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(2007.9.22 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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今日の2鞍目は、相方が障碍をやる隣の小馬場がぽっかりと空いていたので、そっちで乗ることにしました。
もしかしてこれ、前からやってみたかったことをやる機会かもしれない。「N子先生、今日グレイトに調馬索かけるの教えてもらえませんか?」と頼んでみると、「いいよ。いろいろやり方あるけど、どんなのがいい?」「乗る前に自分で馬の準備ができて、乗るのがラクになるやつ」「わかった。じゃあついでに鞍に小細工してあげよう、ふっふっふ。鞍をつけるときに呼んで」

夕方、馬場が空いてからグレイトを馬繋場から出して装鞍。夕方なので虫よけスプレーをしたいのですが、コイツは普通にスプレーをすると[怖い! 死んじゃう!]と言って暴れ出してしまいます。
ここのところ試行錯誤して、トリガーでなくプッシュタイプの小さめのスプレーで、皮膚に押し付けるくらいの距離で吹き付ければ少しマシだということが分かってきました。でもスプレーしてる手元を見られちゃうと、[何それ!!]と怖がってバタバタする。「分かった、もうしない、ほら」とボトルを置いて手を見せると、なぜかわたしに鼻先をくっつけてくるグレイト。それはまるで人間の子どもが「もー、やめてって言ってるでしょー」と言いながら抱きついてくるような甘え方で、こいつはかなり確信犯ではあるまいか…。

鞍下を置いたところで、タイミングを見透かしたようにN子先生登場。鞍にY先生直伝の細工をしてくれるということで、Y先生が「自分の馬場馬持ってる人で、自分の姿勢をなんとかしたいと思ってる人にだけやってあげていい」と言ったものだそう。その条件、うちの倶楽部じゃ今はわたししか当てはまらないじゃん(笑)。
そこで出てきたのは、ゴム紐とゴムチューブ。N子先生、ゴム紐を馬の腹の下に渡すようにして、鐙と鐙をつなぎました。これで脚が動かないようにし、ゴムチューブの細工でひざが上がらないようにしているそうです。
(注意!:これを読んで真似しようと思ったあなた、インストラクターの許可・指導なしには絶対にやらないでください。ゴムの強さなどを間違えると危険です。そのため、詳しいやり方を書くのは控えます)

まずは調馬索をやるために、頭絡をかけてから手綱を首にもう一回ししてまとめ、上から無口をかけるやり方を教えてもらいます。調馬索と無口の繋ぎ方、調馬索の持ち方を教えてもらい、先生とグレイトといっしょに馬場へ。
まずは先生の斜め後ろについて、先生が調馬索するのを見せてもらいます。自分を頂点に、馬と調馬索と追いムチで三角形を作る。調馬索は何かあったときにすぐ伸ばせるようにしておく。追いムチは管の下半分、できれば繋を狙う。
常歩、速歩、駈歩で基本的な注意事項を教えてもらいました。

「じゃあやってみな」と、先生に調馬索を手渡され、まずは常歩から。速歩を出すのに、追いムチがどのくらい効くものかまだ把握できないのでおっかなびっくりで使います。
「こういうときに自分と馬だけの合図を作っとくの。舌鼓で速歩出してみな」と先生が言うので、速歩のリズムで舌鼓を使いながら軽く追いムチを使ってみると、思ったより簡単に速歩が出ました。
最初は速歩のリズムに合わせてとん、とんと足を踏み替えながら回っていたら、「ほれ、そんなに動くな。腰は据えとく」と、N子先生に腰を両側から押さえられました。それはちょうど馬の上で腰を張るのと同じ感覚。調馬索は馬の口の高さに持って、何かあったらかかとを落として踏みこたえる…「そうか、乗ってるのと同じなんだ」「そうだよ。調馬索が手綱、追いムチが脚」

調馬索を外し、すぐに騎乗。「鐙を結んでると踏み台なしで乗るのは無理だから」と、先生が踏み台を持ってきてくれました。いつも踏み台なしで乗る先生がそう言うなら、ホントに無理なんだろう。
言われた意味は、鐙に左足をかけた瞬間にわかりました。鐙が馬体から離れず、自分のほうに鐙を引きつけることができないので、鐙に頼ることが一切できないのです。踏み台があっても、本当に乗れるかどうか不安になったくらい。
どうにかまたがってみると、さらなる試練。「先生、この状態で馬ってどうやって前に出すの?」「座骨があるでしょうが」そうなんだけどさ。脚が動かないということが、こんなに何もできない状態だとは知らなかった裏を返せば、ふだんどんなに脚を動かして馬を動かしていたかということです。

「馬が出ないなら舌鼓でも鞭でも使いなさい」と言われ、舌鼓を使ってみると、いつもより簡単に速歩が出ます。あっ、自分と馬だけの合図を作っておくってこういうことか! 「そういうこと。駈歩もさっきの合図でやってみな」とN子先生が言うので、さっき調馬索で駈歩を出すときに使った「シイッ」というかけ声をかけてみると、ほとんど脚を使っていないのに駈歩が出る。ちょっとちょっと、この間までの駈歩スランプはどこにいったのよ。跳ねもせず、すらすら駈歩してるよ。
「今日は馬がどんどん前に出せると思わない?」と先生。「うん、思う」「脚が馬から離れないからだよ」ひえ〜、こんなに違うものなの? っていうか、わたしの脚ってそんなに馬についたり離れたりしてたってこと?「そういうこと。今ごろ気がついた?」

ということはこの小細工、わたしの騎乗の悪いクセを矯正するのにはものすごく効果的ってことだ。「先生、これいい。これ付けて試合出たい」「そりゃさすがに無理だけどなぁ。そのゴムあげるから、しばらくそれ使って、それがなくても同じ乗りができるくらい、クセにしちゃいなさい」
調馬索とこの小細工、わたしにとってはものすごいブレイクスルーでした。当分これでがんばろっと。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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