←370鞍目 371鞍目・あたし帰るぅ
(2006.12.2 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
372鞍目→
再来週に試合を控え、2鞍目は馬場レッスン。今日のパートナー、ブラウンシュガーはなんと馬場を踏むのは今日が初めて。まだ9歳だし、あんなにせわしなくいろんなことを要求されたら、パニック起こして突っ走ったりしちゃいそう(シュガーが走ってもタカが知れてるけど)。
シュガーは小柄なので、女性に配馬されることがほとんどなのですが、部班ではシュガーのワガママに振り回される人続出。今日はわたしが馬場をやらせることが分かると、女性会員が口を揃えて「姉さん、あの女(シュガー)、かわいい顔してひどいっすよ! シメてやってくださいよ!」だって。わたしは総長か(笑)。

さて、シュガーを馬房から出してシメ…じゃない、手入れと馬装。彼女は手頃な体高なので、何をするときもまずおでこを撫でてやるのですが、そのときの顔のかわいいこと。
今日の馬場レッスンは3名で交代しながら踏みますが、小さい馬場に初心者レッスンが入ってしまっているので、3人とも本馬場に入り、お互いを避けながらフラットワーク。
シュガーは部班でもエンジンがかかるのに時間がかかる馬なので、1人で動かすとなるとかなり頑張らないといけません。できるだけ短時間でハミを受けさせたいので、輪乗りで軽速歩。輪乗りをつめたり開いたりすると、肩から逃げるのはいつものことですが、逃げかたがちと反抗的だな。やっぱり前に馬がいないと、自分の好きにできると思うんだろう。
させないけど。

N子先生は、馬場のときはフラットワークにはいっさい口を出さない方針なので、自分でペースを作って運動。顎を譲るところまではいかないけど、少しハミを受けてきたので、そろそろ駈歩もやっとくか。
とにかく1歩で駈歩が出るようにさえできればいいと思ったのですが、シュガーは何しろ経路を知らない子だから、発進はC点だけでやらせて、「ここは駈歩を出すところだ」と覚えておいてもらいたい。そう思うときに限ってなかなかC点が空かないんだけど、そこ以外で駈歩発進をしたくなかったので、巻き乗りをしたりして空くのを待って、C点で駈歩発進。
シュガーは駈歩発進の扶助に対しては反応が早いので、さすがにスパッと駈歩発進。別に続ける必要はないので、ほめてやってから速歩にし、今度は手前を換えてC点で発進。そうそう、ここは駈歩を出すところだから覚えておいてね。

N子先生から「誰から行く〜?」と声がかかり、とりあえずJRが1番手、シュガーが2番手、グレイトが3番手で行くことになりました(見事に栗毛ばっかり…)。JRが踏んでいる間は、馬場の外周の狭いところで常歩をしているしかありません。いや、がんばれば速歩もできるけど、そこまでシュガーにムリさせることもあるまい。
隘路なので、歩いては前肢旋回で方向転換して、また歩いては前肢旋回、という感じで脚に対する意識だけさせておくようにします。

やがて自分の番が来たので、隘路の一番遠いところまで行って速歩を出し、馬場をぐるりと回るようにしてA点へ。
真っ直ぐ進入してX点停止、敬礼して速歩発進しようとしましたが、常歩で出てしまいました。前に馬がいればスッと速歩が出る子だけど、前に馬がいない状態で停止から速歩なんて、ふだんやってないもんなぁ。
脚だけでは常歩が速くなるだけのようなので、鞭も使って速歩発進。斜め手前変換は少し伸びてくれたし、3湾曲も部班でやっているので何とかついてきてくれる。

F点で手前を換えながら、手綱を伸ばした常歩。わー、ヨレるヨレる。手綱伸びたからってまさか終わりと思ってないだろうね、シュガーちゃん。
H点で手綱を持ち直すと止まりそうになり、脚で前に出してC点へ。「馬の鼻を内へ向けとけ、半減却、駈歩!」ありゃ、シュガーなのに1歩で出せなかった。3歩ほど常歩が入ってしまいましたが、発進しなおしたら今度は駈歩が出ました。

駈歩での輪乗りから、蹄跡へ。「今日は伸ばそうとしなくていいから、とにかく回ってこい!」と先生。駈歩を続けることにシュガーなりに戸惑っているらしく、部班のなかで1頭ずつ駈歩をするときに比べて駈歩を止めたがっている感じ。
斜めに手前を換えるところでついに速歩に落ちてしまい、駈歩に戻そうとしましたが間に合わずX点。速歩でM点、常歩…ピタッ。
「ちょっとシュガーちゃん! まだ帰らないよ!」忘れてた。M点は最も厩舎に近く、シュガーは部班のときでさえ[もーあたし帰るぅ]と言い出してピタ止まりするポイント。そりゃアンタ面倒かもしれないけど、ちょっと頑張りなさいよ。
左手前の駈歩は何とか止まらずにこなしたので、やっぱり厩舎に近いM点がネックなんだな…。

ひとまず1回目の経路を終え、また馬場の外周で常歩していると、シュガーがいきなり耳を絞って怒りだしました。鞭を入れても怒らないこの娘が、どうしたんだ? と思っていると、どうも馬場で経路を踏んでいるグレイトとの距離が縮まると怒りだすようなのです。
今日は珍しく男嫌いモードなのかな? でも、同じ外周にいるJRが後ろから速歩してきて、追い抜いて行っても怒らない。どう考えても今のJRのほうが距離が近かったぞ。
よーく観察した結果、どうもシュガーはグレイトが嫌いらしい。さっきの部班でもえらい怒ってたもんなぁ。

2度目の経路では、駈歩発進のポイントは少し改善されたものの、X点より少し早く速歩に落ちてしまい、M点ではまたも見事にピタ止まり。
3回目、これで最後だからもう少し頑張ってねシュガー。速歩で入場してX点で停止、敬礼。停止からの速歩発進、今度は成功。馬が小さくて小回りが利くので、C点から蹄跡に入るのも、その次の隅角も割ときちんと踏み込める。
3湾曲から隅角に入るとき、「鞭持ってるんでしょ、馬のお尻を外に押し出せ!」と先生の声。わたしの反応が遅くて間に合いませんでしたが、あとから先生が言うには「鞭はそういうために使うもの。前に出すためだけに持ってるわけじゃないよ」だそうです。

駈歩発進は少し手前から馬に準備をさせ、1歩早く発進の扶助をしたら、C点でばっちり発進。なるほど、この子のタイミングはここなのね。
輪乗りから蹄跡に入り、長蹄跡は中間駈歩ですが、今日はそこまで要求しないつもり…って、伸ばすどころじゃなく、シュガーは[いつ止まるの? もうやめてもいい?]と、ずーっと言ってる。
「止まらないの! まだ走るの!」とわめきながら長蹄跡を走り、短蹄跡。ええいこの際だ、隅角の踏み込みは要求しないことにする。とにかく1回くらい駈歩続けてちょうだい。
どうにか駈歩のまま斜め手前変換、X点より少し早めだったけど速歩。
次はM点、頼むから今度は止まらないでよ。M点で半減却、常歩に落としつつも脚を使い続けます。よーし、止まらなかった! シュガーえらい!!

左手前の駈歩も止まりたがってはいたものの、なんとか止まらずに回れて、最後の速歩。C点からの速歩発進は、割とどの馬も駈歩をしたがるポイントで、シュガーも少しだけその気配をみせています。
でも先生にいつも言われるように、拳を左、右と軽く握って控え、座骨を速歩のリズムにすると、きちんと速歩で発進。蹄跡を回って半輪乗り、直進して停止。
「その馬でもちゃんと回れるじゃないの!」と先生、「うん、シュガーえらい! ちょっと覚えた!」「最後は止まらなかったしな(笑)」。いやいや、初めての経験にしては、彼女はかなり頑張りましたよ。決して頑張り屋さんの馬じゃないのに、よくついてきてくれました。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


←370鞍目 372鞍目→

乗馬日記トップへ / トップページへtop