| ←435鞍目 | 外乗・のんびり…と思いきや (2007.9.9. 静内・聖心台ライディング) |
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![]() アップルに乗って採草地をぽこぽこ。 アップルも日の出のウインダムと同じスモークダンという毛色なのですが、この写真だと栗毛に見えますね。 |
毎年恒例の、北海道旅行に来ています。初日は台風の影響で飛行機が飛ぶか懸念されましたが、無事に帯広空港に到着。ばんえい競馬をガッツリ楽しんで、帯広に宿泊しました。 2日目の今日は台風一過で、朝から暑いくらいのいい天気。帯広を出て三石を回り、夕方に静内の聖心台ライディングに到着しました。ここは競走馬の生産をやっている聖心台牧場(生産馬はテイエムアクションなど)に併設されている外乗コースで、昨年も来ています。 車で敷地に乗り入れて車を降りるなり、ゴールデンレトリバーともう1頭の黒い犬が、嬉しそうに駆け寄ってきました。その後ろにいる男性が、たぶん牧場の社長だと思ったら当たりでした。昨年ガイドを務めてくれた女の子は辞めたそうで、今日は社長自らガイドを務めてくれるようです。 競走馬生産をしているとは言っても、乗馬用にちゃんと中半血種も生産しています。わたしが乗るのは去年と同じく、クオーターの牝馬アップルちゃん。相方も去年と同じ、中半血のブラウンちゃんに乗ることになりました。 社長によると、「ブラウンは自分がボスだと思ってるから、ほかの馬を蹴ったりするけど、本当に強いのはアップルのほう」ということで、社長の先導馬についてアップル、ブラウンの順で外乗に出ます。 練習馬場を速歩で2〜3周してから、常歩で外乗に出ます。去年は駈歩もだいぶやったのですが、今年は社長の方針で常歩主体で行くとのこと。わたしたちも、外乗では駆け回るより、ポコポコお散歩するほうが好みだし。 馬場を出て上がっていくと、下の馬場に放牧されていたブチ馬が「ぴーっ!」と鳴き出しました。そうそう、下にいる馬クゥリは、相方が乗っているブラウンちゃんの娘なのでした。 クゥリが鳴くのを後目に、草原に出たので少しだけ速歩。すると先導馬がいきなり尻っぱねを2〜3回したのですが、アップルちゃんは全く動じません。いや大したもんだ。 常歩で山道を上るころには、クゥリも諦めたのか鳴き声が聞こえなくなりました。山道を抜けて舗道を渡ると、そこは広大な採草地。社長は「うちの牧場を馬に乗って案内してるようなもんで悪いけど」と言いますが、なかなかの景色です。 社長のゴールデンレトリバーが、後になり先になりしてついてきていましたが、ついにここまでいっしょに来ました。わんこにしてみれば、自分が先導している気になっているみたい。かわいい。 途中、アップルの歩様が乱れたと思ったら…どうも、ブラウンちゃんが近づきすぎたので蹴っ飛ばそうとしたらしい。牝馬は面白いねぇ。 広大な採草地を常歩でのんびりと1周し、今度は蕗や灌木がいっぱいの藪を抜けると、白い柵でかこわれた放牧地が広がっています。こっちは育成牧場になっていて、少し離れたところで当歳馬が何頭か遊んでいます。 「あれがマイネルセレクトの子」と社長が教えてくれた馬は、ほかの仲良しの仔馬と並んでじーっとこっちを見ていました。かわいい。 放牧地をぐるりと回り、育成厩舎の横を乗馬のまま通ります。厩舎の裏に回ると、二十間道路と日高山脈、そして海が一望できます。「ここからの景色が一番いいんだ。あんまり人を連れてこられないんだけど」というのは、最近は競走馬生産に本腰を入れているっていうことかな。わたしたちが今年最後の客だっていうし。 育成厩舎をぐるりと回って、放牧地のラチとラチの間の道へ。もう、乗馬受付のプレハブと馬繋場が見おろせる位置。あとは馬を焦らせないようにのんびり帰ればいいな。 と、放牧地にいたアパルーサの仔馬が、こっちに寄ってきました。しかも友好的な寄り方ではなく、[なんだよなんだよ! なんでそこにいるんだよ!]とケンカをふっかけてきている気配。するとアップルちゃん、そのアパの仔に対して耳を伏せ、いきなりお尻を向けて[なによこのガキ!? 蹴るわよ!!]と言い出しました。あぁ、いきなり蹴りに行くのは牝馬だねぇ、あんたも。 そんなアップルちゃんを「やめなさいよっ」と叱りつけ、歩かせようとしても、アパっ仔にお尻を向けてなかなか歩いてくれません。後ろでも相方が「バカっ」とか言っているのは、ブラウンちゃんもアップルちゃんと全く同じ反応をしているらしい(笑)。 熟女2人に威嚇されてるんだから、アパっ仔も引けばいいものを、なかなか引かないものだから、アップルはお尻を向けて威嚇しっぱなし。「いいから行きなさいっ」とまっすぐ歩かせるのに力を使いすぎ、太ももと脇がもう少しでつるところでした。 なるほど、ここは初心者さんは通れないわ。ケンカしにいこうとする馬を抑えて歩かせるには、それなりの経験が必要ですもんね。 でも、放牧地を通り抜けると、何ごともなかったようにすたすた歩くアップルとブラウン。そしてまたブラウンの娘に[どこ行ってたのよ〜っ!!]とびーびー鳴かれつつ練習馬場に戻り、外乗終了。 社長が馬装を解いているそばで犬をかまったり、馬と写真を撮ったりしていると、社長もけっこう話し好きのよう。静内周辺のおいしいお店(いわく、「ほとんどないけど」だそうですが…)の話から、競走馬生産の現状まで、いろいろと話しました。 なかでも日高の馬産はかなり厳しいようですが、社長は「だからこそいい馬を作りたいの。馬はもう手作りの時代じゃなくて、考えて作る時代。でも、ひとつの流れを作るのに20年はかかるからね、息子も帰ってきてくれたから本腰を入れてがんばるつもり」と熱く語ってくれました。聖心台牧場の生産馬、応援してますよ、社長! |
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![]() 社長ご自慢の、厩舎裏からの景色。 |
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