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(2005.9.23 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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そんなわけで、今日は2鞍目もグレイト。14時からの騎乗なので、13時半にグーちゃんの馬房へ向かいます。グレイトは扉にお尻を向けていましたが、「グーちゃん、お仕事だよー」と声をかけながら扉を開けると、ちらっと目だけでわたしのほうを見ました。ここの扉は勝手に閉まってきてしまうので、紐で柱に結わえつけてから馬を引き出すことになっています。いつもならわたしが紐を結んでいる間に、自分から体の向きを変えて馬房の入り口から鼻先だけ出し、無口をつけられるのを待っているグーちゃん(かわいい…)なのですが、今日は紐を結び終わってもまだ、入り口にお尻を向けています。珍しいこともあるもんだ。
お尻を向けていても、いきなり蹴っ飛ばしてくるような馬ではないので、お尻に触りながら馬房に入り、馬の首のところまで回り込みます。でもなんか、機嫌の悪そうなグーちゃん。そんなにお仕事したくないですか、君は。

1鞍目のときよりもさらに立ち止まり立ち止まりして、すっごくしぶしぶ馬繋場まで歩いたグーちゃん。馬繋場の中でぐるりと回るのも、なんだか1歩1歩かばいながら歩く感じで、痛々しい。こんなんでホントに乗って大丈夫なのかしら。
まぁたぶん先生にそう言っても「動かせば治る」って言われるだろうし、動かしてみてダメなら止めればいいんだし。蹄の裏掘りをして、さっさと馬装してしまいます。

時間が来たのでさっさと馬場に出してしまおうと思ったのですが、グレイトがなかなか動かない。1歩歩いては止まり、持っていた長鞭でトモに軽く触れるとちょっとだけ歩いて立ち止まる、の繰り返しで、ようやく馬場に出たときには他の人馬はみんな準備ができていました。
急いで騎乗すると、指導のN子先生が「グーちゃんは蹄跡出なくていいから、輪乗りでどんどん常歩で歩かせな。『どんどん』ってのがポイントだからね」「はい」歩かせてみると、1鞍目よりもさらに歩様が悪く、とにかく前に出ない。調子のいいときは黙っていてもさっさと歩く子なのですが、今は1歩ごとに止まろうとするので、歩ごとに強く脚で圧迫してやらないと歩かない。

常歩で何周かするうちに、蹄跡に出ている他の馬には速歩の号令がかかりました。「先生、グレイトは?」と聞くと、「グーちゃんは常歩でいいから、ちゃんとほぐしときなさい。じゃないと前に出せないでしょ」それはもう。「両手前で輪乗りと斜め横足やって、出せると思ったら部班の一番後ろにつきな」
左手前だとボロボロですが、右手前はだいぶまともな常歩になってきたので、前の馬にくっつかせれば速歩が出るかも。部班が右手前になったところを見計らって、鞭を使って速歩にし、部班の後ろにくっつきます。前に出そうと軽速歩をとってみたのですが、跛行のせいかリズムがバラバラで、すぐ常歩に落ちてしまいます。
「しょうがないなぁ、貸してみな」とN子先生が言ってくれたので、下馬して乗り代わり。部班の邪魔になりそうなので、馬場の外にいったん出ます。たった10分くらいしか乗っていないのに、自分の息が完全にあがってしまっていることにびっくり。ぜぇぜぇ。

なのに先生が乗ると、ちゃんと動くんですよねぇ、これが。最初のうちこそ、先生も重そうにして乗っていたものの、ちゃんと速歩も駈歩もしている。「見てみな、ちゃんと動くじゃん」あまつさえ部班の先頭に出て、後ろの馬に「こんな足の悪い馬について来られないようじゃダメッ」と檄を飛ばしているし。
本当にすごいなと思ったのは、先生が下馬したあとのグーちゃんに再騎乗したときです。さっきとは別の馬みたいになってるんだもん。
うって変わってすいすいついて行けるようになりましたが、ときどき先生が「余韻を残すために鞭!」と言うので、歩調がにぶったところで鞭を入れます。
部班は軽速歩でしたが、「グーちゃんは速歩でいいよ、そいつ今日は軽速歩とりにくいだろうから」と言ってもらえたので、速歩のまま運動を続けます。この子の場合、跛行していても座りやすい反動なので、速歩のほうが楽なくらいです(動けばね)。

駈歩はまず1頭ずつ。出にくいかなー、と思いましたが、まぁ出ないことはない。でもどうしても上に上がるような駈歩になってしまうので、手綱ゆるめで走らせます。1鞍目と同じく、左手前だと隅角を嫌がる感じで、とくに砂が深くなっているところを避けたいらしい。
全員で輪乗りから一斉に駈歩。これだと前の馬にくっついていける分、けっこうまともに走れる。「右手前だったら大丈夫でしょ」「そうですね、だいぶまとも」「まともっつーか、まぁね(笑)」右手前だと、輪乗りのラインもきちんと守れる。
左手前でも順次、輪乗りで駈歩をしようとしたのですが、わたしの前にいるロッキーがなかなか駈歩にならないので、速歩のまま待ちます。業を煮やしたN子先生が「駈歩っ!!」と怒鳴ると、反応したのはロッキーではなくてグレイト。「魔法みたいだな」「ホントですね」と、先生とふたりで大笑いしながら駈歩を続けます。

左手前だとうさぎとびのような駈歩になってしまい、1歩があまり前進しないから、前に出すのにとても苦労する。とにかく座骨使っていかなくちゃ。
1度だけ、馬が上にぽんと上がってくるのと、わたしが座骨を使うタイミングがほぼ同時のときがあり、馬がぽんと前に出ました。あ、これ。先生から、よく「上に上がってくる力で前に出せ」と言われるんだけど、もしかしてこれのことか? 上向きのベクトルを、座骨でお迎えしてちょっと前に向けてあげる、って感じ。
偶然できただけだし、それ1回だけだったけど、あとでN子先生にその感覚のことを説明すると「できたんだったら、次からもちゃんとやれ」と言われました。ってことは、あながち間違いでもないらしい。

速歩で、最後はすこしずつ手綱を伸ばしながら走らせます。「手綱なんか、馬が欲しいっていうだけくれてやれ」と先生が言うので、馬の口が持っていこうとする分だけどんどん譲ってしまいます。でもいつも言われているように、跛行する側の首には手綱をくっつけておいて、と。
「列へ」の号令がかかったので、手綱をすこしずつ絞って持ち直し、馬場の中央に入って停止。半減却がイマイチだったか、馬がバランスバックをしてくれずに、わたしとしてはあんまりうまくない停止だと思ったので、挨拶後にもう一度常歩で巻き乗りして、停止をしなおします。今回はすこしマシだったけど、「それやりたいなら、ちゃんと前に出してなきゃ無理だぞ」とN子先生に言われてしまいました。

レッスンは修了ですが、もう少し筋肉をほぐしてから馬繋場に連れて行こう、と思って、手綱を伸ばしたまま常歩。先生も「次のレッスンの馬が出てくるまで歩いてていいから」というので、適当に歩いていることにしました。はたから見てても、このときの常歩が一番跛行が目立たなかったそうな。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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