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(2006.2.4 八王子市・八王子乗馬倶楽部)
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アモンくん、入場
入場のリズムは悪くなかったと思うんだよね。

この週末は、八王子乗馬倶楽部(以下HRC)で東京地区新春ホースショーに参加。今回も貸与馬での出場ですが、前日O先生から配馬はアモンになったと連絡がありました。アモンで出場するのはこれで4回目、もはや愛馬の域。その割にはアモンのハミ受けが攻略できなくて、まだ50%を出したことがありません。よし、今回の目標は50%越えだな。ついでにアモンに乗る人の中で最高点数を出せればなおOK。前回入賞者にしてはちっちゃい目標ですが、まぁ前回はヒエンくんに助けてもらっただけだからね。

今回、日の出の馬場チームは1課目と2課目に出場。顔なじみのI先生に聞いてみると、わたしの担当は前回と同じくS先生。出番は14番目で、わたしの前に他の人が乗ってからになります。わたしの直前の人がアモンに乗って待機馬場に出て行こうとするときに、S先生に「そのあと乗るんで、鞍替えさせてください」と声をかけておきました。
前の人の演技が終わり、待機馬場の外に出てきたアモンくんの鞍を替え、すぐに待機馬場へ。S先生が「しばらく常歩で、前に出してください。このあいだ乗ったヒエンに比べると、だいぶぼーっとした馬なんで、鞭使っていいですから頑張って歩かせて」あ、S先生この間の試合のこと覚えてくれてるんだ。
とにかくアモンはハミ受けが難しくて、すぐ鼻っ面が天井を向いてしまいます。日の出のO先生もこの馬に乗ったことがあり、「ハミ受けのタッチはグレイトと似てるから、方向さえ掴めればいけるはずだよ」と言われています。ってことは、ハミを抜き差しして口から受けさせようとしても無駄ってことだ。

先生の号令で、速歩から軽速歩。予想通り重いので、鞭と脚を同時に使いながら前に出します。鞭だけで前に出しても、後で本番になってから苦労するのは自分なので、少しずつ脚をメインに使うようにシフトしていきます。うん、だいぶ前に出てきたな。
歩度が伸びてくると、左手前はややささり気味なのに、右手前はやたらと肩から逃げるようになりました。左のハミしかとらないという感じではなく、単なるわがままのようだけど。
「ちょっとこの馬、ベテランだけに人を見るところありますから、ナメられないように。今試してますよ」「あ、そうですか」それなら負けるわけにはいかない。ふくれようとしたところで強く鞭をくれて叱ります。叱ると逆ギレしたりはしないところが、まぁ素直な馬なんだな。でもあんまり反省もしていないようだけど。

駈歩発進しますが、速歩が出てしまい、止めて発進しなおします。右駈歩にすると、ますます肩から逃げる感じ。「外方はしっかり持って下げてあげて、内方は引っ張らないで開くか、控えるか。じゃないとひたすら肩から逃げようとしますから。逃げようとしたら、外方キック」外方蹴っていいのか! そこまでやっていいとは考えてなかった。言われたとおり、隅角の直前でアモンが肩から逃げる気配を見せた瞬間に、外方の拍車をカツンと入れてみると、まともに回るじゃないか。
すこし駈歩をして、前に出てくるようになると、速歩でもだいぶ馬の鼻っ面が下を向くようになりました。もうちょっとで受けるかなー、と思っていると、ハミにかかる重さがずいぶん重くなってきて、前に出すのが苦しくなってきました。うーん、これってほんとに受けてるのかな。もしかしてハミにもたれてるだけかも。

駈歩発進がどんどんやりづらくなり、ついにS先生が「ちょっと代わりましょう」と言ってくれました。とりあえず下馬して、先生に乗りかわってもらいます。さすが先生、騎乗して数秒でハミを受けさせてしまいました。S先生とわたしは体格があまり違わないので、乗り方を真似すれば少しマシになるかも。手綱の長さ、わたしより3センチくらい長いか。拳も思ったより低いな。あ、グレイトが受けるときの位置と似てる。なるほどね。
もう一度乗ってみると、先生が乗ってくれたおかげでハミが少し軽くなってる。前に出しやすくはなったのですが、やっぱり油断すると肩から逃げるので、もう肩内くらいのつもりで脚で馬の肋を曲げ、ようやく輪乗りの体勢を取らせられるくらい。

直前の人の演技が始まると、入場係に名前を呼ばれ「待機してください」と言われます。S先生と一緒にA点付近に行き、右手前で軽速歩。「最後にどんどん前に出していきましょう」と先生に言われるまでもなく、ここまで来たらとにかく軽速歩でリズムを作っていくしかやることはない。
それにしても右手前だとやっぱり肩から逃げる。というか、逃げやすいポイントを選んで反抗しようとしているかも。これ、何も考えずに乗ってたら、馬が勝手にひょいっと輪乗りを換えたりしそう。
そうこうするうちに前の演技が終わり、入場ベル代わりのクラクションが鳴ります。「自分でいいと思ったら鞭捨てて、入場してください」とS先生に言われるそばからアモンに肩から逃げられ、それを鞭で叱っていたのでタイミングを逸しました。もう1周してきてもまだ逃げる素振りを見せるので、かなり強めの鞭をくれてもう1周。さすがにもう「そのへんで鞭捨てて入りましょう」と言われてしまったので、もう一度鞭をくれて大きく輪乗りをし、A点を目指します。

できるだけまっすぐ入れるように、遠くから直進。入場の手前でふと燕尾の裾をお尻に敷きこんでいないかどうか気になり、片手で払って入場します。入場の速歩は第一印象を決めるので、かなり気を遣うところ。よしよし、悪くないぞ。停止もOK(あとでビデオをN子先生に見せたら「停止だけはよい」と褒めてもらえたんだけど、「停止以外褒めてもらったことがない」と言ったらみんなが大ウケしてた…)。
発進は右手前から…と思っていたのですが、なんだかイマイチ。それでもC点に突っ込むつもりで直進し、右手前で蹄跡に入ります。斜め手前変換の線上は中間速歩なので、その手前からつめておいて伸ばしたのですが、ほんの少ししか伸びず。まぁ全く伸びないよりはいいか。

左手前でA点より3湾曲に入りますが、1湾曲目は浅めになってしまいました。もう1歩分外を回すべきだったな。中央線上で馬体を真直にし、2湾曲目へ移行。うっ、右内方姿勢がとれない。そういえばさっきから右手前の屈曲には失敗しまくっているわけで、こりゃ最終手段をとるよりないか。湾曲の頂点の手前でちょっと大げさに内方の手綱を控え、無理矢理な感じで内方姿勢をとらせて方向転換。ちょっと急な感じの動きになっちゃった。
3湾曲目から蹄跡に入り、長蹄跡で中間速歩。さっきの斜め手前変換よりはマシだけど、まだ伸びが足りないなぁ。歩度をつめて隅角を通過し、C点の手前で下方移行の準備に入った瞬間、クラクションの音が聞こえました。え、もしかしてわたし経路違反した? してないよね?
というのも、この試合はジャッジボックスがワゴン車になっているせいで、入場ベルや違反ベルがクラクションなのです。どうもこのときは、外の道路で鳴らされたクラクションだったみたい。紛らわしいなぁ、もう。
そんなことで惑わされてはいけないのですが、一瞬自分を疑ってしまい、常歩での隅角通過と斜め手前変換のときに脚がおろそかになってしまいました。ここは手綱を伸ばす分、しっかり脚を使っていかないといけなかったんだけど。反省。

経路違反であれば連続でクラクションを鳴らされるはずなのですが、そのあとは聞こえなかったので違反のはずはないと気を取り直します。H点手前で手綱をまとめると、アモンの歩度がとんでもなくつまってしまいました。げー、こんなんじゃ駈歩どころか速歩出すのも無理だよ。C点に着く前に、なんとかアモンに駈歩準備をしてもらわなくちゃ。えぇい、駈歩出ないよりはマシだ、蹴るか。
両脚でばすんとアモンの腹を蹴ると、少しだけ馬が準備をしてくれた感じ。それは良かったのですが、ここで副審のジャッジシートに書かれていた言葉は「もったいない! わからないように駈歩準備」。C点というのは主審の目の前なので、駈歩準備したかったのは分かるが目立たないようにやりなさいという意味でしょう。確かにこのときのわたし、審判の目線を意識することを一瞬忘れてた。脚で圧迫してダメなら、審判から見えない内方だけ蹴飛ばすとか、他に方法はあったかもしれませんが、思いつかなかったんですよねぇ。
でもまぁ、「もったいない」というのはありがたいコメントでもあります。

その甲斐あって、ちゃんとC点から駈歩発進。練習馬場では右手前でさんざん逃げられたので、少し小さめのラインを狙えばちょうどいいだろうと思って輪乗りをしてみたら、逆に1歩分小さすぎました。あんたさっき、あんなに逃げてたくせに…。
輪乗りを開いて蹄跡に入り、長蹄跡では思い切って外方の拳を譲ると、けっこう駈歩が伸びたかも。今までアモンの歩度を伸ばせたことがないのですが、今日はいい感じだぞ。斜め手前変換、X点で速歩に移行、M点で常歩。よし、ポイントも割と合ってる。

C点から左手前駈歩。発進は悪くなかったのですが、輪乗りを半分過ぎたくらいからアモンが首を左右に振り始めました。あ、もしかして前苦しかった? 悪い悪い。3センチくらい手綱を譲ると首振りが治まったので、そのまま蹄跡行進。ありゃ、ちょっと馬が前に出すぎかな、と思いつつも隅角に突っ込み、H点で駈歩を伸ばすと、ぽーんと伸びました。前回の試合で走られたという記憶のせいで、一瞬ひっかけちゃったか? と思えるくらいの駈歩でしたが、いやいや拍車だけ気をつけていれば大丈夫なはず。
隅角の手前で駈歩を控え、隅角に突っ込んだときに、馬のトモに違和感を感じました。あれ、もしかして反対駈歩だったのか? 長蹄跡では全然気づかなかったけど、今の曲がりにくそうな動きは反対っぽかった。でも確信も持てないし、どうするか(あとから考えてみたら、馬の肩をチラ見すれば良かったんじゃん)。
そのまま短蹄跡を直進し、隅角通過しようとすると、やっぱりトモに違和感。うわーどうしよう、反対駈歩のまま経路回っちゃったのかな、最低。っていうか、今ごろ気がついて発進しなおしても、もう斜め手前変換してるからX点通過しちゃう。仕方ない、とそのままX点まで駈歩し、速歩に移行。

こうなったらとにかく、残りの部分で挽回するしかない。C点できっちり速歩発進、隅角を拾ってE点から半輪乗り。あっやべ、このままじゃ中央線に乗れない。地味に修正しながらX点に乗せ、中間速歩くらいのつもりで直進。車の中で中腰になって帽子をとっている主審と目を合わせたまま停止、敬礼。
手綱を伸ばして退場すると、退場門でS先生が待っていました。「もしかして最後、反対でした?」と聞くと先生は軽く首を傾けたので、やっぱり反対駈歩だったのかなぁ。発進は正手前のはずだったんだけど、どこで換えたんだろ。何より、反対駈歩に気付かずに続けてしまっていたのなら、競技者としては相当やばい。下馬しながら「帰ったら怒られるぅ〜…」とため息をつくと、S先生は「怒られるんですか?」と苦笑いしていました。

全ての競技が終わり、順位が発表されました。わたしは34人中10位タイ(入賞圏外なので)で、50.388%です。反対駈歩だったらこんな点数出るわけないから、正駈歩だったのかな? 回りに聞いても、「どこで反対だったか分からなかったけど?」と言うし、わたしの思いこみだったのかな。
ジャッジシートをもらって見ると、反対駈歩だなんてどこにも書いてありません。ってことは、単に馬のトモが固かっただけで、その「かたん」を反対駈歩と感じてしまっただけなのか。じゃああの隅角、馬を信じて攻めていれば1ポイントでも稼げたかも。もったいない!

ま、一応の目標である50%は越えてるし、この課目でアモンに乗った人の中では一番いい点数だったので、よかったことにしよう。…でもハミ受けさせられないと点数にならないな、やっぱり。

アモンくん、右手前駈歩
右手前の輪乗りはどうも小さかった。

アモンくん、左手前 中間駈歩
この長蹄跡は伸びた。相方に「またかかったか?」と思わせたくらい(笑)。


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