←289鞍目 | 290鞍目・じっくり (2005.11.5 あきる野・日の出乗馬倶楽部) |
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本日の2鞍目は、16時からグレイト。相方が障害レッスンをする隣の小さい馬場で、ひとりでじっくり(というか、ゆっくり)グーちゃんを動かすつもりでいます。隣で跳んでようがなんだろうが、グーちゃん気にしないし。 前のレッスン時間が押していたので、10分遅れで馬場に出ます。ひとりで乗るつもりで、あらかじめ踏み台を準備しておいて馬場に出たら、会員のNさんが騎乗補助に出てきてくれました。さすが準スタッフ。 腹帯を締めてもらい、ひとりで常歩をはじめると「歩き始めて3歩で受けさせなきゃダメだよ」とN子先生の声が飛んできました。「えー、やってみるけど無理」「無理じゃないよ。やるの」歩かせながら、内方の座骨と脚を外方のハミに向かって使ってみたつもりですが、まったく頭の下がる気配はありません。 馬場のすみにある引き馬用の台に腰かけた先生が、「ハミを回すんだよ、前に出しながら。今、左、右」と言う手元を見ると、拳を左右交互に握るようなジェスチャー。あんまり大げさでなく、ハミの抜きさしをやる感じです。あ、あの要領か。ハミを左右に引っ張るのではなく、左右に「まわす」というイメージでいじってみます。途中で止まられたり、鞭を入れたら跳ねられたりしてかなり時間はかかりましたが、少しだけ頭が下がってきました。 「よし、外方動かさない。内方だけくすぐってみな、ちょこちょこ」と言われ、外方の拳をき甲のすぐそばで安定させ、内方の小指だけを握ったり緩めたり。「ほら見な、受けた」「あ、ホントだ」「ここからもっと頭を下げさせたかったらね、今度は外方ちょこちょこやって、誘ってみな」ということで、今度は内方を維持して外方をちょっとだけいじると、確かに頭頚が下がってきました。へぇぇ〜。 常歩のまま、「じゃあ次は肩内」え。肩内(肩を内へ)って、馬の形はなんとなく分かってるけど、ちゃんとしたやり方知らないんですけど。「まず内方姿勢取らせて。そんなのは内方姿勢じゃないでしょ。内方姿勢はどうやるの」「えと、内方の座骨と脚」「じゃあやる。そう、そこで半減却、座骨は真っ直ぐ前へ。内方脚押し込んで、外方脚引いて馬の腰が流れないように押さえる。両脚で馬のアバラをへし折るくらいのつもりで。内方の手綱は譲ってもいいから」言われた通りにやると、なんとなく内方姿勢が強くなった感じなんだけど、これで正しい肩内ができているのかどうか。 常歩のまま、何回か肩内や前肢旋回をやりましたが、完全に息が上がってしまいました。N子先生が苦笑いして、「疲れた? ちょっと休憩しようか」と、先生にあるまじき(笑)優しい言葉。…あ、いやいや、馬場から出たらすごくかわいい人なんですよ、N子先生は。 手綱を伸ばして少し常歩をしながら、「常歩が一番大変なんだからね、分かるでしょ。馬と息遣いを合わせるといいの。こいつ、ハミ受けるとき息遣いが変わるでしょ」「はい」他の馬のは分からないが、グーちゃんのはなんとなく分かる。腹の底から、リズミカルに息を吐いている感じです。「馬と一緒に息を吐くようにしなさい。吸うことは考えなくていい」 「手綱伸ばしたままでいいから、中央線へ。入ったら左の蹄跡に向かって、斜め横足」半減却を使って方向転換し、中央線で左に向かって右脚で右トモの動きに合わせて推します。 蹄跡に戻って、今度は左から右への斜め横足。うわぁ、こっちは全然ダメだ。さっきロッキーに乗ってても感じたことだけど、左の脚と座骨が右より弱い。先生に「この脚で推す」と、左脚を馬体に向かって手で押されてしまいました。 「じゃあ手綱を持って、今度こそ3歩で受けさせてみな」ということで手綱をまとめて引き寄せます。さっきの「左右にまわす」という感覚でいくと、手綱を持ち直すのも外方をわずかに先にしたらいいのかな? 先に外方の手綱を持って軽く握り、次に外方を譲りながら内方を握り、また外方を持つ、という感じで試してみました。「ほら、受けるじゃん。もう一回手綱伸ばして、同じようにやってみな」と言われて、同じことを試してみると、やっぱりすとんと受けてきました。 まぁ一度受けてるから受けやすいということはあるけど、何かつかんだ気がして嬉しいなぁ。前にO先生にマンツーマンで教えてもらったとき、学生のやる長手綱での抜きさしを「邪道だけど、きっかけをつかむヒントにはなるよ」と言われた意味がやっと分かった。 「じゃあちょっと速歩。今日は駈歩やんないから。リズムが乱れるからね」と先生が言ったのは、馬のリズムのことだったのか、わたしのリズムのことだったのか。とにかくハミ受けをさせた状態から速歩。最初はなかなか出ませんでしたが、N子先生がいっしょに走ってくれて、どうにか出せました。とにかく外方の拳をき甲のそばで安定させることに専念。 途中の隅角や巻き乗りで止まられると、「止まられるな、鞭使ってもいいから。どうせ跳ねたってその程度なんだから、精神的に馬に負けるな」と叱咤され、がんばって前に出していると、安定して速歩ができるようになってきました。そうすると、ハミも安定する。 でも止まらなくはなったけど、隅角や巻き乗りをしようとすると駈歩が出そうになって「それじゃピルーエットだぞ〜」と先生に言われてしまいます。これはまぁ仕方あるまい。 「自分の好きなところからでいいから、中央線に入って停止。きちんと停止するんだよ。入場の停止と退場の停止は違うからね」そうか、なるほど、じゃあこの小さい馬場を正規馬場に見立てて、審査員(N子先生)のいる位置に向かって中央線直進、X点で停止だな。 自分では入場の停止だったつもりでしたが、停止位置での半減却が足りなかったのか、停止の直後に馬をつまづかせてしまいました。「あ、失敗」「でも馬はそう言ってないよ。OK、じゃああとは時間いっぱい、自分ひとりで好きなように動かしてみな。ひとりで馬を動かすってことは普段あんまりできないんだから」 そう言って先生がラチの外に出たので、まず伸ばしていた手綱を持ち直しながら受けさせることから始めます。さっきと同じように、外方、内方の順で回しながら持ち直してみましたが、ハミ受けはちょっと失敗。そのまま指先だけで抜きさししてみてもあまりうまくいかないので、もう一度手綱を伸ばしてやり直し。 受けたところで速歩を出してみると、思ったより簡単に速歩が出ました。あ、つねづね先生が「そいつは受けないと前に出ない」と言っているのはこのことか。ハミを受けた馬に乗るっていうのは、一瞬たりとも気が抜けない真剣勝負のような感じがあるけど、面白さもまた格別。ここ数ヶ月の間で、先生に乗り代わってもらわずにグーちゃんを最後まで動かせたのは久しぶり。 最後に馬を止め、きちんとハミを受けさせた状態で5秒間停止。ほんっとにこの子の停止は美しい。「できてる馬ってすばらしい!」と叫ぶと、「そうだよ、だから言ってるじゃん。Cちゃんにも言ったけど、グレイトにはもうそんなに時間がないんだから、今のうちに馬にいっぱい教えてもらっときな」とN子先生。グレイトは悪い肢をだましだまし使っている馬だし、年もそんなに若いわけではないので、馬主のT先生もいずれ養老牧場で余生を送らせようと考えているみたいだし。 あとは少しだけ沈静で歩かせて、馬繋場に上がって手入れ。もうすっかり暗くなっているせいか、珍しくわたしの顔に鼻をすりよせてきました。かわいい。 この子は繋いでいるときにバケツで水を与えると、鼻先でばしゃばしゃ水面をたたいて、こぼして遊ぶクセがあります。こっちがびしょぬれになるのであまりバケツで水をやらないのですが、この日はNさんが濡れるの覚悟で水をあげたら、グーちゃんはちょっと嬉しそうでした。 |
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![]() ↑日の出乗馬倶楽部の見取り図 (緑字:貸与馬、青字:自馬) |
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