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(2006.11.26 山梨県・大泉高原牧場フリースペース)
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ブラックくん
流星以外はほんとに真っ黒のブラックダンディーくんです。かわいい。

フリースペースに宿泊した翌朝、6時半ごろ騎乗。窓の外にはちょうど丸馬場を見下ろせ、馬が1頭放牧されています。馬がいるペンションならではの、楽しい風景。
おかあさんの作ってくれた朝食を食べているとき、Tオーナーが「食べ終ったら馬の手入れ手伝ってな」「はーい」顔馴染みだけに、ここでも扱いが会員と大差ない(笑)。

何頭かブラシかけをしたあと、「駈歩班はすぐ出るから準備しておいで」とおかあさん。わたしは駈歩班で出るので、慌ててメットやチャップスを取りに行きます。
馬繋場に戻ると、「駈歩班では誰が一番乗ってるの?」相方は速歩班に入ることにしたそうなので、「あたしですね…」。「ならこれ乗ろうか、ブラック。ビビりやで」「え〜」「撮影使えるいうから買ったのに、いざ来てみたらビビりで撮影なんか使えへん。ホクトのほうがマシなくらいや」うそ〜。かつてホクトが日の出にいたころはとんでもないビビりで、フリースペースに転厩してからビビりは直ったらしいのですが、わたしは昔のイメージしかないので、どんなんやと思っちゃう。
「落ちるなよ。そいつ乗りきれんかったらペガサスと交代やぞ」「それはやだ〜」「何がイヤや、こいつはいいぞ〜」って、ペガはTオーナー専用馬でワガママが激しく、日の出のO先生が乗って「きっついなぁ…」ともらしたといういわくつきの馬なんですが〜。

何はともあれ、いくらビビりといってもグレイトほどじゃないだろ。馬場内で騎乗して腹帯と鐙を調整してもらい(鞍がウエスタンなので自分ではできない)、常歩で歩き出します。なんとなくわたしが先頭になっていて、Tオーナーに「速歩出せるか? 出してみ」と言われて速歩。あら、案外重めかな。先頭だからかな。「馬の口とよう会話してな。なんかありそうやったら馬によく声かけてやって、手綱持てば大丈夫やから」
しばらくすると、先頭にTオーナー&ペガサスが入ってきました。さすがに先導がいるとブラックもさくさく動く。ま、ペガちゃんを抜きさえしなければ大丈夫だろう。

いよいよ外へ。ここのコースは、最初は常歩で道路を渡り、速歩と常歩で徐々に山道へ入っていきます。でも馬がなんか、やたら周りを気にしてる。「この辺の道は、俺も乗って歩かせてるから大丈夫」ってオーナー、もしかしてお客さんはあんまり乗せてないですか、この馬。わはは。
途中、刈り取りの済んだ畑にビニールシートがかかっているところがあり、「あんなもん、風が吹いたらブラックは一発でどっか行くな」とTオーナー。「ひぇ〜、風がなくて良かった。ブラックってまさかサラなんですか?」「いやいや、サラと違うけど」後で聞いてみるとアパルーサだそうですが、アパってもっと動じない種類かと思ってた。

農道らしき坂道を速歩で上るとき、水溜まりがあったのでブラックをよけさせたら、Tオーナーが「今逃がしたやろ?」と言います。
「はい、よけました」「よけたらいかんよ。この先どこへ行くか分からんのに、川が渡れない馬になったらどうする?」ごもっとも。マンホールをよけて歩いていた(蹄鉄でマンホールを踏むと滑るそうで、うちのI野先生なんてそれで人馬転してるそう)のと同じノリでよけてしまいましたが、ちょっと反省。
ペガちゃんがもっともワガママするというフェンス脇を過ぎ、小さな沢の横を通り抜けて、林の道に出ます。ここはぶっとばし駈歩班ならとっくに駈歩を始めているところなので、まだかな、まだかなと待ちかまえるわたし。でもときどきブラックも駈歩が出そうになってるし(笑)。

さていよいよ駈歩。外乗での駈歩は、先導馬が駈歩になれば後続も勝手に駈歩になるもの。ブラックももちろんそうでしたが、発進のときに少し首を左右に振るのと、走っているうちに首が下にもぐっていく(ティーディマンのせいもあるかもしれませんが)クセがあるみたいだな。確かに、これは駈歩初心者を乗せるのは難しい馬かも。
後続がついてきていることを確認しながらの駈歩になるので、ときどき速歩や常歩に落としながら進みます。何度目かの駈歩を始めたとき、馬の腰がぽこっと上がってきて、わたしの腰になにか当たったような気がしました。別に駈歩するのには差し支えないけど、と思って後ろを振り向くと、後ろのマーベル&Tさんが少し離れているので、「どうしたの? こいつ何かした?」と聞いたら、Tさんいわく「すいません、近づきすぎたせいで蹴られました」あ、そういうこと。鞍の後橋がわたしにぶつかってきたのね。

蹴ったといっても、グレイトの跳ね&蹴りに慣れているわたしにはどうっていうことない動きに思えたのですが、後ろにいたTさんとSさんは、馬の後肢がキレイに振り上げられた(蹄鉄が見えたらしい)のをみて、びっくりしてしまったみたい。ごめんねぇ、この馬ビビりだから。
Tオーナーに「大丈夫か?」と聞かれ、「大丈夫ですよ、慣れてます」と返事してそのまま駈歩。なぜか、このときは本当に怖くなかったんですよね。
そのあと、もう一度ブラックがマーベルを蹴っ飛ばしてしまい、今度はちょっと鞍からお尻が浮いてしまったのですが、鞍の前橋が高いおかげで落ちることもなく「さすがやな」とTオーナー。

そのあとは、先頭のペガサスが少しペースを上げたため、マーベルに追いつかれなくなったので蹴ることもなくなりました。わたしはブラックを控え気味に走らせていたのですが、駈歩はいくらでも伸ばせそう。でも、前のペガサスに追いついてしまうと速歩に落ちてしまうことが多く、「くそ〜」とわたしがわめいていると、Tオーナーが「外方脚引けよ〜」。まぁ、ちょっと控えて外方脚(と決めたほうの脚)を引けば駈歩には戻るんだけど。
「速歩、ほらほら、駈歩やで」あれ? なんか様相が変わってきたぞ。どうもブラック、追いついたからではなくてTオーナーの「速歩」という声を聞くと速歩に落ちるみたい。それで速歩に落としてしまうと、「駈歩やで〜」。どうもTオーナーにからかわれているよう。「駈歩だって!」とわめきながら駈歩を出すと、また「ん、速歩か?」というオーナーの声を聞いてブラックが速歩に。「なんやそれ、駈歩だってば〜!」「速歩やでブラック〜。ほれ、なに駈歩してる」「ひどっ!!」もう、おかしくておかしくて、笑いながら走っていたら、あやうく車道に駈歩で出るところでした(笑)。

大笑いしながらの外乗はあっという間に終わり、そのあとは速歩班の最後尾を車でついていき、ボロ拾い。速歩班も、外乗を楽しんでくれたようで、連れてきた甲斐があったというものです。
最後にもう一度露天風呂を使わせてもらい、外乗合宿は終了。帰路についたころ、雨が降り出しました。終わるまで天気がもって良かった。

また行きたいね!

ブラックくん
前の粕毛がペガサス、後ろの青毛がブラック。オーナーとわたしで大笑いしながら走っていたもので、後続がついてきてない(汗)。


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