←235鞍目 | 236鞍目・もぐる、跳ねる (2005.1.29 あきる野・日の出乗馬倶楽部) |
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来週は八王子乗馬倶楽部で試合に出るので、今日は最終調整として馬場レッスンの予約を入れました。騎乗馬はいつものグレイト。今日は彼に乗るのは私一人なので、16時のレッスンに向けて15時半ごろに馬房に迎えにいきます。 馬房の扉を開けて、勝手に閉じてこないように柱に紐で固定(こうしないと、戻るときに後ろから扉が閉じてきてお尻に当たって怖がる)している間、じーっと私を見ているグーちゃん。 中に入って無口をかけ、引き手をつけて外へ。馬繋場に入って1回転させるとき、グーちゃんがふと立ち止まりました。何してんのん、と脇腹をつつくと、いつもなら素直に回転してくるのですが、今日は動かないで馬繋場の外を見ています。なにか怖いものでもあったかな、と思ってグーちゃんの視線を追うと、その先には背の高い植木が…。やばっ、と思うヒマもなく、グーちゃんがぱくっと植木の先端にかぶりつきました。 慌てて肩を殴って叱ると、しぶしぶ口を離しました。クラブハウスでは「何食わせてんの〜!」とみんなが爆笑してるし。あんまりぐいぐい引っ張るのは好きじゃないので、もともと引き手を緩めに持っているのが裏目に出ちゃった。 蹄の裏堀りとブラシかけをしていると、なんだかグレイトが軽く前掻きをしては鼻を鳴らします。普段から馬繋場でちゃかつく子ではあるけど、飼いの時間以外に前掻きはあんまりしないし、鳴くのも珍しい。ここのところ日の出の馬は体調の悪い子が多いこともあって、もしや疝痛か? と考え出すと気になって仕方ない。 O先生に聞いてみると、「大丈夫だと思うけどなぁ…厩務担当に聞いてみよう」と、厩務のOさんに話を通してくれました。Oさんは馬房にボロがあるのを調べたうえで、「飼いもちゃんと食べてたし、大丈夫だと思いますよ」ということ。 …もしかしてグーちゃん、甘え前掻きなの? 最近さすがに慣れたと見えて、グーちゃんなりに甘えているらしいんだけど、どうも彼の甘え方は分かりにくいのだ。 馬装が終わってもレッスン開始まで時間があったので、グレイトの腰に毛布をかけておいてクラブハウスに戻ります。するとちょうどCちゃんが、「KYOKOさんの前に、ちまっとグレイトに乗ってもいいですか」とO先生にお願いしているところでした。私もCちゃんが先に乗ってくれるのはやぶさかではない、っていうかむしろ乗って欲しいので、「Cちゃんに下乗りして欲しいです」とお願い。O先生の許可が出たので、Cちゃんと一緒にグーちゃんを連れて馬場へ。騎乗補助だけして、私は馬場の設営に行きます。 20×40の馬場を作り終わり、クラブハウスでストレッチなどしていると、N子先生に「そろそろ乗りかわっときな」と言われたので、馬場に出て乗りかわります。とりあえず常歩で前に出してと。あらかじめ乗ってもらっているせいか、前に出ないことはないな。 「もう準備運動できてるんだから、さっさと動かしなー」とN子先生に言われたので、速歩に移行。速歩も割と前に出るし、いい状態な感じだな。輪乗りや斜め手前変換を入れながら、速歩と軽速歩で動かしていきます。 馬場の設営も終わっているので、「自分でいいと思ったら始めていいよー」「はい、じゃあ行きます」というわけで、速歩を出して馬場の外へ。…出ようと思って、K点のパイロンからグーちゃんを外に出そうとしたら、グーちゃんが[ボクはこんなところから場外には出ませんっ]と、頑固にK点の内側に入りました。はいはい分かりました、私が悪かった。 A点まで行ってから外に出し、入場門手前で巻き乗りをしますが、1度目はまっすぐ入れそうになかったのでもう1度巻き乗りし、A点より入場。X点まで直進して停止、敬礼。C点の外にはN子先生と、相方やらお手伝い高校生のCちゃん&Aちゃんと、4人もいます。ものものしいジャッジだなー。 速歩で発進のはずが常歩で出てしまい、慌てて鞭で速歩を出します。斜め手前変換で歩度を伸ばし、A点から3湾曲。外方と内方を意識しながら、ハミと座骨を入れ換え、「よし、2湾曲目はよい」っつーことは、他はイマイチだったんだな。 C点から蹄跡に入って、H点から歩度を伸ばすのは割とどうにかなる。A点で常歩、ここからの常歩をちょっとだらだらにしてしまいました。 F点のポイントの拾い方が甘くなってしまいましたが、斜め手前変換で手綱を伸ばし、脚を使います。どうしてこう、真っ直ぐ歩かせるのって難しいんだろ。 H点の手前で手綱を持ち直し、グレイトに少し頭を上げられそうになりますが、「外方が先、それから内方」どうにかC点より手前で受けさせることができました。 C点から駈歩発進、なんか1歩だけ速歩が入ったような気がするけど、このままいかせてもらいます。輪乗りから蹄跡に入り、M点から中間駈歩。F点でつめると速歩に落ちそうになるのをどうにか前に出して、斜めに手前を換え、X点速歩、M点常歩と。 C点で左手前駈歩、発進は良かったのですが、2歩目でグレイトがぐっと首をもぐらせ、パカンと跳ねました。ただ跳ねるだけならいい加減慣れているのですが、続けてもぐってはまたバンと跳ね、乗っている私としては馬に暴れられている感じ。しかも今日の跳ねはいつもより力強いぞ。 騎座が外れてしまい、落ちるかなーと思ったのですがサドルホルダーを握って持ちこたえます。さすがに駈歩を続けることができず、速歩から常歩に。N子先生に「どうしたの?」と言われたのですが、「どうしたんだろう。分かりません」なんでこんなに跳ねるのか、グレイトが口をきけるなら教えて欲しいくらいだ。 上の馬繋場から見ていたSさんが、「拍車入ってたよ」と言います。やっぱり拍車なのか。それにしても、拍車で跳ねられるのはよくあることなのに、今日のはずいぶん過剰反応だこと。「グレイトも最近、力ついてきてるからさ」とN子先生。もともと障害を飛ぶ馬だし、入厩してきたときは少し足元や体が弱っていたので、これがグレイトの本来の動きだってことかもしれない。もともと扶助にシビアな馬だとは思っていたけど、今日はついでにピーキーだ。 もう1度C点に戻って、駈歩発進。発進はできるのですが、やはり2歩目か3歩目でもぐっては跳ね、もぐっては跳ね。跳ねること自体はまぁ対処できるんだが、もぐられるのは持っていかれる感じがすごくイヤ。もう恐くてサドルホルダーが手放せない。 「先生、私めっちゃビビってるんですけどぉ〜」「恐がるな、馬に伝わるから」「そんなの分かってますよぅ。言わないと自分をごまかせないんです〜」跳ねられながら駈歩しているので、すごくいびつな輪乗り〜輪乗りと差のない隅角〜ラチから1m近く離れた長蹄跡行進と、ぐちゃぐちゃな経路。 それでも突っ走ったり、場外失権しようとしないのはさすがグーちゃんで、斜め手前変換からX点で速歩。でもX点から2歩も駈歩しちゃったのは、やっぱり少し行きたがってるのかしら。蹄跡で常歩、C点の手前で「ちゃんと座骨据えて、行かせないんだよ!」と言われたのに、やっぱり馬が先に速歩してしまった。E点から半巻きして中央線へ入り、G点で停止。はふ〜。 先生から「じゃあ落ち着いてもう1回回ってきな」と言われたので、馬を待機馬場へ向かわせます。速歩でA点から出て、再入場するために巻き乗りしたら、何を見たのか横っ飛び。普段は物見をしても行動に起こさない(せいぜい立ち止まるくらい)のグーちゃんが、こんなに横っ飛びをするなんて珍しい。別にそんなに驚くものもなかったと思うのに、ちょっと神経質になっていないかいグーちゃん? 気持ちとしてはもうここで馬から降りたいくらいだったのですが、それじゃ馬のためにも私のためにもならない。どうにかして大事に丁寧に持っていこう(こういう場合、私の辞書から「思い切って」という言葉は消えうせる)。 速歩で入場、X点で停止。敬礼しようとしたら、馬が速歩で前に出てしまった。仕方ない、敬礼は中途半端だがこのままいくか。「なんだ、立って答礼しようと思ったのに〜。まぁいいや、そのまま行け」ということでC点に向かって直進。速歩パートは特に跳ねられることもなく、C点から右手前の駈歩。跳ねられたら怖いので、外方だけサドルホルダーを持っておきましたが、輪乗りで軽く跳ねられた程度。これなら最後までいけそうかな? ところが左手前、やっぱりダメだった。発進はうまくいくのに、2〜3歩目から立て続けに跳ねる。 「なに外方持ってんの〜?」「だって怖いんだもーん!!」どうも私の場合、こうやって大騒ぎして恐さを発散しておかないと、体が固くなるばっかりなんだよね。 「C点からでいいからやり直してみ」と先生が言う通りに、常歩でM点から蹄跡に入ります。「そう、そこからつめて」がこっ。「うわぁっ!?」なんとグースケが右後肢を振り上げ、ちょうどCちゃんの座っていた目の前のラチをけっ飛ばしたのでした。けっ飛ばしたらラチに当たっちゃったことと、Cちゃんの悲鳴にびっくりしてまた横っ飛びしようとするグーちゃん。もういい加減落ち着こうよ。 (余談だけど、グーちゃんはもともと右肩に跛行を持っていた関係で、左後肢の足クセが悪い子です。だから左後肢を蹴り上げたときの心の準備はできてたんだけど、このときは右後肢だったんだよね。珍しい。) ついに見かねたN子先生が馬場に入ってきて、「馬なんてだいたいそんなもんなの。そのくらい普通と思わなきゃ。ちょっと貸してみな」と乗り変わってくれました。 鞭も持たずにさらっと騎乗したN子先生、「別にヘンじゃないぜぇ?」と言いながらも、相当ビシバシやっているじゃないですかぁ。 先生が何気なく、2課目のエレメントを取り入れ始めました。うわー、先生ってばなんてかっこいいんだろう。隅角は後肢がラチに当たりそうなくらいにギリギリできゅっと曲がるし、斜め手前変換のポイントは正確。 5分ほどビシバシ動かしてもらったあとに乗り変わり、「じゃあ最後にもう1回だけ、最初から踏んでみな」先生の乗ってくれたあとだから馬が変わっているはず、とビビりの自分に言い聞かせ、待機馬場へ。 速歩パートはさっきと同様に問題なく、C点から駈歩。右手前の駈歩は落ち着いて走ってくれますが、その分重いかも(普段から右手前は重めだけど)。私もビビりまくっているので、勢いはなかったし。 輪乗りから蹄跡に入り、「推せっ」「行けっ」「そのままっ」「差せっ」(いや、最後の掛け声はなんか間違ってる…)とギャラリーから声がかかる中、あまり伸ばせなかったものの、長蹄跡をクリア。速歩に落ちそうになりながらも斜め手前変換、速歩から常歩へ。 さて問題の左手前、今度こそ馬は跳ねないと信じて駈歩発進。拍車は当てず、かといってふくらはぎを離すと駈歩をやめてしまう子なので、慎重に騎座をメインに前に出します。お、このままどうにか行けそうじゃないか? 勢いはないけど輪乗りで跳ねられることはなく、隅角もあまり踏み込めなかったけどさっきよりはマシ。 ところが最後の最後、斜め手前変換からX点で速歩に落とした直後に、クラブハウスでオーナーの飼い犬がいきなり吠えだしました。けっこう近くでいきなりだったので、当然グーちゃんはびっくりして横っぱね。私も落ちそうになりましたが、一瞬「来週試合なのに、ここで怪我してどうする!」という考えが頭をよぎり、必死でサドルホルダーにしがみついて騎座を立て直し、どうにか落ちずにすみました。 落ちずにすんでホッとした次の瞬間、せっかくここまで何ごともなく持ってきたのに、とすっごく悔しくなりました。あとで周囲に聞いても、この1回が一番うまく乗れてたのに、とのこと。くやしいなぁ。 姿勢を立て直して、X点の速歩からやり直し。H点で常歩に落とし、C点で持って行かれないようしっかり座って、C点から速歩。「よし、そうだ」隅角も半巻きも、拍車じゃなく内方の座骨。よーしもうちょっと。 中央線に入ってG点で停止、敬礼。はー終わった終わった。「じゃああとは、自分で少し好きな運動していいよ。停止と発進をきっちりやるとか」と言われたので、整理運動。自分の気持ちとして、リスクの高い駈歩はもうやりたくなかったので、速歩での発進・停止をやったあと、八の字乗りで座骨の練習をして、下馬することにしました。 グレイトの馬房に近い馬繋場はお湯が出ないので、「上の馬繋場に上げちゃいな、無口とか持ってってやるから」と先生。馬を連れて馬繋場に入って待っていると、先生が無口と一緒に私のジャケットも持ってきてくれました。「いやーん、先生やさしい〜」「当たり前よン、風邪でも引かれたら大変だからね。その馬足クセ悪いから気をつけてね〜」「大丈夫、私も足クセ悪いから」 グーちゃんの手入れをしていると、馬場ではあんなにピーキーだったくせに、馬繋場では私の様子をみながらちょびっと鼻を寄せてみたりして、一応甘えているつもりらしい。 こんな体たらくだけど、来週はいよいよ八王子乗馬倶楽部で新春ホースショー。グレイトを連れて行かないのが残念だけど、頑張ってくるからね。グーちゃん。 |
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![]() ↑日の出乗馬倶楽部の見取り図 (緑字:貸与馬、青字:自馬) |
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