←372鞍目 試合・って、いきなり大勒っすか!
(2006.12.16 八王子・八王子乗馬倶楽部)
373鞍目→
日の出乗馬倶楽部の馬場
初めて「6」をもらえた「手綱を伸ばした常歩(軽いコンタクト)」。


日の出乗馬倶楽部の馬場
大勒なのに、このハミ受けの悪さ…。頼むから外向かないでちょうだい。


さて今日は、お隣クラブの八王子乗馬倶楽部(以下HRC)にて八王子乗馬倶楽部乗馬大会。わたしは相も変わらず2課目エントリーで、前日入ってきた情報によると騎乗馬はファイヤーサイン。って、乗ったことないよ、その馬。
HRCの試合で日の出組に配馬される馬はだいたい顔ぶれが決まっているので、自分が乗ったことがなくても何となく覚えているのですが、ファイヤーサインはほとんど配馬されてない馬だなぁ。どんな馬か想像つかない。
おまけに、2課目なのにファイヤーサインには大勒がついているという噂。折り返しなら持ったことあるけど、大勒なんて持ったことないんですけどぉ〜。大勒って、持ち方が悪いと馬が荒れるんじゃないの?(荒れる瞬間を目撃したことがある)
うだうだ考えるといつもどおりの騎乗ができないのがわたしの悪いところなので、「大勒なら何もしなくてもハミ受けする!」と開き直ることにしました。

2課目の開始は13時過ぎと遅めなので、一度日の出に集合してから12時ごろにHRCへ。先に朝から現地入りしていたNくん先生と合流。彼は先週、HRCに練習に来てファイヤーサインに乗ったと聞いていたので、「ファイヤーサインってどんな馬?」と聞いてみると、「すごい片っパミです。左しかとらないんだったかな。あと、重いです」なにっ、重いの? 一番効く棒拍車、置いてきちゃったよ。
今回、2課目でファイヤーサインに乗るのは、同じく日の出組のSさんとわたしだけで、Sさんが先です。
馬がいつ出てくるのかやきもきしながら待っていると、D先生が馬を引いて出てくるのが見えました。馬の顔が、HRCのホームページで確認しておいた写真と似てるからたぶんあれだ。
D先生に「日の出です」と声をかけて聞いてみると、やっぱりそれがわたしたちの乗るファイヤーサイン。ひー、ホントに大勒着けてるよ。「Sさんもわたしも大勒持つの初めてなので〜」と訴えておきました。

Sさんが乗るまえに、D先生が下乗りをしてくれるというので、Sさんとふたりしてじーっと見学。いやあの、先生が乗ってすら重そうなんですけど。ハミも「何もしなくても受ける」という感じではなくて、確かに左のハミにばかりつっかかっていくように見える。先生はさすがにうまくいなしてるんだけど、自分が初見であそこまでできるとは思えんなぁ。
Sさんが乗りかわり、待機馬場へ入ります。あー、やっぱり左手前で肩から逃げようとしてる。左のハミしか取らないのね。でもそれはシュガーもそんなところあるから、同じやり方で対処できるかも。
本馬場での演技を見ていると、重そう重そう。鞭なしで動かせるかしら、わたし。

Sさんが戻ってきたので、いったん先生と一緒にファイヤーサインを馬繋場に入れ、鞍を着けかえさせてもらいました。腹帯を締めると、ずいぶんたくさん締まります。この馬、下手するとシュガーより細くないか?
待機馬場へ連れだして騎乗してみると、案の定グレイトで使った鐙のままでは長い。シュガーもそうなのですが、幅が細い馬だと鐙が真下に落ちるため、長く感じてしまうようです。
大勒は革手綱でしたが、小勒が布手綱で「3つ目のポッチを指に引っかけるのがちょうどいい長さです」と教えてもらいました。経路上で、手綱を伸ばして持ち直さなければならないので、目印があるのはすごく助かる。

左手前で苦労することは目に見えていたので、自発的に右手前から輪乗り。鞭を内方に持ち変えようとして、慣れない2本手綱のおかげで鞭が手から滑り抜けてしまいました。
D先生に鞭を拾ってもらい、「速歩してみましょう」という指示に従って軽速歩。これが、思わず「重っ!」と声に出してしまったほど重いんだ(やばい、マネージャーに聞こえちゃったかも)。D先生からは、内方の手綱を使いすぎないように注意を受けます。
先生に「輪乗りの手前換えてみましょう」と言われ、左手前に。左のハミしかとらないせいで、左手前だとやっぱり外を向こうとするな。シュガーと同じやり方で、外方をかちっと持って下げ気味にし、外方ハミに頼りやすいようにしてやって内方脚を強めに使うと、なんとか目立たないようにはなりました。先生に鞭は持ちかえなくていいと言われたから、左手に持っとくことにしよう。

鐙を短くしたせいで、膝があおりから前にはみだしていてカッコワルイ。でも1穴伸ばしたら踏めないしな。頑張って股関節ほぐして膝下げなきゃ。
先生の指示で駈歩発進してみると、やっぱり一発では出ないか。とりあえず鞭を使っておき、少しずつ拍車にシフトしていく作戦をとることにしました。
ファイヤーサインは基本的におっとりした性格らしく、他馬とすれ違うときに気にしたり怒ったりしないのはいいところだな。でも(だからこそ、か)駈歩が出てしまえば続くというタイプではなく、油断したらいつでも止まる感じ。

速歩、駈歩をひととおりやって、出番まであと2人になったので、入場門近くに移動。D先生に「常歩でいいので」と言われたので、あえて手綱を伸ばして軽いコンタクトをとり、脚を使って常歩してみます。速歩と駈歩が重い割には、常歩はなかなか悪くない。
A点(入場門)前にできている20×15m程度の馬場は、出番が次の人馬しか入らないようになっています。「じゃああとは、自分でやり残したこととか、確認したいことを好きにやっていいですよ」ということで、この馬が苦手そうな左手前を中心に、速歩で前に出すことにしました。
速歩を始めたとき、D先生が「わたし、KYOKOさんが前にアトラスに乗ったときに見させてもらったんですが、覚えてます?」「もちろん覚えてます!」「あのときに比べると、ずいぶん座りがよくなってますよね。自信もっていいですよ」「ホントですか? 嬉しいです」お世辞だとしても、よく覚えてくれてるなぁ、とびっくり。

入場ベル代わりのクラクションが鳴り、いよいよ入場。といっても入場門はすぐには開けてくれないので、速歩であと2周はできるな。軽速歩をやめて燕尾の裾をさばき、もう一度強めに鞭で気合いを入れてから鞭を捨てます。
できるだけ遠くから、A点へ直進するようにして入場(実際はA点のポイント表示台がジャマで、真っ直ぐには入れないのですが)。
X点まで直進して停止、敬礼。その途端によそ見をしようとするファイヤーサインを脚で叱り、速歩発進。わぁ、やっぱりだらけた発進になっちゃった。

C点での方向転換、その次の隅角は思ったよりも深く踏めたけど、その分速歩が遅くなってしまいました。ここで前に出なかった分、斜め手前変換で脚を使ってもすでに遅く、ほとんど伸びなし。
次は3湾曲ですが、こういう片っパミの馬で内方姿勢を作り、内外方を入れ換えていくのはかなり難しい。右手前になる2湾曲目はいいのですが、左手前の1湾曲目と3湾曲目は、馬に外を向かれないようにするだけで精一杯です。
蹄跡に入り、長蹄跡の中間速歩はこの馬なりには伸びたと思うのですが、とても中間速歩と呼べるシロモノではない。

A点で常歩に落とし、F点で手前を換えながら手綱を伸ばします。いつもN子先生に言われているように、馬の肩の出に合わせて左、右と手綱を伸ばしたら、なんだか馬もすっと前に出て、なかなか悪くないぞ。
ここの常歩については、終了後すぐに相方が「常歩のとこは良かった」と言ったくらいで、後でジャッジシートを見たら「6」がついてました。今まで常歩で「6」をもらったことがない(と思う)ので、これは意外だったな。

H点手前で手綱を持ち直すとき、慣れない大勒で手元がもたつくかと思っていましたが、いざとなると手が勝手に持ち直してしまった。外方、内方の順で持ち直すと、特にハミに反抗する感じではありませんでしたが、C点が近づくと馬が少し行きたがり、それを抑えたら頭を上げてしまいました。
なんとかC点までに頭を下げさせ、駈歩発進。1歩で出るかどうか心配でしたが、それは問題なし。輪乗りの図形も、外に逃げられたかな? と一瞬思いましたが、それくらいでちょうどよかったらしく、X点を踏んで、次の蹄跡に1歩だけ入り、C点から蹄跡に入ることができました。

長蹄跡は中間駈歩のはずですが、外方の拳を譲っても座骨を入れても伸びが少ない。むしろ隅角手前で歩度が落ちそうになるのを必死で推して、短蹄跡に入っても詰めるどころか伸ばすつもりでちょうどいいくらい。
斜めに手前を換えると、わたしの扶助より早く馬が速歩に落ちそう。なんとかX点ギリギリまで駈歩をもたせましたが、今のは我ながら微妙(ま、ポイントずれはとられなかったからよしとしよう)。
H点で常歩、C点に向かおうとすると、馬が思いっきり外を向いてしまいました。外方の拳を下げ、内方は引っ張っても反抗するだけだろうから譲り気味にしながら思いっきり内方脚を使って、少し内側を向かせたところで駈歩発進。あーよかった、反対駈歩出なくて。

輪乗りから蹄跡に入り、隅角をまわってH点から中間駈歩。うそっ、右手前よりもさらに伸びないじゃん。中間駈歩どころか止まらないようにするのが精一杯。それでも、K点あたりで速歩に落ちかけ、とっさに「バカッ!」と小さい声で叱りつけたら、1歩速歩が入っただけで駈歩に戻せました。
こういうときは、口を動かしても審判から見えないはずという冷静な判断がはたらいている(笑)。でもちょうど目の前の隅角の外に学生さんたちがいたので、学生さんたちは自分たちが怒られたと思ったかも。ごめんねぇ。
余談ですが、このポイントは1課目では速歩に落とすところなので、それを馬が覚えちゃってたんでしょうねぇ。自分の感覚では速歩が1歩入ってしまったんだけど、ジャッジシートではイレギュラーをとられていないのが不思議。

斜め手前変換でX点で速歩に落とし、蹄跡で常歩。あんなに重かったくせに、C点が見えるとやっぱり行きたがるんだよね。控えて控えて、C点から速歩発進。B点まで蹄跡行進、半輪乗り。ここは10mの巻き乗りのつもりで、といつも先生に言われているようにまとめたつもりが、X点に1歩届かない。
内方脚をくっと入れて無理矢理X点に乗せ、G点まで直進。もうこの時点で主審と目が合っているのですが、焦らないように慎重にG点で停止。…と思ったら、この停止ダメだよ、馬の足がバラバラだもん。お尻の下の感触で、馬の後肢がバラバラなのが分かったので、この時点でまだ敬礼はできない。
主審の先生が立ち上がりかけているのですが、視線を合わせたまま目で「まだです」と訴えつつ、脚で必死で馬の体勢を整えます。完璧とはいきませんが、馬が後肢の位置を直したので、ようやく敬礼。この行為で、副審は「4」を「5」に直してくれましたが、主審は「4」のままだったので、ちょっと苦労損かも(笑)。
でも、あとでI野先生にビデオを見せたら「よく焦らずに体勢を直した、よくやった」と褒めてくれました。

結果、49.41%。それぞれの運動に対する点数は「4」と「6」が平均的にあったのですが、なにしろ総合観察で「推進気勢」と「従順性」に「4」がついたのが痛かった。50%は出したかったのですが、どうにも馬の前進気勢が作れなかったことが敗因でした。
でも、Nくん先生ですら「あの馬だったら50%出せない自信がある」と言っていたくらいだし(こら)、初めて大勒をもった演技としてはこんなものかも。

日の出乗馬倶楽部の馬場
必死で停止を直して、敬礼しようとするところ。でもやっぱ後肢はそろってないですね。


日の出乗馬倶楽部の馬場
退場時。なんかここだけ馬場っぽい(笑)。



←372鞍目 373鞍目→

乗馬日記トップへ / トップページへtop