。
正規馬場の外でダンスを歩かせていると、N子先生が私に「なんで(JRが)ああなってるか分かる?」と言うので「あれ、前固めすぎなんじゃないですか」「その通り」とN子先生は、ちょっと苦い顔。先生、ハミをがっちり固める乗り方嫌いだもんな。

ついにI野先生が見かねて飛び出してきて、相方の指導に当たり始めました。その間正規馬場が空くので、「どう、KYOKOさんもう1回踏む?」と言われたのですが、「え、やだ。今のちょっと良かったから、このままいいイメージで終わりたいんですけど。ダメ?」私がそういうと、クラブハウスのほうでみんなが<大丈夫、大丈夫>というように首を縦に振っている。N子先生も笑って、「ダンスで踏んで失敗したら、自信なくしちゃうもんね。じゃあ歩いてていいよ」ということで、しばらく沈静化して、馬場の中央に入って下馬。

鐙をまとめたりしている私の側にN子先生が来て、「まぁ、こう言うとナンだけどねぇ…やっぱりKYOKOさんのほうが馬場踏んだ経験が多いってことかな」「うーん、それもあると思うけど先生、やっぱこの間の特訓の成果だと思うんですよね」「そう? あんときゃどうなるかと思ったけど」「私もそう思ったー(笑)。でもあれで巻き乗りをさんざんやってたから、今日は巻き乗りでJRの口引っ張らないですんで、ケンカしなかったと思うんですよ」「うん、さっきは馬の口がぜんぜんイライラしてなかったね、あれは上手かった。ダンナさんは今日は、手綱が先行してたからね。だからほら、座骨、脚、手綱っていつも言ってるでしょ」「ですよね。この間、さんざん鍛えられた甲斐がありました、ホント」「そうかぁ、特訓の成果が今ごろ出るのねー」と何だか嬉しそうなN子先生。もっと鍛えるよーってことですかぁ? (冷汗)

かなり馬のおかげで回ってこられたんだけど、この日の騎乗はものすごく満足。ありがと、JR。よく頑張ってくれたね。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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