←269鞍目 試合・53%とは言うものの
(2005.7.24 山梨・山梨県馬術競技場)
270鞍目→
メジロカイザー
まぁ一応ね、この競技場がひとつの憧れであったわけで。

日の出での練習のあと、明日一緒に試合に出るCちゃんを車に乗せ、3人で八ヶ岳へ。
ララミーに18時ごろ到着し、H先生のところに挨拶に行くと、先生は私の顔を見るなり「セトホウザン怪我しちゃったから、メジロカイザーに替えたよ。仕方ないね」そうですか…っていうか、やっぱりセトホウザンに乗る予定だったんだ(笑)。練習では必ずセトさんに乗せられていたので、多分彼に乗ることになるだろうと思ってセトさんの片っパミ対策をしてきたんですが、まぁ替わったのなら仕方ない。カイザーは2級検定で乗った馬だから、検定のときのミスを繰り返さないように乗れば48%は出るってことだもんね(低い目標だな、おい)。
ただ今回はビギナーズ班で、鞭やティーディマンなどの矯正具の使用可となっています。これだとハミ受けを気にしなくていい分、50%を目標といきたいところです。日の出の友達Sくんには、あらかじめ「(2級の合格点だった)45%出なければ、2級返上するんだよね?」と脅されているし(くそぅ)。

それぞれ自分の出場する順番と騎乗馬を確認したのですが、障害2級検定を兼ねている相方は、110cm障害でエスティ。先々週の練習でも乗っている馬です。
矯正具なしの2課目で、一般の部・少年の部の両方に出る高校生のCちゃん、騎乗馬はどっちもアンユウ。彼女はこの馬で3級を取っているので、まぁ問題なく乗れるだろう。そしてここで、衝撃の事実が発覚! 「少年の部は2人しかいないから」とH先生。「は?」プログラムを見せてもらうと、確かにCちゃんともう1人の名前しかない。「C、こりゃ勝つか負けるかどっちかしかないよ! 負けても表彰式」と冷やかしつつ、ジュニアライダーってすっごく上手い子がいたりするから、ものすごい外産馬とかに乗ってる子が出てきたら勝ち目はないよなぁ、とこっそり思ってみたり。

とりあえず出番は9時45分以降だそうなので、当日の朝は8時半までに準備をしてララミーに顔を出せばいいということでした。
ララミー近くのペンションに宿泊した私たちが、翌朝8時半にララミーに行ってみると、スタッフや指導員さんたちが「日の出さん、早く競技場へ行って、始まっちゃうから! 馬はもう向こうで動かしてるよ」と言うではないですか。話が違うよ〜、と思いつつも、急いで競技場の馬場へ。
出番はCちゃんのほうが先なので、まずは彼女を急がせて準備馬場まで走ると、ララミーの指導員さんがアンユウに乗っていました。Cちゃんが乗り変わってフラットワークをしている間、ふらっと現れたのは以前日の出の指導員だったK野くん。試合に行くと、昔の知り合いに会えたりするのもまた楽しい。

Cちゃんの出番が一般の部、少年の部とも終わり、次の競技は私の出る2課目ビギナーズ班(一般の部)。私の出番は6番めですが、急遽乗ることになったカイザーはもともと3番と9番で出ることになっていたので、その間に割り込んで乗せてもらうような感じになります。そのあとの1課目でカイザーに乗るという人が「この4人が今日はカイザー組ですよ」と教えてくれたので、とりあえず挨拶。そこで聞いたところでは、カイザーに乗せている鞍は私の次に乗る人の私物だそうです。それは恐縮しちゃう…(たぶん跨った瞬間に忘れるけど)。
馬付をしてくれているララミーのW先生のところに行くと、「この人(今カイザーに乗っている人)が終わったらすぐ乗るからね」ということで、本馬場の隣にある待機馬場の外で待機します。今日のカイザーはたてがみをきれいに編んでもらって、黒鹿毛の馬体もぴかぴか。

やがて前の人の演技が終わって、カイザーが待機馬場の外に戻ってきました。「時間ないから、すぐ乗って動かそう」とW先生。カイザー組の補助で乗り代わりますが、カイザーはあんまりじっとしていない馬で、鐙の長さを合わせようとすると歩き出してしまいます。いいや、待機馬場に入って歩きながら合わせよう。
こういうときに限ってなかなか自分に合う長さが探せず、W先生に「のんびりやってる暇ないよー」と急かされます。そんな中でもカイザーは前進気勢をもってきちんと歩いていて、これは下乗りと前の人のおかげかな。この勢いを殺さないようにしないと。

やっと鐙の長さを合わせ終わったので、軽く軽速歩から始めます。あー、やっぱり内方姿勢をとらせるのが難しいよー。自分でさくさく前に出るので、こりゃ鞭はいらないか? でも捨てたとたんに重くなったらイヤだし、持っていいものは持っておこう。
「KYOKOさん、拳固いとどんどん前に出るだけだよー。拳やわらかく」あ、2級検定で犯したミスをまたやるところだった。検定でのミスというのは、カイザーがどんどん前に出て行くので控えようと思い、どんどん手綱を短くしてしまったのですが、実は私が拳を固めすぎたためにカイザーがどんどんハミにつっかかって前に出て行っていただけだったのでした。いかんよ私、拳に頼っては。
ここのところ練習しているように、拳を自分が思うより高め・前めの位置で静定するようにし、そこへ向かって内方脚を使うつもりで脚を使います。でもなんか、今日は拳がいつもより揺れる気がする。別に緊張してないつもりでも、やっぱり少し力が入っちゃってるのかな。
拳を固めすぎず、拍車で追い込まず、カイザーのリズムを早いとこ掴んでしまわないと。今日は無理に屈とうさせるとか考えないことにしよう。

あまり時間がないので、「KYOKOさん、好きなところからでいいから駈歩」とW先生。半減却を使って駈歩発進…あれ、出ない。やっぱり固めすぎなのかな、私。内方の拳を思い切って譲り、発進してみると今度は大丈夫。でもこれ、何度か発進の確認をしといたほうがいいな。
経路と同じように輪乗り、隅角拾って長蹄跡で中間駈歩、隅角拾って斜め手前変換とやってみます。検定のときほど口を固めていないせいか、びゃーっと前に出て隅角をショートカットされまくることはなさそう。
何度か適当に常歩から駈歩をしているうちに、私の直前の人の演技が始まりました。W先生の誘導で、本馬場A点外の小さな馬場へ行きます。ここが最後の待機場所。

「ここにきたら、あとは速歩だけで輪乗りしていよう。自分の好きな手前でいいよ」ということで、速歩で輪乗り。落ち着いて考えてみると、どうもさっきから右の鐙革が脚に当たるので、調整するなら今しかないと思って常歩にして鐙革を見たら、革の余りが輪になった部分の間に挟まっていました。こりゃ乗りにくいわけだよ。
革の余りを鐙革通しに正しく収納し直したところで、前の人の演技が終了。「退場してくる人の邪魔にならないように、速歩してて」と言われ、最後の調整。一度入場門が閉じられ、ベルが鳴って再度入場門が開くまでは、焦らなくても自分の運動をしていていいはずだ。一定のペースの輪乗りで内方姿勢をとらせるように努力します。

ついにベルが鳴り、入場門が開けられました。W先生から「もう一周してきて入ろう。大きく回ってこないと、真っ直ぐ入れないよ」とアドバイス。真っ直ぐ入場すること、というのは2級検定のあとにララミーの大先生から厳しく言われた(人づてでしたが)部分でもあるし、入場の印象は全体の評価を左右すると言っても過言ではないので、とにかく遠くから真っ直ぐ歩かせよう。
と、中央線の延長線上に馬を乗せようと思ったら、延長線上に標識が鎮座ましましています。本当のA点に標識を置いておくと入場できないのでずらしてくれるわけですが、何も線上に置かなくても。あれをいったん横に避けて、線上に戻らなきゃならないじゃん。
仕方ないので最小限に標識を避けて、もう一度中央線の延長線上へ。A点まではあと3mほどしかないから、それまでに線上に乗せなきゃ。どうにか間に合い、A点を踏んで直進、停止。主審が立ち上がるのが見えたので、右手で敬礼。答礼を確認して発進します。

発進で常歩が入っちゃったらやだなー、と思っていたのですが、カイザーはきちんと発進してくれました。C点ギリギリまで直進しすぎたために、次は右に行くのか左に行くのか、カイザーを迷わせてしまいましたが、半減却のあとに軽く右の拳を握るとすぐ理解したようで、きちんと曲がってくれました。
隅角を拾ってから斜め手前変換、ここは中間速歩。ちょっとは歩度が伸びたのですが、カイザーだからもうちょっと伸ばせないとなー(副審の先生に「歩幅伸びず」をつけられました)。
3湾曲、これは2級検定でもうまくできなかったところ。半減却をまめに使いながら馬の姿勢を左右に入れ換えなければいけませんが、前回と同じく、2湾曲めの右姿勢がどうもうまくいかない。

C点から蹄跡に入り、隅角を拾ってH点から中間速歩。さっきの斜め手前変換よりは伸びたかな。A点で常歩に落としますが、これは1歩早すぎた。遅すぎるよりいいけど。
F点まできちんと蹄跡を踏ませ、斜め手前変換で手綱を伸ばします。馬がハミを追って首を下げていくのが本当だけど、ちょっと中途半端かな(経路表には「軽いコンタクト」とも書いてあるから、どこまで手綱を伸ばすか解釈しづらいところではあるのだけど)。

H点の手前から手綱を持ち直し、ついでに鞭も右手に持ち直して、右駈歩の準備。C点からの駈歩発進でいつも「ポイントずれ」をつけられるので、今日こそはつけられないように頑張るぞ。
馬の鼻がC点にかかる前に半減却、内方の座骨、外方を引く。よし出た。さっき待機馬場で駈歩出しにくかったことがウソみたい。カイザーもけっこう本番に強いタイプだな。やっぱり内方姿勢をとらせるのが難しいけど、せめて馬をまっすぐ向かせるようにしないと。
輪乗りから頑張って隅角を拾い、長蹄跡へ。あー、まただ。2級のときもそうだったけど、なんか肩内をしながら走っているような駈歩になってしまいます。次の隅角、その次の隅角。斜め手前変換の直前の隅角は2級のときにショートカットされまくったところだから、頑張って隅角に踏み込ませないと。隅角よりかなり手前から脚を強めに使い、隅角ぎりぎりまで直進させてから、内方の座骨で隅角に押し込みながら方向転換。よっしゃー、検定よりはいい隅角だ!

斜めに手前を換え、X点で半減却を使って速歩に落とし、M点で常歩。次は左手前でC点から駈歩発進ですが、右手前ほど発進はうまくいかず、わずかにポイントずれてしまったようです(それでも検定のときよりはマシだったけど)。
輪乗りから蹄跡に入り、H〜K間は中間速歩。外方の拳を譲って前に出したら、これはけっこう伸びてくれました。隅角、隅角。F点の手前の隅角は、2級でもっともひどいミスをしたところだから、絶対にきちんと隅角を踏むぞ。もう曲がることなんて考えない、とにかく隅角に突っ込む。
この隅角ばかりは1つ先のポイントを見ることをやめ、とにかく目の前の隅角に突っ込む、目の前のF点を踏ませる。それから方向転換したってついてくる馬なんだから。よっしゃ、今までで一番いい隅角通過だ!(…と、自分では思っているのですが、ちょうどここでビデオが大きくぶれて撮れていないのが悲しい…。)

X点で速歩に落ちなかったらどうしようかな、と思いながらもどうにか速歩に落とし、H点で常歩。もう少し、もう少し。C点から速歩発進、蹄跡を行進しますが、けっこう馬なりに持って行かれる感じになってしまい(また拳が固くなっていたということだ)、次のB点で半巻きできるかどうか不安になってきた。ポイント過ぎてから巻くより、速めに指示を出したほうが、曲がり損ねたときにリカバーが効くか? そう思って曲がる指示を出したら、カイザーったらあっさり回ってくれちゃった。しまったー、ポイントより早いじゃん。
何ごともなかったようにして中央線を直進、ここもきちんと直進しないと。G点まであと1歩、おいおいカイザー勝手に止まらないでよ! 私の指示より早く、賢いカイザーはここで止まるものだと覚えてしまったみたいで、ぱっと止まってしまいました。でも停止としては最低の体勢になってるし、1歩前に出そうかな、と思っている間に主審の先生に立たれてしまったので、諦めてそこで敬礼。今さら何やったって無駄だわ。
でも主審の先生の笑顔があんまりにこやかだったので、敬礼してから手綱を伸ばして退場するときに、あらためて「ありがとうございました」と挨拶してしまいました。

退場するところまでが演技だから、手綱を伸ばしたまま蹄跡を歩かせ、A点へ。使役の子が開けてくれたA点から出ようとするとき、ふと目の前の坂の上にあるベンチにいる人に目が行きました。あれ、なんだか知ったような感じの人が…。ひえ〜、ララミーの大先生! 全部ご覧になってたんですか!!
今さらながら汗がどっと噴き出してきました。すみません、大先生の馬にこんなヘボい乗り方して。退場しきってから、思わず頭をさげて「ありがとうございました」と言うと、大先生は軽く会釈してくださいました。大先生、最近体調を崩していらっしゃるのに、わざわざ見ていてくださってたんですよね…。恐縮。

で、そのあと出た点数を見てびっくり。53.53%でした。私が今まで外の試合に出た中では最高点数です(日の出の運動会で56%というのはあるけど)。でも一緒に点数表を見ていたララミーのH先生が「これはこの先生の採点が甘すぎだからね」と言うので、よくよく見ると副審の点数が50%なのに対し、主審の先生は57%。確かにこれは甘過ぎだわ。
「貸与馬だから仕方ない部分はあるけど、ここで満足っていうんじゃなくて、もっと上を目指したいという気持ちがあるなら、馬をきちんとした形に持って行くことを考えて乗らないと」とH先生にも言われました。

その足で日の出に帰り、ジャッジシートを先生がたに見てもらいました。ジャッジシートは主審と副審の2枚が1セットですが、O先生は「片方が辛い点数をつけているのと同じところを、もう片方で見てみると、それぞれの採点者の採点基準が分かるんだよ」と教えてくれました。「ほら、副審が4をつけているところ、主審は6をつけてる。これは着眼点が全然違ったんだろうね」なるほど。3湾曲とB〜X点の半巻き乗りの2カ所で副審が4をつけていて、ここは自分でもミスったと思ったところなのですが、主審はどちらも6の評価をしているんです。総合観察も同じく、副審が4をつけた「正しいはみ受け」に、主審は6をつけている。これってたぶん、ビギナーズ班にはみ受けをどこまで求めるかという主観の相違ってものじゃないのかなぁ。
副審からは、「内方姿勢の勉強をしてください」というコメントつきでした。カイザーだと右内方姿勢が割と難しいということはあるけど、そんなの言い訳になんないや。座骨で乗れていないし、だから馬の姿勢が作れないんだし。まだまだ2課目で自分の乗りを磨かないと、3課目にはいけないなぁ。

メジロカイザー
H〜K間の中間駈歩はわりと伸びてくれました。


メジロカイザー
駈歩で斜め手前変換、X点で速歩。速歩に落とせないかと思った…。


←269鞍目 270鞍目→

乗馬日記トップへ / トップページへtop