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(2004.7.17 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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さて、調子に乗って本日2鞍目。午前中のレッスンが思っていたより暑くなかったので、まぁどうにかなりそう。
15時からなので、14時半にロゼッタの馬房へ。あれ、いつもと馬栓棒の高さが違う。よーく見ると、2本渡してあるうちの、上の馬栓棒の留め金具がぶっこわれたらしく、すこし上にずらして金具を付け直してありました。
今までと馬栓棒の間の広さが変わって面白くなったのか、2本の間から顔を出そうとするロゼッタ。違うでしょ、と一回顔を押し戻してから上の馬栓棒を外し、無口と引き手をつけて外へ。
ブラッシングを始めてみると、これが汚い汚い。ブラシをかける側から、いっぱいゴミが出てきます。周りのスタッフに聞くと、昨日馬場で放牧したということ。先週のレッスンのときも、すっごく砂浴びしたがって寝転がろうとしたくらいだし、そりゃーさぞ喜んで砂浴びしまくったことでしょう。N子先生によると、「放牧されてもちっとも走り回らないで、砂の上でうれしそーにごろんごろんごろんごろんしてた」そうです。

準備ができたので、ロゼッタを連れて馬場へ。
馬場への坂道を降りたところで、ロゼの歩みが遅くなりました。そこへI野先生の「寝るぞ、寝るぞ」という声。はぁ? こいつですか? 馬場に出たばっかりでそんなことするんかい、とロゼを振り返ってみたら、確かに前肢を折ろうとしています。こいつはもう。手で肩をぶんなぐったら、しぶしぶ体勢を立て直して歩き出しました。昨日放牧してもらったばっかりだっていうのに、まだ砂浴びが足りないのかねぇ。
この時間は、Sさんのコスモと、私のロゼッタの2頭。Sさんも私も、ふだん一番乗りなれている愛馬同士です。N子先生が出てきて、「あとからO先生に代わるけど」と言いながら、しばらく見てくれることになりました。O先生、ついさっきまで他の馬の下乗りしてたしな。

コスモ、ロゼッタの順で、蹄跡で常歩。「じゃあ常歩で、各個に巻き乗り」さすがにロゼ、手綱をほとんど使わなくても座骨と脚だけで曲がってくれるんだけど、「ほら、巻き乗りに入るといきなり歩度が落ちてるでしょー。なんでそうなっちゃうか、分かる?」「えーと、いま半減却使うの忘れました」「そうだ。それから?」「えーと、何だろう。推進?」「そう。脚の推進がぜんぜん足りない」ふー。この間も、「あと脚さえちゃんと使えれば、馬をちゃんと動かせる」って言われたけど、それって蹴るとかそういうことじゃないもんね。

しばらくして、「すみません、それでは指導交代します」ということで、O先生に交代。考えてみたら、O先生の指導は久しぶり。「では、常歩の歩度を伸ばしましょう」ロゼッタだと、これはけっこう難しい。
N子先生はまだ私の横についていて、「ほら、パタパタするなっ」と、鞭で長靴を叩かれました。言われてみると、確かに自分の脚はパタパタしていて、それは私の理想とするところではないのですぐやめました。ですが、それで脚を動かさないようにしてみると、馬を前に出すことってなんて難しいんだろう。脚の推進って、どうやるんだろう。理屈で言えば、座骨で推せばいいことは分かってる。理屈がわかってるからって、それができれば苦労はしません。

「では気をつけ、はやあーし」で、速歩から軽速歩へ。ティーディマンをつけていないとよれるわ、のめるわのロゼッタですが、そこは私がしっかり前に出して、起こしてあげないと。
「そこで拍車を使うくらいなら、鞭で前に出してください」ごもっとも。軽速歩の立つタイミングに合わせて鞭を使っていると、けっこう前に出てきました。巻き乗りも、内方の座骨で推していけば止まらずにいけるし、なかなか調子がいいんじゃないの。
半巻きの帰りの線上では、もう当然のように斜め横足。だって馬ができるはずなんだもん。

「じゃあ1人ずつやりましょう。コスモ、蹄跡より少し内側使っていいですから、駈歩」コスモが駈歩をしている間、ロゼッタを停止させていましたが、明らかにロゼが飽きてきた。すぐ頭を落としてサボりたがるので、脚で圧迫してやるとすぐ頭を上げて姿勢を正すのですが、2秒ともたない。
仕方ないので、コスモの邪魔にならないように内側を歩かせていることにしました。でもこういうときのロゼッタは、[自分の出番じゃない]と理解している(やなやつ)ので、何をやってものたのた歩きしかしないんですよね。
コスモが左右とも駈歩をやったので、次は私の番。すこし強めに鞭を使ってから速歩にして、蹄跡に向かわせます。左手前で蹄跡に出て、一度常歩。

「KYOKOさんはロゼッタ愛馬だから、駈歩の出し方は問題ありませんよね」「はい」出し方は問題ないんだが。駈歩の扶助を出してみたのですが反応しないので、1度鞭を入れます。ちょっとだけ頭を上げて反応したロゼッタ、次の駈歩発進の扶助にはあっさり反応しました。寝てやがったな。
そのまま駈歩行進していたら、ひょいっと踏歩転換。また私のバランスが崩れたかな。おかげでだいぶ踏歩転換の動きに慣れてきた(以前はいちいち止めていた)ので、反対手前のままでも走らせることはできるんだけど、どうしようかな。もう1回踏歩転換してくれたら、正手前に戻るんだけどな。
と思ったら、ひょいっとまた踏歩転換してくれたので、正手前に戻りました。「はい、そこで巻き乗り」の号令で、10mの巻き乗りへ。
そこへ、「そこで体起こせっ!」と、N子先生が飛び入り指導。さっきのレッスンでもジュンヨーの駈歩巻き乗りがうまくできなかったので、つい黙って見ていられなくなっちゃったんでしょう。レッスン後にN子先生いわく、「だって巻き乗りの半分くらいから、座骨がつき遅れていくんだもん。そりゃ馬が止まるよ」うーん、自分じゃ分かんないけど。
ただ慣れてるロゼッタだから、どうにかこうにかではあるけど止まられずにすみました。

いったん常歩に落として、もう一度駈歩発進。走り出してまもなく、またすぐに踏歩転換されてしまいました。うーん、何なんだろう。ロゼの場合、ほいほい踏歩転換するときはそれなりに前進気勢のあるときで、調子のいい証拠でもあるけど、今日はずいぶん頻度が高いよなぁ。
常歩に落としたところで、O先生が「だって、拍車でトモの動き止めてるもん。トモが出ようとしてるとこに、かかとでそれを止めてるから、じゃあこっち出しちゃダメなのかってロゼッタが反対側の肢に換えて、踏歩転換になっちゃうんですよ」そうなのか! 踏歩転換させてるのは、私の座骨のバランスが悪いからだと思いこんでいたけど、まさかかかとだとは思わなかった。
またしてもかかと、かかと。3級試験のときに、ララミー牧場のH先生にもそう言われたばかり。今現在の私の騎乗で、一番分かりやすい問題点はかかとなんだよね(それは突き詰めていくと、結局は騎座の安定なんだろうけど)。
ええと、じゃあかかとを使わないためにはどうしたらいいんだ? あそっか、膝を伸ばせばいいのね。なんだ、結局いつも言われている欠点が出ているだけなんじゃん。

左手前で駈歩発進、今度は拍車を使い過ぎないように(これだって、いつもN子先生に「拍車ばっか使うなー!」と怒られていることだし)。それでもやられてしまった、踏歩転換。
その瞬間、どうにかならんかと思って、とっさに内方の拍車をキツめに使ってみたら、やっぱりやってくれた、踏歩転換。すっげー、今の歩毎踏歩転換だよ。まるで高等馬術みたい。
「すごいじゃーん」と馬繋場からギャラリーの声、「やらせてるんじゃなくてやられてるだけなんだよーぅ」。でもなんか分かったぞ、私が踏歩転換されやすいメカニズム。以前ララミーで、ロゼッタに乗ったことがあるという方にお会いしたときに「でも踏歩転換なんかする馬だったかなぁ…」とつぶやいておられたのですが、やっぱり私の乗り方のクセによるものだったんだな。私が間違えているとおりのことをやってくれるところは、さすがロゼッタ、って感じではあるけど。

半巻きして、右手前で駈歩発進してみたら、なんかロゼッタの動きが違う。思わず「あれっ?」と走りながら馬の肩を見たら、「そう、すぐ違うって分かるのはさすがですね。それが反対駈歩だって感覚を忘れないでください」とO先生。やっぱり反対駈歩だったか。
でももしかしたら、さっきと反対のことをやれば、これを正駈歩に転換できるんじゃないかしら。なんて欲をかいて、拍車を強めに入れてみたのですが、今度は止まられてしまいました。やっぱりトモを止めちゃったことには違いないんだろうけど、びみょーに間違っているらしい。
馬場の外から、「4課目踏むんですよねー」と冷やかしがかかります。「ちがぁう、反対駈歩も踏歩転換もやるつもりないんだー」。

蹄跡に戻って、もうしばらく速歩をしてから沈静化、レッスンは終了。いっしょにレッスンを受けたSさんとの統一見解ですが、このレッスンはずいぶん短く感じました。なんでだろ。
下馬してみると、ロゼッタが汗みどろのうえ、昨日の放牧でついたらしい砂できったない。「このくそじじい、洗ってもいいですか」とO先生に許可をもらい、丸洗いすることにしました。
ロゼッタは何しろじじいなので、丸洗いすると乾くのもちょっと遅め(ダンスなんかは若いからかなり早い)。乾くまで馬繋場に立たせている間に、たてがみを櫛ですいてやったら、白い毛がさらっさらになって、「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフみたいで満足(決してシャドウフォックスのほうではない)。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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