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(2007.11.10 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
451鞍目→
先週は素晴らしい秋晴れだったのに、今週はまた雨。先週は八ヶ岳に行っていて日の出乗馬倶楽部に顔を出していないので、雨だから行かないというわけにもいきません。なんたって愛馬が待っているわけですからね。
倶楽部に到着して、先生たちといろいろしゃべっていると、O先生が「先週入った新馬、まだ見てないよね」と言うので、O先生といっしょに新馬の馬房へ。地方競馬を走ったものの、ブービー以上に来たことがなく引退してきたという2歳牝馬です。超かわいい。
クラブハウスに戻る途中で半自馬グレイトの馬房を覗くと、ぐーちゃんはなんだかスネた顔のまま、わたしの手を甘噛みしていました。先週来なかったうえに、馬房の前を素通りされちゃあ、そりゃスネもするわな。悪い悪い。

雨はどしゃぶりではないものの止みそうになく、ほとんどのレッスンがキャンセル。それでも乗っている人はいるけど、11時には馬場が空きそうだから、グレイトに調馬索をかけてから軽く乗るか。
「バカ息子、運動させなくていいの?」とN子先生に言われ、「馬場が空いたら調馬索します。回したら絶対乗りたくなるから、ちょっとでも乗る」と言うと、「あの馬は腰冷やすと固くなるから、あたしのバックガード貸してやるよ」と言ってくれました。N子先生の言うバックガードとは、装鞍した状態で着脱できる、運動用の馬着(エクササイズシートとも言うみたいですね)。
ぐーちゃんは高齢だし、筋肉が固まりやすいのは事実なので、そういうものがあると助かる。

馬場が空きそうな時間を見計らってグレイトを馬繋場に連れ出し、手入れと馬装。N子先生に借りたエクササイズシートと、Kさんに借りた鞍カバーを着け、小さいほうの馬場に出ます。
あらかじめ馬場に置いておいた追い鞭を拾い、多めに常歩してから、舌鼓で速歩に移行。速歩でもっと前に出したいのですが、ぐーちゃんは張ってる割にはあまり前に出たがらず、気を抜くと常歩しようとするので舌鼓がやめられません。
かと思えば、隣の馬場で障碍をやっているソルティーの動きや音に反応して、いちいち跳ねたりダッシュしたりする。足下はだいぶ水が浮いているので、何度か泥水をかぶってしまいました。
乗っているときなら、隣で障碍飛んでいるくらいでここまで物見しないはずなので、気が散ってるんだろうなぁ。

駈歩の合図と決めている「シィッ」という音を発しても、グレイトがなかなか駈歩に移行してくれません。しかも、なんだか顔がわたしの方を向きっぱなしで、ちっとも真面目に走ってないし、だんだん内側に寄って来るので調馬索がたるんでしまいます。「真面目にやりなさい」と怒鳴って鞭を鳴らしても、今日持っている追い鞭はたまたまヒモ部分が短いせいか、全然威力を発揮しません。
Nくん先生が、ときどき通りすがりにアドバイスをくれるので、「こいつなんで内側寄ってくるの?」と聞くと、「まぁ遊んでるんでしょうね。だってKYOKOさんよりも、ぼくの号令に反応してるくらいですから。ビシッと前に出して、内側に入ってくるなら鞭が脚なんですから、鞭で外に出して」ということ。くそう、やっぱりナメられてたか。
Nくん先生が「長い追い鞭持ってきましょうか?」と言ってくれましたが、時間的にもそろそろ終えないといけない(N子先生には「左右15分以上やるな」と言われていて、わたしは10分を上限に決めている)ので、「とりあえずこの鞭でなんとかする」と見栄を張ってみました。でもどうにもならなかったけど。

調馬索をやめ、グレイトを呼ぶと、調馬索を引っ張らなくてもすぐに近寄ってきます。コイツは、あたしに甘えることしか考えてないな。
Nくん先生が騎乗補助に出てきてくれたので、無口や鞍カバーを外して騎乗。常歩で軽く1周してみると、かなりぬかるみのひどいところが1ヶ所あり、グレイトが足抜きに苦労している感じで、ヘンな歩様になります。ツメの弱い馬なので、ここは避けて運動することにしよう。
雨だし、あまり長時間やる気はないので、すぐに速歩に移行。短時間でしっかり運動することを目標に、軽速歩で前に出していきます。ぐーちゃんはぬかるみは苦手だけど、水たまりはまるで気にせず、バシャバシャ入っていきます(でもこれは乗り手によるかも。この馬に乗り始めたころは、勝手に水たまりを避けられていたものです)。

少し前に出始めたので、斜め横足や腰内をちょっとずつ入れます。しばらくするとグレイトが歯ぎしりをするようになり、これは彼の場合、集中し始めた証拠。もう少しトモを入れるために、長蹄跡の両端を使って半巻きを繰り返します。
片端が大きな水たまりになっていて、ぐーちゃんが気にせず入っていくとは言っても、歩きにくそうにはしています。でもしつこくやっていたら、割といい感じで動くようになってきました。
じゃあ駈歩しとくか、と思い、常歩から駈歩発進。発進の瞬間に少しだけ跳ねたようでしたが、あまり気にならない程度で、あとは案外スムーズに駈歩ができます。
とは言ってもコイツの駈歩は歩ごとに発進する感じの推進が必要で、足下が悪いところでは推しが足りないと速歩に落ちそう。足元が悪いところを避け、輪乗りで駈歩。

そろそろ駈歩の手前を換えようかな、と思って、試しに2湾曲でシンプルチェンジ。駈歩から停止すると同時に常歩発進すると、ぐーちゃんはもう次にやることがわかっている感じ。次の1歩で駈歩発進、見事にシンプルチェンジ成功。さすがぐーちゃん、あんた天才だわ。
そのまま、小さい馬場のなかで8の字を描くようにして、真ん中でシンプルチェンジを入れてみると、これもすらりと成功。こりゃどう考えても、ぐーちゃんが得意だからだよな。
連続3回やって(3課目Aでは4湾曲で3回のシンプルチェンジが最大)、まだできそうだけどいったんやめて、普通に巻き乗りしたら、ぐーちゃんが[あれ、やらないの?]という感じ。惰性で馬に勝手に動かれるわけにはいかないので、ここでやめて正解だったかも。

雨の中をだらだら続けていても、人馬ともに体に悪いので、あとは納得のいく速歩が1周できたらやめることにしました。なぜかそう思うと、ぐーちゃんがきちんとハミを受けてくれたりして(絶対わかってやってるに違いない!)。速歩を前に出して1周し、中央線に入って停止。この停止がまた芸術的なんだ、ぐーちゃんは。
手綱を伸ばして、しばらく常歩してから下馬。馬繋場で馬装解除してみると、エクササイズシートのおかげで馬はあまり濡れていませんでした。これは優秀。年寄りだし、腰を冷やしたくないグレイトには必携グッズかも。

手入れ中、エビの気があるグレイトの右前に塗るカンメルブルー(たぶんサリチル酸とメントールの液)が見当たらないことに気がつきました。仕方ないので、ぐーちゃんに「ちょっとだけだから、おとなしく待ってなさいね」と言い聞かせて馬繋場を離れようとすると…5歩ほど歩いたところで、背中から「ぶふふふふ〜!」と大抗議を浴びせられました。
鳴くだろうとは思ってたけど、これは最短記録。いつもはわたしの姿が見えなくなってから鳴くのに、まだ5歩しか離れてないし、わたしの姿は見えてるのに。振り返ると、ぐーちゃんは半分怒ったような、泣きそうな顔でわたしをじーっと見ています。「すぐ戻るからね」と言って、近道してドロドロの馬場を走る羽目に。

あとから考えると、やっぱり先週来なかったことでぐーちゃんはスネていたんでしょうね。全く、ワガママ息子に翻弄されまくってます。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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