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(2004.12.4 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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グレイト・準備馬場
準備馬場にて。私史上、一番まともに受けてくれたグレイト

グレイト・本番
…と思ったらこれだ!
手綱を伸ばした常歩のあと、手綱を持ち直したら思いっきり恐竜に。ぱおーん。

ついに今日は、八王子乗馬倶楽部(以下HRC)の乗馬大会。まぁHRCの運動会のようなものですが、さすがにうちの倶楽部とは規模が違うので、2日間にわたって行われます。他倶楽部からの参加も、日の出を含めて5〜6クラブありました。
1日目の今日は馬場競技がメインで、我が日の出からは3課目に2名、2課目に5名出場。そのうち、私をふくめた3名が、日の出から半自馬のグレイトを連れて行って騎乗することになっています。

グレイトは朝6時に馬運車に乗せられ、日の出を出発しているはず。私と相方は、3課目に出るIさんと待ち合わせをして、7時すぎに現地に到着しました。HRCにはもう何度か来たことがあるので、おそらくグレイトが入厩しているであろう厩舎のほうに歩いていくと、練習馬場にN子先生とグレイトの姿が。
競技開始の7時半ぎりぎりまで馬を動かしておいてくれるという話だったので、バキバキ動かしてくれているみたいだけど、N子先生が乗っても重そうに見えるなぁ。実は今日まで、鞭なしでグーちゃんと経路を回ったことがないのですが、正式なルールに則るなら本馬場では鞭の使用は不可。なかなか馬を前に出せない私、鞭なしでこの子を動かせるのかなぁ。
それにしても、周囲のリッパな体格の馬に比べて、グーちゃんの貧弱なこと…。

馬場の奥、厩舎側にO先生とあーちゃんの姿が見えたので、そこで合流。7時半になり、馬場からN子先生とグーちゃんが出てきました。すぐに3課目競技が開始されましたが、日の出の選手の出番はかなり後ろのほう。しかも3課目はHRCの貸与馬なので、馬付としてもすることがなく、グーちゃんをかまったりして時間をつぶしました。
3課目の2人の出番が終わっても、2課目の競技が始まるまでにはあと2時間もある。緊張しちゃうから、さっさと終わってくんないかなー。仕方がないので早めに昼食。

2課目は13時半からの予定ですが、午前中の競技が早く終わりそうなので時間の繰り上げもあるかもということで、N子先生がもう1度グレイトの下乗りをしてくれることに。30分ほど動かして、1番目に乗るあーちゃんに乗り代わります。
時間が繰り上がるかと思っていたら、予定通り13時半から始まるということになったので、あーちゃんの乗る時間も長くなってしまいました。でもグーちゃんは、沈静化すると筋肉が固くなるんだか知らないけど、すぐ跛行するので、とにかく動かしつづけていないといけません。
私はあーちゃんの出番が終わったらすぐ乗り変われるように、N子先生から借りた燕尾服を着て待機。これは先日の運動会でも借りたものだけど、「先生、ボタン飛びそうなんだけど」「飛ばしたらタダじゃおかないからねっ」私もそんなには太ってないつもりだけど、N子先生はほんとに針金のように細いからなぁ。先生の燕尾を借りようと思う限り、1センチも太れないじゃん。

あーちゃんの出番が終わり、待機馬場へ戻ってきました。開口一番、「コイツ見すぎ!」気の小さいグーちゃん、審判席がわりのワゴン車を見ては[くるま〜っ!?]、無事そこを通過したと思ったら今度は[は、畑〜っっ!?]と、目に見えるものをいちいち怖がっていたそう。グーちゃんの場合、物見はしても飛んだり跳ねたりするわけではなく、動かなくなるだけなんだけど、それも困るっちゅーの。
本馬場の中では重そうに見えたグーちゃんですが、待機馬場に戻ってくるとさくさく動いている。やっぱり本馬場の中がイヤだったのかしら。

あーちゃんが下馬して、「先生が、常歩で大きく歩かせてろって。まだ手綱持たなくていいから」と言うので、乗り代わって輪乗りで常歩。ここで歩いている分には別に物見はしないようだけど、跛行を気にする彼を大きく歩かせるのは、なかなか難しい。
待機馬場に戻ってきたN子先生が「どんどん歩かせて。あーちゃんから聞いたでしょう、物見てもね、脚でぐっと前に出して、何もさせるな」「見させないってこと?」「見てもいいけど、何もさせないの」「はい」
手綱を少しずつ持ち直し、速歩。やっぱりあんまり受けさせられなくて、少なくとも天井は向いていない、という程度。鞭を使って速歩を伸ばしていきますが、なんか今ひとつ。あんまり手綱を持ちすぎても絶対うけないことが先週分かったので、ここは思い切って手綱を長めにしておくか。グーちゃんの場合、手綱が長すぎて前に出ちゃうことはまずないし、手綱を短く持つと私は肘が突っ張っちゃうクセがあるので、そっちのほうがリスキーな気がする。

N子先生の号令で、駈歩に移行。1歩目は出にくくて、やっぱり2拍くらい遅れて出る感じ。出したら出したで重いので、歩ごと駈歩発進してる感じ(それが本当だとN子先生は言うけど)。
N子先生の指示で、輪乗りの手前を換えて駈歩を続けます。駈歩をやってるとだんだん馬が受けてきましたが、私のほうが息が切れてきた。
「KYOKOさん、あと4人だからね、今出てる人が終わったらあっち(馬場の中で、入場口に近いところ)行きな。そのときね、鞭使っても何してもいいから、速歩をガンと伸ばして来なさい。じゃああたしは先に向こうに行ってるからね」と、N子先生が馬場の反対側に行ってしまったので、私は1人で速歩でフラットワーク。

先生の指示どおり、長蹄跡にあたる部分で鞭を使い、速歩を伸ばして馬場の反対側へ。自分としては駈歩が出てもいいくらいの勢いで座骨と鞭を使ったつもりだけど、大して伸びませんでした。
入り口に近いほう、クラブハウスの前あたりの馬場で輪乗りを始めると、こっちは人も馬も多いからか、グーちゃんが少し物見気味。このへんは、下乗りでもあんまり使っていないしなぁ。
速歩でも駈歩でも、なんだか外に逃げていくのは物見のせいなのかなぁ、さっきの場所ではそんなことなかったのに。馬場の外にいるN子先生に「先生、外に逃げるのどうしたらいいですか」と聞くと「外方の壁!」そうか、と思って外方の拳をしっかり持つようにしましたが、考えてみたら外方脚が全然壁を作れてないじゃん。こっちのほうが重要。

ほとんど息を切らしながらフラットワークを続けていると、ふっと手綱の手ごたえが違ってきました(うまく説明できないけど)。あれっ、受けてるじゃん。しかも続いてるし。自分で何をやったから受けたのか全然分からないけど、とにかく受けた。
思わず「受けたー!」とN子先生に向かって叫びそうになりましたが、そんな当たり前のことを大声で言ったらN子先生が恥をかきそうなのでぐっとこらえました。でも嬉しいぞ。いやー、下乗りいっぱいしてもらって良かった。
しかし受けたからと言って動きが良くなるわけではなく、むしろ重くなったくらい。私が前に出せれば問題はないんだけど、ヘタクソなのでとりあえず鞭を使うしかないか。
同じ馬場のすぐ横では、HRCのマネージャーで、先日全日本総合で優勝したS先生(伏せてる意味ないですな…)が馬を動かしています。うわー、こんな一流の人と一緒の馬場にいるってだけで感動だ。

私の直前の人の出番が来たので、私は正規馬場のA点側、20×20m程度の準備馬場へ入ります(3課目longで20×60mだった馬場を、1課目から20×40mに縮めた際に出来た馬場)。
正直言って、今のフラットワークでもう息が完全に上がっている私。まだ百日咳の後遺症もあって、喉がはりつくように痛いし。
馬場の外にN子先生と、HRCのI先生の姿を認めたので「せんせーい、もうフラットワークだけで死にそう」「フラットワークで死んだ人なんか聞いたことないよ! もうちょっとだから頑張りな」そんなやりとりをしている間も、グーちゃんは動かしていないと跛行が出そうになる、やばいやばい。
でもグーちゃんは、ときどき頭を上げてしまうものの、外方のハミに向かって拳と脚でちょちょっと「違うでしょ」とやってあげると、すぐ頭を下げてきます(このやり方が正しいのかどうか分からないけど)。
受けているからかすっごく座りやすいし、なんか今までで一番、座骨が鞍から浮かないかも。でも気がつくと、巻き込んでしまいそうになる。巻き込むってことは私が前に出せてないってことなんだけど、気がついたからって出せないのが辛いところ。

入場ベル代わりのクラクションが鳴り(グーちゃん怖がるかと思ったけど、そうでもなかった)、あらかじめN子先生に言われていたように鞭を一発強めにくれ、勢いをつけてから、鞭を捨てて入場門に向かいます。
っておい、A点ポイントどかしてないんだけどー。係の男の子がラチだけ移動し、ポイントをどかすのを忘れたみたいなんですが、もういいやこのまま突っ込んでしまえ(あとから相方が、「もう1回巻き乗りして入れば良かったのに」。あ、ほんとだ)。
あわてて係の子がA点をどかしにやってきましたが、この際知るか。私とグーちゃんがA点に到着する直前くらいにA点が撤去され、入場。グーちゃんはあまりよれたりはしない子なので真っ直ぐX点には向かえ、停止。

審判席がわりのワゴン車の中から審判員が答礼するのを確認して、発進。正直言って、鞭なしできちんと速歩発進する自信はなかったのですが(普段は鞭があってすら失敗してるし…)、今日はちゃんと速歩で発進できました。
いつもC点から蹄跡に入るところで、「隅角が甘い!」とN子先生に怒られるので、ラチに垂直に突っ込むつもりで蹄跡へ。隅角もいちいち、角をにらみすえて突っ込むくらいの気持ちで入ります。
M点より斜め手前変換、中間速歩。まぁ中間にはならないだろうなと思ったのですが、上体を起こして座骨を押し込むつもりで、できるだけ推進。一応少しは伸びたのですが、ジャッジは「やや推進不足」「伸展せず」でした。

このあたりで、どうもグレイトが鞭がないことに気がついたんじゃないかと思うんですが(笑)、どんどん重くなってきました。しかもときどき、ハミを上に突っかけるし。こうなると3湾曲は鬼門で、回転ごとに前に出せなくなっていきます。なんでこうも馬を前に出せないんだろうか、私。
蹄跡に入って、長蹄跡は中間速歩なのに、まったく伸ばせない。当然「伸展せず」をとられました。おーい常歩はA点からだよ、頼むからまだ止まらないで。あぁ、常歩に落ちるのが1歩早かったなぁ。
F点で斜めに手前を換えつつ、脚を使いながら手綱を伸ばします。練習のたびにN子先生に言われたように、座骨でリズムを作ろうとしますが、あんまり大きくは歩かせられません。

H点の手前で、伸ばした手綱を持ち直した瞬間、グーちゃんが思いっきり天井を向いてしまいました(左写真・上から2枚目)。うげっ、ちょっとグーちゃん、ここ中間常歩なんだけど。脚を使いながら外方のハミに軽く合図を送ったつもりですが、全然グーちゃんに伝えられないまま、もうC点じゃん。こんな準備のできてない状態で、ほんとに駈歩出るんかいな。
駈歩発進、出ることは出ましたが、2歩ほど速歩が入ってしまいました。20mの輪乗りから蹄跡へ。隅角はわりときちんと曲がれましたが、ともすれば速歩に落ちそうな駈歩。おいおい私、ここは中間速歩じゃないのかよ。
あれ、なんか歩様がヘンかな? 反対駈歩になっちゃったかな? 反対のまま続けると先々で反対駈歩の減点とられちゃうしなー、もし反対だったら早めに直しておかないと。えーい、思い切って隅角の手前でいったん速歩に落とし、すぐに駈歩発進。幸い1歩で駈歩に戻せたので、イレギュラーもとられずに駈歩をつづけることができました。
でもあとでビデオで見ると、別に反対駈歩ではなかったんですね、コレが。軽い跛行があるので、それを私が反対と思いこんでしまったようです。

斜めに手前を換え、X点での下方移行は半減却を使うだけですっと落ちるので楽。逆に蹄跡に出るまで常歩に落ちないように気をつけて、蹄跡から常歩。ここは特別頑張らなくても、常歩にはけっこう勢いがあります。
C点からふたたび駈歩発進、発進はスムーズにできましたが、さっきの右手前のときに輪をかけて重いかも。でもここで焦ると私は絶対前傾しちゃうので、焦らず座骨、座骨と。
輪乗りから蹄跡、隅角にはきちんとつっこんだつもりでしたが、H点を過ぎたあたりで馬がふらっとよれました。あれ、今のはこの子で始めて経路練習したときに踏歩転換された感じに似ていたぞ。
えーと、どうしようかな。踏歩転換していたら反対駈歩になっているはずだし、今の駈歩が正手前だという自信がこれっぽっちもない。もともと反動のやわらかい馬で、反対駈歩をされたときに言われるまで分からなかった実績(おいおい)があるし、肩を見れば分かるかなと思ったけど、あんまりじっくりのぞき込むとバランスが崩れそうだし。
えーいままよ、右手前でできたんだから、ここもいったん速歩に落として駈歩発進しなおそう。

そういうわけで速歩に落としたんです。と、あとでN子先生に報告したら、「正手前だったよ! なんでちゃんと駈歩できてるのに、速歩に落とすのかってびっくりしちゃったよ」「えっ、あれ手前合ってました?」「合ってたの!! もう、あれさえなければもう少しマシな点数なのに!」なんてことだ…。
さらにあとで、じっくりビデオを見てみると、私がよれたと思った瞬間、グーちゃんがボロをしているのです。駈歩のままボロをした(そのこと自体は悪いことじゃないけど)ことで、後駆がちょっとふらついたのを踏歩転換だと思いこんでしまったのですね。なんてバカなんでしょう、私。
「そういうことがないように、もっとお尻の下の感覚を研ぎすまさないとね」とは、O先生のコメント。だいたい、ちゃんと騎座ができてればこんなことはないんだろうけど、まだまだそのレベルではない私。

さらに最悪なことに、すぐ駈歩に戻すつもりが、駈歩に戻せないまま蹄跡行進。困ったなー、困ったなーと思っているうちにもうF点にたどり着いてしまい、仕方がないので斜め手前変換。ここの回転のところで駈歩にできないかな、と最後の望みをかけましたが、それも失敗。あーもうX点についちゃうよ。
結局速歩のままでX点まで来てしまい、そのままH点へ。蹄跡から常歩、C点から速歩。ここは何故かちゃんと速歩になるのよね。せめて最後の半巻きはきれいにやろう、と思ったとき、自分より前の人馬たちがつけた半巻きの蹄跡に気がつきました。蹄跡ができているくらいだから、このとおり踏んでいけばうまく回れそう。
X点からそのまま直進、G点の手前で常歩に落ちそうになりましたが、最後の気合いでG点まで速歩で行かせて停止、敬礼。答礼を受けて、手綱を伸ばして愛撫、常歩で馬場の外に出ます。

いやいやいやいや、疲れました。数字としては45.59%と、自分の未熟さを思い知る結果になったけど、でも楽しかった。少なくとも、練習では拍車をヘンに使ってしまってぴょんぴょん蹴られていたのが、今日は1度もなかったし、準備馬場の3分程度とはいえきちんと受けてくれたし。自分の感触としては、練習のときよりはまともに乗れたのでよしとしよう。

グレイトを馬運車に乗せ、日の出へ帰還。明日の日曜は相方が障害で出場するので、自宅に帰って朝早く出てくるよりはと、日の出の近くに宿をとりました。
あーちゃんも一緒に宿泊することになり、3人でビデオを見ながら反省会。あーちゃんによると、私の騎乗は「駈歩の姿勢はすごくいいのに、速歩苦手でしょ」「あ、うん。速歩だとバタバタしてる」「駈歩のほうが座骨が使えてるんですよね。腰が反ってはいないんだけど、ちょっとまだ腰に力が入ってるんじゃないですか? それで上半身の重さが腰で止まっちゃってて、座骨まで落ちていってないんですよね、もったいない」
あぁ、座骨の使い方がまだよく分かってないよなぁ、私。ウェイトや力で馬を動かすことができないんだから、そういう馬の動かしかたを身につけて、馬を前に出せるようにならなきゃなぁ。

グレイト・本番
これが衝撃の瞬間。ボロをしながら駈歩するグレイト


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