←試合 302鞍目・乗り納めは調馬索で
(2005.12.30 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
303鞍目→
日の出乗馬倶楽部の年内最終営業日、もちろん乗り納めに行きました。いつものように11時の予約で、配馬はグレイト。最近、グレイトに跳ねられてはサドルホルダーを持ち、余計跳ねられるという悪循環に陥っているわたしは、「いいかげんサドルホルダー持つのやめれば?」とか「あらかじめ外しといてあげる」と言われまくっています。わたしだって、持つのがいけないとは分かってるわよ。でも危機を感じると、勝手に手が動いちゃうんだもん。
とりあえず今日は、少しでもサドルホルダーを持ちたい気持ちを抑えるためにボディプロテクターを着て乗ることにしました。ほんとはヒットエアー(着るエアバックみたいなもの。日の出では装着率高し)を買ったほうがいいのかもしれないけどなー。

そんなことにはお構いなしのグレイトは、相変わらず甘えたちゃん。扉を開けると慌てて身体の向きをかえ、こっちをじーっと見ています。無口をつけて馬繋場まで歩かせた感じは、そんなに悪くなさそう。最近まだ跛行がひどくなったと聞いていたのですが、本当に調子が悪かったときは引き馬ですら跛行を引き綱に感じるほどだったから、そこまではひどくない。
馬装を終え、レッスン開始10分前に馬場に出そうと思ったのですが、ちょっと遅くなって5分前になってしまいました。いつものように広い方の馬場に出そうと思ったら、お手伝いのCちゃんが「グーちゃん、そっちじゃないと思うよ。たぶんこっち(小さい方)の馬場」と言います。「え、そうなの?」部班についていけないほど調子悪いから、小さい馬場でのんびり動かしてていいってことかな。

小さい馬場で騎乗して、常歩で歩かせます。ただ歩かせていても馬をほぐすことにはならないので、できるだけハミを受けさせるように手綱をちゃんと持って、前に出すようにします。
レッスン開始時間になると、ほかの人馬はすべて大きい方の馬場に出て、小さい馬場はわたし一人になりました。O先生が出てきて、どうやらわたしはマンツーマンで見てもらえるようです。「部班だとちょっと、グレイトでついてくのきついでしょ。こっちでじっくりやりましょう。まずは常歩で、しっかり歩かせることから」ということで、常歩。「こら、つま先開くんじゃない」あ、そうでした。
左手前だと、どうしても外方のハミに乗せることができない。右手前だと少しはどうにかなるかな。「そうだね、手前を換えたり、巻き乗りを入れたりしていいからつかんでいって。脚を使ったら、その力がハミを通して拳に帰ってくる。わかるかな?」「…えーと、イメージできますけど実感としては分かりません」「そうだよね。実はぼくもある先生からそう言われて、『これだ!』と思えたのは何回かしかないから。でも分かるよね、イメージは」

そうやって歩かせるうち、だんだんグレイトがハミを受けてきました。「今の受け方で70%。もう少しだ」と言われ、下手な小細工をするよりはきちんと前に出す方が先だろうと、鞭を使って歩かせます。「よし、それで100%受けた」と言われたときに時計を見ると、レッスン開始から15分後。うーん、自力だとまだ15分かかるか。
そこでO先生が調馬索を持ってきました。右手前で常歩から速歩。さすがに調馬索だと鼻面をチェーンシャンクで押さえられるため、あっさりと受けてきます。受けたはいいのですが、「そこは君の悪いクセだね。内方見過ぎ」「あ、そうだ」しかも、馬がハミを受けてくれると、かえって肩をすくめるように力が入ってしまうクセもあるみたいなんですよね。いかんいかん。
「脚を使うときは上に持ち上げて使いがちだけど、実は逆だからね。使いたいときに下げるイメージで。今のKYOKOさんの鐙だとちょっと長めで、長い鐙は脚が自由に使えるけど、脚がバタつきやすいよね。短いと今度は鐙がちゃんと踏めるけど、脚が前に流れやすくなる」ちょうどいいところを見つけていくのは自分だろうけど、先生みたいに安定した騎座と脚が使えるようになりたいなぁ。

「じゃあ速歩伸ばしていくよ」と、馬の歩度を伸ばしていきます。「誘導はぼくがやるけど、推進は乗ってる人がやらないとダメだからね、特にこの馬は。ちゃんと脚を使っていこう。座骨でも推進はできるけど、推進の主扶助は脚だよ」
だいぶ速歩のリズムが一定してきて、「今の動きなら、試合でもギリギリ跛行とられないくらいだ。じゃあ軽く駈歩しようか」グーちゃんは駈歩こそ、乗っている人間がきちんと扶助しないと出ない子。速歩からの発進に失敗し、常歩から発進し直し。数歩は駈歩ができたのですが、先生はリズムが崩れそうだと思ったらしく、すぐ速歩に戻す号令が出ました。

「手綱伸ばしていいから、サドルホルダー両手で持って。で、鐙外してみよう」持てと言われたら持ってもいいんだよね。「それで速歩いくよ。サドルホルダー持つと、前に座りやすくなるはずだから、それで自分の感覚でつかんていって。今日は感覚のレッスンだ」つまりサドルホルダーの助けは借りるけど、主役はあくまで座骨なんだな。サドルホルダーに頼りすぎないよう、持つ手には力を入れずに座骨だけでついていくようにします。
「そうだ、今の姿勢でちょうど真っ直ぐ。そのまま鐙履いてみて。自分がどれだけ鐙に頼ってたか分かるから」サドルホルダーを離して手綱を持ち直し、鐙を履きます。鐙上げの直後って、脚が自由に使えそうな気がしてしまう。この感覚を常に持っていられるようになったら、うまくなれるんだろうなぁ。

鐙を履いて、一定のリズムをこころがけて速歩。追い鞭を捨てた先生が、調馬索をたぐって短くしていき、馬の内方トモの位置くらいに立ちました。不自然な立ち位置だけど、たぶんわたしは推進をやめてはいけないんだろう。とは思ったのですが、 やっぱり推進が足りなくて常歩に落ちてしまいました。「何やってるか分かったね? 今巻き乗りしようとしたんだけど、トモ入れさせようとしてるから、自分でしっかり推進しないとダメだよ。じゃあもう1回巻き乗り」と、再び調馬索を短くして巻き乗り。脚で推進したつもりでしたが、やっぱり足りなかったらしくて常歩に落としてしまいました。
そこでちょうどレッスン終了時間。息を切らしてまで、ずっと調馬索してくれたO先生に感謝です。いい乗り納めになりました。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


←試合 303鞍目→

乗馬日記トップへ / トップページへtop