| ←428鞍目 | 429鞍目・上を向いて (2007.8.11 あきる野・日の出乗馬倶楽部) |
430鞍目→ |
|---|---|---|
|
夕方になって少し日が傾いてくると、やっぱり乗れそうな気がしてきたので、グレイトに乗ることにしました。 この時間は、ほかに障碍乗りのKさんと相方だけになったので、大きい馬場を2人に譲って、わたしは小さい馬場へ。障碍乗りの人たちは、そのうちクロスくらいやりそうだし。 半自馬だから、好きなときに乗り始めて、好きなときに止めていいと言われているので、体力を考えて30分くらいでまとめようかな。 馬装中、虫が寄ってくるので大騒ぎするくせに、虫除けスプレーは怖くてもっと大騒ぎするグレイト。仕方ないのでスプレーの液を手に出して、手のひらでなすりつけてやる過保護なわたし(笑)。 グレイトを連れて馬場に出て、踏み台を使って騎乗。Nくん先生に「なんでそんなもん使ってるんですか」と笑われたけど、踏み台なしで乗ると体力消耗しそうなんだもーん。 歩き始めると、グレイトがやたら虫を気にして、胸前を歯で払ったりするので、「真面目にやりなさい」と鞭で叱ります。そんなに気にするなら、虫除けスプレーさせろって。 本当はじっくり歩かせるつもりでしたが、虫が寄ってこないようにさっさと速歩にすることにしました。グレイトは午前中使って午後にまた乗ると、午後はかえって筋肉が固まっていることが多いのですが、ここのところ動かしてもらっているおかげでほとんど固さを感じない。 速歩で前に出していって、そこそこハミを受けてきたので横運動を入れ、駈歩。さっき教えてもらったように、外方脚を引かずにそのままの位置で真横から蹴ると、案外簡単に駈歩が出ます。 30分くらいやってまぁそこそこかな、とそろそろまとめに入ろうと思っていたら、隣の馬場から「じゃああとはI野先生に障碍見てもらって。あたしはKYOKOさんのほうに行ってくるから」というN子先生の声。えっ、そうなの? この時間は見てもらわないんだと思ってた。 やがてこっちの馬場にやってきたN子先生、「この間Y先生(月1〜2回、馬の調教に来てくれる先生)にさ、こういう足の悪い馬の動かし方はどうすればいいですかって聞いてみたのよ。それ教えてあげるから」だって。そりゃありがたい。 常歩で歩かせながら、N子先生が「今からY先生の言った常歩で前に出す乗り方言うから。けっこうダイタンなこと言うよ。トイレで(以下略)」「まぁやらし」「だよね。でもやってみな、ちゃんと馬が前に出るから」ちょっとさすがに書くのが憚られるようなすごい表現なので書くのは控えますが、言われたように座骨を使ってみると常歩が前に出やすいかも。 右手前の常歩のとき、先生が「グレイトって右のトモが遅れるじゃん」と言います。「はい」「そうやって歩かせながら、右のトモが上がってくる瞬間だけ、ほんのわずか右の座骨を浮かせちゃうんだって」「えっ、そうなの!? 右を強く推さなきゃいけないんだと思ってました」「あたしもそう思ってたよ。まぁいいからやってみ」 座骨のバランスを変えずに、右トモが上がってくる瞬間だけふっと座骨を浮かすっていうのはかなり難しいんだけど、とりあえずやってみたら、あれ、トモが入ってくる。しかも馬がすこんとハミを完全に受けてしまいました。「なんじゃあこりゃあ!?」「でしょ」 速歩で同じことをやってみると、右トモの遅れが気にならずにリズムのいい速歩ができるし、馬がハミから逃げない。でも人間のほうはかなりきつくて、お尻は鞍についたままなんだけど、座骨だけで軽速歩をしているみたいな感覚です。 先生が「遠くに目標を定めて、下を見るな」と言うままに、遠くの木や電柱を見据えて速歩していると、なんだかリズムも悪くない。 けっこう満足したので、手綱を伸ばして沈静化。せっかく馬場に1人なので、常歩で歩きながら思い切って空を見上げてみました。厩舎の屋根も、杉の木のてっぺんも視界に入らないくらい上を向いてしまうと、これがなんだか爽快。まわりに馬がいないからできることだけど、(わたしの性格上)自分の馬でなきゃこんなに思い切って周りが見えない状態は作れないな。 すると、「そのまんま、下見ないで手綱つめてみな」とN子先生の声。言われるままに手綱を少しずつ持ってみると、「ほら、受けてる。そのまま目ん玉だけで下見てみな」と再び先生の声が聞こえたので、目だけ下に向けてみます。あら、ほんとだ。 脚を使いながら停止させると、グレイトは芸当のように美しい停止姿勢をとる馬。先生に珍しく「なかなかいいじゃん」と言ってもらえたので、気をよくして今日は終了。…って思ってたけど、馬の調子のことを言ってたんだな、きっと。 |
||
![]() ↑日の出乗馬倶楽部の見取り図 (緑字:貸与馬、青字:自馬) |
||
| ←428鞍目 | 430鞍目→ |