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(2005.11.13 山梨・大泉高原牧場フリースペース)
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大泉高原牧場フリースペースに宿泊した朝、7時前に起床。7時半からの朝食のあと、8時半から1時間の外乗に出ることになっています。
現地で合流した友だちのAさんは、ここに半自馬を置いている関係で半分スタッフのようになっていますが、彼の言うには今日の外乗に出す馬は北斗、ヤマト、トーマス、ミルキー、ペレ(福姫二世)だそう。この布陣だと、あとの2頭が女性に配馬されそうだけど、するとわたしは「飛ばし屋」ミルキーかも。小柄な牝馬ながら、エンデュランス80kmも走ってベストコンディションドホースを取ったりする強者ですが、何しろスピードのある馬なんです。4級のSさんと2級のわたしでは、わたしがリスクの高い馬に乗るのが当たり前でしょう。

そう思いながら10分前、準備をしているおかあさんのところに聞きに行くと、「女性ふたりのうち、どっちが多く乗ってる?」「言いたくないけどわたし」「KYOKOさんがペレかもな、あれ結構わがままするから。ミルキーは止まらへんけど素直、ペレは止まるけどわがまま。どっちがいいか、オーナーに聞いてみ」ということ。
一応Sさんがペレ、わたしがミルキーを引いて馬場に出て、Tオーナーに聞いてみると「あ、逆や」とあっさり言われ、わたしがペレに乗ることが決定。ペレのほうがおとなしそうに見えるんだけど、ミルキーのスピードを上回るわがままってどんなんや…。
鞍がウエスタンに近いエンデュランス鞍なので、腹帯の締め方などもなんとなくしか分からず、Tオーナーが補助に来てくれるのを待つことにしました。その間、手綱を持って馬の横に立っていると勝手に歩き出そうとするペレちゃんですが、真っ正面に立っていれば手綱を離しても動かないし、わたしの胸に鼻をくっつけてきたりして、めっちゃかわいい。

Tオーナーが来て、腹帯と鐙を調整してもらい騎乗。エンデュランスは布でできているし薄いので、馬のあたたかさが直に伝わってきます。
ちょうど北斗がいたので、後ろにつけて歩き出すと、ちゃんと脚で方向転換できるし、頭上げたりしないし、別に大したわがままじゃないじゃん。あ、ティーディマンつけてるせいもあるか。
しばらく歩いて、Tオーナーから順番の指示。ペレ先頭で、続いてミルキー、北斗、ヤマト、トーマスに変更。先頭に出ようとすると、ペレが自分の好きな方向に行くそぶりを見せました。早めに叱るとすぐやめるから大したわがままではないのですが、なるほどこういうことか。誰かの後ろにくっついている分にはいいけど、1頭だけで動かすとなると苦労しそうな感じ。でも今日はエンデュランスじゃないから、先導のペガサスにくっついてれば問題ないだろう。

やがてペガサス(この子は半端じゃなくわがまま…)に騎乗したTオーナーの後ろについて、馬場から出ました。ここの外乗コースは最初は舗装道路で、車道を横切って横道に入ります。
常歩で民家の横を通り、農道らしきところに入って速歩。足元がアスファルトのせいか、ずいぶん反動が硬く感じます。鐙を短めにしたから、左の足首に鐙が当たるし。エンデュランス用の広い鐙だから、浅く踏んでもブリティッシュとは深さが違うということもあるかもしれません。
常歩になったところで、相方が後ろから「きみ、鐙の長さ違ってない?」と言います。言われてみれば、確かに右が短い(いや、言われる前に気付けよ…)。Tオーナーが止まってくれて、「自分で直してみ。馬は草食わせててええから」と言ってくれたので、止めて鐙を直します。ブリティッシュと勝手がちがうので時間がかかってしまいましたが、直すと足首も当たらなくなって快適になりました。

速歩と常歩で、畑の脇や沢の横の舗装されていない道を通りぬけます。しばらく行くと、以前駈歩をした覚えのある上り坂に出ました。Tオーナーが振り返って、「みんな駈歩大丈夫か?」と聞くので、わたしも後ろのメンバーに確認しましたが、みんなもともと駈歩がしたいって言ってたんだから、否やのあろうはずはない。
そんなわけで、Tオーナーの後ろについて駈歩。ペガちゃんが駈歩したらペレも勝手に駈歩するかと思いきや、そんなことは全くなし。脚できちんと圧迫したらすぐに駈歩が出ました。
でも、油断したらすぐ馬が速歩に落としたがるので、きちんと脚を使い続けないとダメっぽい。まるで馬場で駈歩してるみたいだなぁ。
前のペガちゃんに置いて行かれないように一生懸命走らせているつもりですが、後ろにいるミルキーもかわいい顔して暴走族なので、油断すると追い抜かれそう。常歩に落として方向転換するところで、ペガちゃんがわがままをしてあらぬ方向を向いたので、ペレを止めて待っていたらミルキーに追い越されてしまいました。Tオーナーが「順番変わってもええよ、ミルキー・ペレの順番にしようか」というので、ミルキーに抜かせて3番騎に変更。外乗で順番が変わったのは初めてです。

駈歩をするまえに、Tオーナーが振り返って「ペレ駈歩出にくかったらな、最初だけ手綱許してやって。走り出したらちょっと控えればいいから」そりゃそうか。もともと手綱は緩めで持っていたつもりでしたが、もうちょっと許しちゃってもいいのかもな。
駈歩をしていると、まぁ気を抜くと速歩に落ちたがることには変わらないのですが、そういうときに手綱をふっと緩めて脚で圧迫すると、馬が[あ、走るのね]と言って駈歩に戻る感じ。そうやってついていくと、前のミルキーもその前のペガサスも、ずいぶんスピードのある馬のはずなのに、まったく遅れることなくついていけます。むしろすぐ後ろの北斗の蹄音が遠くなって、ちゃんとついてきているかな? と振り返って確認してしまったくらい。
昨年の遠乗り会では、駈歩をしながら前の馬のお尻を見ながらついていくのが精一杯だったのですが、今年は前の馬、その前の馬の先の進路を見はるかす余裕がある自分に気がつきました。自分より鞍数の少ない人を前に置いているので、前の調子を見ながら走ったり、後ろを振り返る余裕すらある。1年経つと、これくらい変わるものなんだなぁ。

あれ、もう終わり? というくらいのところで、見慣れた景色のところに戻ってきました。もうちょっと走りたかったけど、これくらいのところで終わるのがちょうどいいのでしょう。
わたしたちの後に2組のお客さんがいたのですが、思わず馬を出したり、騎乗補助をしたりの手伝いをしてしまいました。また、オーナーもおかあさんも当然のようにうちらを使うし(笑)。どこに行っても準スタッフなわたしたちです。
騎乗後は軽くペンション内の温泉につかり、お昼前にフリースペースを出てララミー牧場に向かいました。




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