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(2005.2.5 八王子・八王子乗馬倶楽部)
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アモン、待機馬場で速歩
待機馬場で、軽速歩を始めて数歩目。
恐竜にはなってないものの、ぜーんぜん受けてない


アモン、本馬場で速歩
本番、3湾曲の2湾曲目に向かうところ。
練習馬場で駈歩をしたあとなので、
上の写真と比べるとちょっと受けてきてますね

今週は八王子乗馬倶楽部(以下HRC)にて、新春ホースショー。土日にかけて行われますが、私が出場する2課目は1日目の午後に設定されています。今回2課目に出るのは、Cちゃんと私の2名。グレイトは諸事情により連れてこられなかったので、貸与馬での参戦になります。
2課目の開始時間は13時半の予定なので、9時すぎに日の出に到着。それからかるくお昼を食べ、11時前にI野先生の車を借り、引率のN子先生と相方(今日は馬付)との3人でHRCに向かいます。到着して受付を済ませ、パンフレットをもらって自分の出番と騎乗馬を確認。お、アモンだ。アモンは私が初めてHRCで1課目を踏んだときに乗った馬で、けっこう重かったような記憶もあるけど、全然知らない馬よりはいい。

しかもアモンについては、O先生から攻略法をアドバイスされているのです。実はO先生が全乗振の指導者資格検定で乗ったのがこの馬で、ハミからすぐ逃げる馬なんだそうですが、「でもハミの受けさせ方はグレイトにそっくりだから、グレイトが攻略できていれば大丈夫」という話だったのでした。
私が以前乗ったときには、まだ1課目ということでティーディマンマルタンを装着されていたアモン。でも今日は2課目だから、まさかそういう器具をつけて出てくることはないでしょう。つまり自分でハミ受けさせないと、少なくとも「正しいハミ受け」についての点数はもらえない。

現地集合のCちゃんもやってきて、そろそろ時間も近づいてきたので、車の中に置いてある燕尾服を着ることに。N子先生に借りた燕尾服はクリーニングから帰ってきたばっかりで、ボタンがアルミホイルでくるまれていました。それを相方に手伝ってもらってひとつひとつ外して着てみると、一番上のボタンの糸がゆるんでいて、今にも外れそう。どうしよ、演技中もつかなぁ。
そう考えながら駐車場を出て試合会場に向かおうとしたら、ボタンがない! 以前からN子先生と冗談で、「ねぇ先生、ボタンふっとばしそうなんだけど」「失くしたら百たたき〜!」と言っていただけに、これ失くしたら話にならない。慌てて駐車場に戻り、地面をくまなく探したらあった、ありました。良かった。
会場に戻ってN子先生に、「ボタン外れちゃった」と言うと、急いで縫いつけたほうがいいという話に。「えっ、このままじゃダメ?」「かっこ悪いよ。クラブハウスで裁縫道具とか借りられるよ」ということで、クラブハウスで頼んだら裁縫道具を貸してくれたので、Cちゃんのお母さんが急いで縫いつけてくれました。実をいうと少しだけキツめだったN子先生の燕尾服ですが、ボタンを少し内側につけてもらったので、これでちょうどよくなった。

出番はCちゃんが先で、その6頭後が私です。今日面倒を見てくれるHRCのI先生が挨拶に来てくれました。私はCちゃんに鞭もトップハットも貸してしまうので、彼女が下馬してから騎乗したい旨を伝えたら、「うん、たぶんそれでちょうどいいですね。そのころに声かけますから。ところで経路は大丈夫?」自分ではけっこう回数踏んだから大丈夫だと思っているけど、そう断言しといて何かやっちまったら恥ずかしいから、「大丈夫だと思うんですけどぉ、えへへ」とお茶を濁そうとしてみたら、「も・ち・ろ・ん・大丈夫だよねぇ〜?」とツッコミ入れられてしまいました。I先生とは別に初対面ではないのですが、日の出チームにはいつも親切に接してくれます。

この2課目競技の中では私の出番は26番目で、アモンは私の前に2回出番があります。少しでもそのクセなどを見ておこうと、前の人が乗っているときにはじーっと観察。すると準備馬場で、I先生がアモンのハミに指をかけ、速歩のアモンと一緒に走っています。先生無茶するなぁ、と思ったのですが、次の人のときも同じことをし、ハミに指をかけたままA点まで誘導し、入場直前で手を離すということをしていました。
「先生何してるんだろう?」と相方に言うと、「そういうことは、あらかじめ聞いておけば」と言われたので、それもそうかとI先生のところへ。「I先生、今の何ですか? アモンって重いんですか?」「いや、重いんじゃなくて、背中張っちゃうから」あ、それで分かった、ハミ受けが難しい馬だから補助してたってことか。ってことはだ、私もあれをやられてしまったらハミ受けができてませんよって言われたも同然だな。やられないように頑張ろっと。

Cちゃんの出番が終わり、返してもらった鞭とトップハットを装備して待機。アモンは一度前の人が終わってから上がってきましたが、練習馬場に入れる頭数の問題か、すぐに乗り代わりとはいかないようです。
しばらくして、いったん馬繋場につながれていたアモンをI先生が引き出してきました。わずかですが先生が下乗りしてくれるらしい。ラッキー。
さすがにI先生が乗ると、よくハミを受けて前に出てるんですよね。でもこのとき、私は見逃したのですが、I先生はこれでもかという位に鞭をバンバンバン! と入れていたそう。本当はそれくらいやらなきゃいけなかったんだ、と今思っても後の祭り。

I先生が練習馬場の入り口から出てきて下馬し、私に乗るように促しました。相方に足上げをしてもらって騎乗、鐙を合わせます。
先生に馬の口をとられて練習馬場の中へ。「このへんを馬場だと思って運動しましょう」ということで、練習馬場の半分くらいを使って常歩を始めます。うーん、やっぱりハミを突き上げるなぁ。でもあれだけO先生に「アモンのハミ受けはグレイトと同じ」と言われ、グレイトであれだけ練習したんだから、少しはどうにかできるはず。
たぶん前に出さないとハミを受けてもくれないのだろうけど、これまた前に出しにくいこと。軽速歩を指示され、速歩にしようとしても脚に対する反応が鈍い。仕方ないので鞭を入れ、速歩に。
軽速歩をとって走らせますが、こりゃまたハミが固いっつーか重いっつーか。特に右のハミに対して柔軟ではないように思えます。私は隅角などの方向転換に控え手綱を使うのですが、なんかいちいちそれに反抗してくるような。わはは、左手前が思ったとおりのラインが狙えないよ、困ったな。

I先生に「もっと前に出してー」と言われ、鞭を使って前へ。私としてはグレイトの3倍くらい鞭を使っているつもりだけど、なかなか前に出る感じではない(私としては、鞭を使ったら慌ててぴゃっと出る馬は苦手なんだけど)。
でも少しずつ、ハミを突っかけなくなってきたみたい。確かにO先生の言うとおり、ハミ受けの方向というか、外方と内方の拳の使い方のコツがグレイトにそっくり。そして受けたなーと思ったとたんに重くなるところもそっくり(泣)。でもグーちゃんの場合、ハミの感触自体はもう少し軽いんだけど、アモンくんは受けるとますますハミが重くなるみたい。

「じゃあ駈歩」と言われ、速歩からの駈歩発進は苦手なので(2課目の経路にもないし)、いったん常歩に落としてから半減却、あれ? 半減却使っても、馬が準備をしてくれない。
案の定速歩が出てしまったので、常歩に落として再度駈歩発進。半減却が効かないってことはだよ、拍車で出すよりないんじゃん。ここのところ、拍車に過敏なグレイトにばかり乗っていたので、拍車で発進するのってどうやるんだっけって感じ。
それでも2度目は駈歩発進できたので、そのまま駈歩で輪乗り。うわー、維持するのも大変だし。久しぶりに駈歩で鞭使ったわ。

左右の駈歩をやったところで、私の前の人が本馬場に入ったので、私は先生に馬の口をとられて入場門手前の準備馬場に移動。ここは私とアモンしか人馬がいないので、少し思い切って前に出さなきゃ。
もう駈歩はせず、軽速歩でできるだけ伸ばせとの指示。「僕が鞭使ってって言ったら使って。はい、今ムチ、ムチ」言われて鞭を入れていると、私は号令が耳に入ってからの反応が遅いので、タイミングがわけわかんなくなってきました。この際、軽速歩の立つタイミングに合わせたほうが間違いないか。
ただ前に出てくると、曲げにくさが倍増。普段乗っているグーちゃんなら体重移動だけで曲がるところが、この子はあまりそうではないらしいので、つい手綱に頼ってしまい、そうすると前に出せば出すほど曲がらないのは当たり前。

入場ベル代わりのクラクションが鳴り、I先生が「その辺で鞭落として、巻き乗りして入場しましょう」と言うので一度鞭を使ってから捨てます。うげっ、いきなり重いんですけど。鞭を捨てたとたん、この準備馬場に入る前のだらだら速歩に戻ってしまいました。っつーか、私がそもそもちゃんと出せてないし、維持できてないせいだけど。
入場門が開いたので、自分がA点と思うところから入場。途端に、背後からI先生の「もう少し右っ」という抑え目の声がする。日の出もそうだけど、ここも馬場の地面が微妙にうねっているので、中央線のラインがピンとこない。でも先生が言うならそうなんだろうから、僅かに右に進路を取り直します。
わー、X点より前で止まらないで、止まらないで。なんとかX点まで持ちこたえ、停止、敬礼。ジャッジボックス代わりのワゴン車の中から審判が答礼、それを受けて発進。ふつー馬場でやるこっちゃないが、この際だ、軽く蹴飛ばして発進。

C点の向こうにワゴン車があるので、そこ目がけて突っ込むつもりで(馬はイヤだろうなぁ)直進、蹄跡を右へ。やっぱり馬が覚えているので、ほんの少し先取りされて隅角が甘くなってしまいました。M点から斜めに手前を換え、うわー伸びない伸びないよ。ここは中間速歩なのに、こんなの尋常速歩じゃん。
A点から3湾曲、1湾曲目が大きくなりすぎ、あれっ、これじゃE点に触れられないぞ、と焦った挙句に2湾曲目が小さくなってしまい、結局E点にきちんと触れられず、情けない。ここは割と練習ではうまく行ってたところだったのになぁ。
C点から蹄跡に入り、隅角を拾ってからH〜K間は中間速歩。さっきの斜め手前変換の線上よりはマシだったけど、これも満足できる伸びではありませんでした。ふぅ。

A点までなんとか速歩で持ちこたえ、そこから常歩。F点までの常歩も重く感じましたが、その先の手綱を伸ばした常歩がそれはもう重い。演技中なのにこういうことはしたくないが、両脚で馬の腹を蹴飛ばして前に出します。いつもN子先生に「もっとリズムよく」と言われる部分なんだけど、ダメダメだぁ。
H点の手前で手綱を持ち直すと、アモンが首を上げて恐竜になりかけました。ふん、こちとらグーちゃんで経験済みだよーだ。蹄跡に出つつ、グーちゃんで取った杵柄で頭を上げさせるのを阻止(すみません、このへんの感覚はうまく記述できません…)。
でも受けさせることにばかり気をとられ、常歩が前に出ていなかったと思います。

C点より駈歩、うげっ出ない! 1歩だけ出そうにはなっていたのですが、速歩になってしまいました。そのまま続けてしまわないうちに常歩に落とし、もう1度駈歩発進。また失敗。焦る焦る。C点に着くまえに駈歩にしなくては。
C点の3歩ほど手前で、ようやく駈歩発進に成功。良かった、C点を超える前に駈歩できて。蹄跡に出て、M点から外方の拳を譲って駈歩を伸ばします。あれ、速歩よりもちょっと伸ばしやすいんじゃないの。
もともと重いから、F点から先は詰める必要はないだろう、そのまま行ってしまえ。隅角を攻め、K点で斜め手前変換。X点より手前で速歩に落ちそう、くそっ落ちるな、落ちるな、落ちるな。思わず少し拳をあおったのですが、やっぱりちょっと1歩早かったな。

M点から常歩、ここもあんまりいい常歩はできなかったけど、C点からの左手前の駈歩発進は成功。よーしよしよし、じゃあ輪乗りの図形に気を付けて…って、うわーX点踏みそこねた。でも審判席からだと誤差の範囲内だったらしく、そこはそんなに悪い評価になっていませんでした。
蹄跡に出てH点から駈歩を伸ばし、私としては少し伸びたなと思ったのですが、審判から見るとまだまだ伸びが足りなかったみたい。
隅角に気を付けて座骨で押し込みつつ、F点で斜め手前変換。あ、駈歩やめそう。頑張ったつもりですがX点まで持ちこたえられず、2歩ほど手前で速歩になってしまいました。くそ〜、ここのミスって審判から見てバッチリ分かっちゃうんだよなぁ。

H点の手前で常歩に落ちそうになりましたが、それはなんとか持ちこたえて、H点から常歩で蹄跡へ。
次のC点からの速歩発進で先取りされることが多いので、C点までは馬を抑え気味にして慎重に。
C点での速歩発進は成功、あともう少し。B点で半巻き、G点まで中央線を直進。頼むから止まらないで、止まらないでってば。
どうにかG点まで速歩を続け、停止、敬礼。はあぁ〜終わった終わった。

控え馬場に入ると、I先生が苦笑いしながら「試練を与えちゃったかな?」「いやー、前に出せませんでした」。馬場の外に出て下馬すると、I先生が「ちょっとこの後、いろいろ話しようか。普段はどんな馬に乗ってるの?」「えーと…ハミの感じはこの子に似てるんですけど、脚扶助には敏感というか、拍車に過敏な子です」「だいたいいつもその馬に乗ってるんだね。じゃあこの馬しまってくるから、ちょっと待っててくれるかな。作戦会議だ」

私も燕尾を脱ぎ、ジャンバーに着替えて待機。馬をしまって戻ってきたI先生の、マンツーマン講義が始まりました。
「あなたは座れてるんだけど、こう後ろに傾いてるでしょ。馬が走るときって、軸がどこにあってほしいと思う?」馬自身の重心のことかと思い、馬って後輪駆動だよなぁと考えて「後ろ? ですか? あ、違うんだ」「うん、じゃあたとえば肩車。上に乗ってる人が後ろに反っちゃうと、前に行きにくいでしょ。乗ってる人が前に重心があるほうが、乗せてる人も前に走りやすいでしょ、そういうこと。後ろに重心があるから、却って馬が前に出にくくなってるんだよ。せっかく腰の張りはいいもの持ってるから、それは大切にして。それをつぶすのは何かっていうと、後ろに倒れすぎなの」馬の違いもあるかもしれないけど、私は自分のウェイトのなさをカバーするために、少し上体を後ろに倒し気味で乗っていることは確か。グレイトの場合はそれで座骨が効いたけど、それがどの馬にも効くわけじゃないんだよな。

「あと、あなたにどこを一番直してほしいかって言うと、肘」「あぁ、今日肘固かったかも」「うん、少し拳を下に押しつけるように乗ってるよね。ブレーキかけたいなと思ったら、肩を後ろに下げるんじゃなくて肘を後ろに引くの。いろんな動作あるけど、拳は同じ高さだから。何でかっていうと、コマと同じなの。コマはいつも重心が同じ高さだから回れるんで、重心の高さが変わったら倒れちゃうでしょ、それと同じ。じゃあどういうふうに同じ高さかっていうと、ウエストの高さ。上半身はコンパクトに、足は長く」
「いろいろがーっと言ったけど、これ全部やらなきゃいけないわけじゃないから。いろいろ試してみて、自分に合うものだけ選んで行けばいい。何でかって言うと、体型のこともあるから。失礼だけど身長も違うし、手の長さも足の長さも違うから、全く同じにはいかないからね」

「なんとなくやるんだったら、100周回ったって同じ。いやちょっとやりすぎだから、ってこっちが言うくらいに最初やってみたほうがいい。いっぺん10のことをやっちゃってれば、5のこともできるし6、7のこともできるしね。その辺が、遠慮しなくていいですよってこと」それは確かに今回、一番の私の反省点で、アモンはちょっと重めの馬だって分かってたんだから、もっと思いっきりやっちゃったって良かったわけ。試合の前にはI野先生から、「いっぺん、これ以上ないっていうくらい思い切ってやってこい」って、毎回言われているにもかかわらずです。
「また頑張って。手ぐすね引いて待ってるから(笑)。期待してっかんね」と、明るく爽やかな笑顔のI先生。HRCの先生達はみなそうなのですが、うちみたいな弱小クラブの、私みたいなビジターにまで、親切にいろいろ教えてくれます。本当にありがたいです。

で、点数はというと47.35%。昨年の暮れにグレイトで出場したときが45.59%だったから、まぁ一応ポイントとしては上げることができました。一応ね。
N子先生にも「まぁKYOKOさんも、試合のたびに少しずつは上げてきてるから良かったね」と言ってもらえたし、グレイトで練習していたおかげでハミ受けだけはどうにかできたので、良かったと言えば良かったんですけど。次はたぶん馬場2級検定、がんばるぞー。

アモン、本馬場で駈歩
2度目の駈歩。大げさな外方脚だな(笑)。
でもこれくらいしないと、と思ったのです


アモン、終了後
下馬後、アモンくんです。かわいい。


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