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(2005.6.26 山梨・ララミー牧場)
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メジロカイザー
速歩。この角度で見ると肘の固さが分かります(泣)。

さて今日はいよいよ馬場2級検定。所属する日の出ではまだ検定ができないので、ララミー牧場に押しかけて検定を実施してもらいますが、今年は馬場2級3名、3級7名、4級10名、5級2名という大所帯になりました。
そのうち私を含む数名は、前日からララミー牧場の合宿所に宿泊。クラブハウスで朝食をいただいているときに衝撃の事実が判明しました。「2級からやるらしいから」。…げっ。この毎年1回の検定では、例年5級から上に上がっていく感じで実施されていたので、2級は一番最後だろうと思ってのんびり構えていました。まー考えてみたら2級は全員試合の経験があるわけだし、そういう人から先にやるべきではあるんだよね。
朝食を食べながら、配馬をララミーのH先生と相談。2級はCちゃんの希望でメジロカイザーと、「あともう1頭はどうする?」と聞かれたので、昨日乗りやすかったセトホウザンを希望しておきました。昨日はティーディマンつけて乗っているので、ハミ受けできるかどうか自信はないけど。

宿泊所に戻り、慌てて試合用の服装を整えます。燕尾服とトップハットを持ってきているので、その格好をするには髪を結ったり、アスコットタイを結んだりといろいろ時間がかかるのです。
ブーツを履いて馬場の近くに行くと、もうメジロカイザーとセトホウザンが馬場に出されていました。3人のうち、1番手はカイザーを希望したCちゃんと決まっているのですが、2番セトホウザン、3番メジロカイザーは私とKさんのどちらにするか、まだ決まっていません。しかもKさんがまだララミーに到着していないし。
ようやくKさんが到着して、ジャンケンで勝ったほうがセトさんに乗ることになりました。ジャンケンの結果は、Kさんの勝ち。で、私は3番めでメジロカイザーに乗ることが決定。

まだKさんの準備ができていなかったので、「とりあえずKYOKOちゃんがセトホウザン乗って動かしてろ」とI野先生の指示があり、馬場へ。すると馬付をしていた相方が「拍車は?」…ありゃ。着けるの忘れてた。私も慌てていて、テンパってるらしい。
でもKさんの準備ができるまでのつなぎで乗るだけなので、とりあえず拍車なしでまたがってしまいます。手綱を伸ばしたまま少し歩かせていると、W先生に「あと2〜3周歩かせたら速歩していいよ」と言われたので、手綱を持ち直しながら脚を使って少し元気よく歩かせ、軽速歩に移行。
でも1周もしないうちにKさんの準備ができたようなので、セトさんを止まらせて下馬し、乗り変わりました。

馬場の外に出ようとすると、H先生が「KYOKOさん、この2人が終わったら少し乗って練習する時間あげるからね」と言ってくれました。良かった、カイザーで少しフラットワークする時間がもらえるらしい。カイザーには1年くらい前に1度乗ったきりなので、どんな感じかあんまり思い出せないや。
Cちゃんのカイザーの演技を見ていると、Cちゃんは私よりもずっと乗りのできている子なのに、案外乗りにくそうかも。斜め手前変換のX点で駈歩〜速歩へ移行するときには、踏歩転換が入ってしまっているし。うーん、カイザーにはティーディマンつけて乗ったことしかないから、反動が柔らかくて座りやすいという印象しかなかったけど、ティーディマンがないとまた違う感じなのかも。

Cちゃんの演技が終わったので、Kさんが演技している間に乗り代わり。Cちゃん曰く、「もっとがんがん前に出していいから」。ってことは、Cちゃんとしてはあんまり前に出せなかったということなのか?
Cちゃんに補助してもらって騎乗しようとしますが、カイザーはちっともじっとしていなくて何度も後肢が飛んでくるし、きつめの燕尾服のおかげで肩が上がらなくて後橋に手が届かないしで、乗るのにだいぶ手間取ってしまいました。
まだセトさんとKさんが演技中なので、常歩で正規馬場の周りを歩かせます。と言っても審判席もあり、あまりスペースはないんだけど。
常歩のうちにハミを受けさせようと思ったのですが、これが案外難しい。あー、やっぱりティーディマンがあってこそ乗れた馬だったんだな。私の技量では、いつもティーディマン着けて乗られている馬を、道具なしで受けさせるのは大変なことです。外方のハミに向かって内方の座骨と脚を使っているつもりですが、なかなか。

そうするうちにKさんの演技が終わったので、正規馬場に入ってフラットワークすることを許されました。フラットワークをひとりでやっていいなんて、ある意味すごい贅沢。他馬の動きを視野に入れなくて済むので、好きなところで好きな運動ができます。
常歩から軽速歩へ。あれ、けっこうよれる。よれるっていうか、なんか斜めを向きながら走っている感じ。ロゼッタなんかもそうなんだけど、やっぱり普段からティーディマンをつけて乗られている馬は、道具を急に外すと乗りにくくなるってことはあるよな。
両手前で軽速歩と速歩をやって、駈歩に移行。発進に不安はないけれど、ちょっと持っていかれる感じがあるかなぁ。ララミーで乗るときはよく「手綱が長い」と言われるので、持って行かれるのは手綱が長いせいなのかと思い、少し短めに持ちます。
2課目の経路では、駈歩発進はC点からしかやらないので、発進は必ずそこでするようにします。ちょうど審判席の目の前で、外方脚をララミーの大先生(オーナー)に見られているのは緊張するんだけど、馬が変なところから勝手に駈歩出すクセがつかないようにしたい。

そうだ、さっき斜め手前変換で踏歩転換されてたな。自分もやられるかどうか、試してみよう。駈歩のまま斜めに手前を換え、X点手前で半減却…あ、やっぱりやられた。うーん、困ったな。
試しに反対手前からの手前変換も試してみました。すると、もうこの隅角の次は斜め手前変換だと馬が覚えてしまったようで、先取りして方向転換しようとするため、隅角がかなり甘くなってしまいました。しまったなー、これは困った。しかもX点での下方以降、踏歩転換されないまでもぎこちない移行になってしまうし。
「準備ができたら言ってね」とW先生。これ以上やってると馬が変に覚えてしまって先取りされそうだな。実は3級でもこの馬を使うので、3級の人たちのためにB点で10mの巻き乗りをしておいてあげようかと思ったのだけど、それを覚えさせると長蹄跡で真っ直ぐ走らなさそうだし、やめとこう。完全にハミ受けはできてないけど、これでいいや。「じゃあ、これで行きます」「じゃあここで鞭捨てて。ベル鳴らしていいね?」「はい」と、試合だったらありえないような親切なやりとりのあと、ベルが鳴らされました。

A点側の短蹄跡がラチにくっつけて設置してあるので、一度馬場内に入って蹄跡行進し、A点で方向転換して中央線に入り、それが入場となります。さっき、私の前にCちゃんが右手前で中央線に入っているのを見ているので、馬が混乱しないように同じ向きで入るか。
A点で方向転換、ちょっとオーバーラン気味だったかなぁ。中央線を直進して、X点で停止。同時に審判席の大先生が立ち上がり、私の敬礼を受けて答礼してくださいます。それを確認して発進…する前に、馬が常歩で1歩前に出てしまった。うわー、さっき騎乗する時にも感じたけど、きっちり止めておくのが難しい馬だったんだなぁ、やっぱり。
あわてて速歩にしてC点を目指しますが、今のは「移行悪し」がついただろうなぁ。

前進気勢が充分とは言えないけど、斜め手前変換はそれなりに伸びました。次はA点から三湾曲、1湾曲めはきちんと左内方姿勢がとれたのですが、2湾曲めに入るところで半減却を使い、支持バミを入れ替えたつもりなのに、馬が左内方姿勢のまま。2湾曲めは右手前なので、これじゃ反対速歩じゃんかよ。こういうの、手綱で引っ張って直せるもんでもないし、と思ってぐいぐい内方の座骨を使っているつもりですが、あまり直せない。そうするうちに3湾曲めに入る地点まで進んでしまったので、半減却を使って左内方姿勢に入れ替えたら、これは素直に左姿勢になりました。馬の得手不得手があるかもしれないけど、今の2湾曲めはダメダメだぁ。

隅角を拾って、長蹄跡で中間速歩。うーん、これは伸びが今ひとつだな。さっきの斜め手前変換のほうがマシだったか。A点で常歩に落とし、F点から斜め手前変換。これは手綱を伸ばすとともに、きちんと馬が首を下げてくれた(ここで馬がハミを追って首を下げないと、ハミ受けができていないという評価になります)ので、これはOK。
H点手前で手綱を持ち直したとき、馬が頭を高く上げてしまいました。おいおい、グーちゃんと同じかよ。でも対処法もきっとグーちゃんと同じだろうから、外方のハミをじっとり持って、内方の座骨と脚で隅角に押し込んだら、すぐ頭が下がってきました。あー良かった。
でもそんなことをしていたら、C点は目の前。駈歩発進のタイミングが少し遅れ、1歩速歩が入ってしまいました。今のはポイントずれだなぁ。くそぅ。

輪乗りで内方姿勢をとらせていなければどうにもならないので、内方の拳をすこし控えながら蹄跡に1歩だけ触れるポイント、X点、次の蹄跡に触れるポイントと、先々のポイントを目で追いながら馬をそのラインに入れていきます。
隅角をどうにか拾って長蹄跡、やっぱりまっすぐ走らせられない。後肢はちゃんと蹄跡を踏んでいると思うけど、前肢がなんだか蹄跡から外れる。まるで駈歩で肩内をやっているような感じ。
そのまま蹄跡行進、K点から斜めに手前を換えますが、馬がその前の隅角を踏まずに勝手に斜め手前変換に入ろうとして、隅角をショートカットしてしまいました。しまった。私としては隅角まで突っ込むくらいのつもりで、曲がる指示を出さなかったつもりですが、馬がどうもフラットワークで覚えてしまったらしい。こんなことならフラットワーク、きちんとやらなきゃよかった。

M点で常歩に落として、C点からふたたび駈歩。さっきほどではないけどやっぱり発進は遅れ気味。長蹄跡はやっぱりまっすぐではなかったし、斜め手前変換の前の隅角は馬に先取りされ、大きくショートカットされてしまいました。X点での下方移行もバタバタだし。
せめて最後の速歩パートはきちんとまとめなきゃ。C点から速歩発進、最後の隅角を意地で拾って、半減却、E点で半巻き。う、ちょっと小さく巻きすぎた。さぁカイザー、最後の直線だから。座骨と脚をむぎゅーっと使ってG点まで直進、思ったほど伸びませんでしたがG点で停止。なんか今イチの停止でしたが敬礼、大先生が答礼してくださったので、手綱を伸ばしてあらためて「ありがとうございました」と馬上から頭を下げました。

そのあと、3〜5級の実技試験も無事終了。クラブハウスでお昼をいただき、そのまま筆記試験になだれこみます。
筆記試験の終了後、H先生の講評。…をいただく前に、I野先生から「手綱が長い人が多かったが、短すぎる人もいたな。…きみだよ」えっ、私? 自分ではまるっきり意識していなかったのですが、言われてみれば確かにそうかも。馬が動きにくそうだったのもそのせいじゃん。私は普段、手綱が短いとはあまり言われないほうで、ララミーではむしろ長すぎと言われることが多かったので、ちょっととらわれてしまったかも。
後でビデオで確認してみると、確かに手綱は短いし、肘が固い。いやー、この乗りはダサいわ。カッコ悪い。

で、H先生から2級組に対する講評は、もっと馬をいい形にまとめること、背中を張らせないでちゃんと使わせること(要するにハミをちゃんと受けさせろってことですね)を意識するように、ということでした。「2級の人は、これでB級に移行したら全日本にだって出られる資格を得るんだから。そのくらいのつもりで頑張って乗っていかないと」うわー。確かに資格だけならそうですけど。
さらにH先生を引き留めまくり、1人ずつアドバイスをいただきます。私が言われたのは、「手綱が短かったね。馬を前に出して、ハミを追わせないと、ハミを受けたりはしないよ」うっ、確かに今日の私は前を押さえてハミを受けさせようとしていた。ふだんグレイトなんかじゃ絶対やらないのに。
「自分では三湾曲が最低だったと思うんです。2湾曲めの内方姿勢が全然とれませんでした」「そうだね。だから図形も正確でなかったみたいだね、これ見ると」っつーことは、ジャッジシートに「図形悪し」って書かれてるわけだな。「あとは隅角が甘かったかな。そのくらい」自分なりにまとめると、正しいハミ受けと正しい図形ができていない感じか。

この場では、一応合格点には到達しているという話でしたが、後日、I野先生を経由して聞いたところによると、私は48%。合格点が45%だったそうなので、確かに合格はしちゃいるが、納得のいく騎乗ができたわけじゃない。
今回、検定に間に合わなかった相方は、7月の八ヶ岳ホースショーにララミーの馬を借りて出場することで、障害2級検定を兼ねることになっています。ついでに私も、同じ試合の2課目に出られないかなー、と思っておそるおそるH先生に相談してみたら、あっさりOKが出ました。今日のこの体たらくじゃ、試合に出させてもらえないかと思っていたんですが。
ただし、ハミ受けに不安があるので、ティーディマンや折り返し手綱の使える「ビギナーズ班」に出場することになりました。そんなわけで、まだ当分2課目から離れられそうにありません。

メジロカイザー
わぁカイザー、隅角! 隅角そこじゃないよ!!


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