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(2005.9.3 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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ちょっとまた暑さがぶり返したような土曜日、いつものように11時の予約で日の出へ。配馬表を見ると、わたしの名前がぽつんとグレイトのところに。「あれ? グーちゃん乗っていいの!?」と叫ぶわたしに、「いいらしいですよ。良かったですね」と先に来ていたNさん。
グレイトは持病の蟻洞が悪化して療養中なのですが、いちばんひどい右前肢などは、蹄骨が下がってしまって蹄底を突き破らんばかりになっていたそうです(そこまで行ってしまうと、確実に蹄葉炎)。でも装蹄師が連尾蹄鉄にしてから、だいぶ持ち直したと聞いていました。先生に聞いてみると、装蹄師と獣医の見解が少しずつ動かした方がいいということなので(足裏のことですから、歩かないと弱くなるばかりということのようです)、一昨日から調馬索で回したり、Cちゃんが乗ったりしていたそうです。で、今日は試しにわたしを乗せてレッスンに出してみるということらしい(おいおい)。

N子先生から馬装の注意事項として、連尾蹄鉄をつけている両前肢は、ゆるめにワンコ(犬じゃないです。爪を保護する形のプロテクター)をつけるように言われました。普通の蹄鉄と違って、輪っかの形をしている連尾蹄鉄は後ろが少し蹄からはみ出しているので、後肢で前肢の蹄鉄を踏みかけないようにいうことです。「大丈夫、わたし馬のトモを入れさせられるほど技術ないから」と言うと、「そりゃそうだ」とあっさり認められてしまいました。ぐすん。
装備品を準備し、グレイトの馬房へ。久しぶりなのでわがままするかなと思いましたが、無口はあっさりかけさせるし、後肢の裏堀りのときも蹴らないし、ブラシをかけてもバタバタしないし、なんか変だな〜。こいつ何たくらんでんの。

馬装を終えて、時間が来たのでグレイトを連れて馬場へ。もう他の人馬は馬場に出ていて、わたしとグレイトが一番最後になってしまいました。補助を受けて騎乗し、腹帯を締めなおします。
この時間は5頭部班でしたが、「グーちゃんは一番後ろ。馬を焦らせなくていいから、マイペースでついていきな。遅れてもショートカットすればいいから。手綱もあんまり持たなくていい。もしつまづいたりしたら、無理してすぐ速歩とか駈歩に戻さなくても、いったん常歩に落として立て直してからでいいからね」という、普段のN子先生にあるまじき優しいお言葉。今日はよほど馬がわがままをしない限り鞭は使わないことにして、最後尾につきます。

動かし始めはやっぱり少し跛行するけど、以前乗ってたときとそんなに変わらない。これだったら、馬がほぐれたら気にならなくなるだろう。それよりも、やっぱり頭をもたげてしまうほうが気になる。完全に受けさせるのは無理でも、馬の肢に対する負担を考えると、背中を張らない程度には持っていかなくては。
軽速歩にするとすぐ頭をもたげなくはなりましたが、まだ鼻から先に出ていく感じ。でも今日は無理にハミ受けを求めないほうがいいのかなぁ。でも外方の拳だけはきっちり持つようにがんばろう。
最初はショートカットしながらでしたが、わたしの前が重〜いアルフォンスだったので、だんだんショートカットしなくても大丈夫になってきました。跛行もほとんど気にならなくなってきた。

先頭から1頭ずつ、左手前で1周だけ駈歩。わたしとグレイトの番が来たので、半減却から駈歩発進…ありゃ、速歩出ちゃった。半減却のつもりが弱かったのか、座骨の発進合図がはっきりしなかったのか。たぶん両方だろうけど、わたし随分グレイトの感覚忘れてる。なんか騎座が浮いてる感じだし(端で見てた人によると、馬よりも人のほうが固くなってたらしい。久々のグーちゃんで緊張してたんだなぁ)。
常歩にして再度発進。よしちゃんと出た。「馬のペースで」とは言われたものの、かなりゆっくりした駈歩だなぁ。「何抑えてんの! 馬が前に出たいってよ!」あ、そういう意味? 自分が馬を控えてることにも気付かなかったけど、てっきり馬のペース=のんびり走らせる、だと思い込んでた。好きなように走らせろって意味だったのか。
1周走り終えて前の馬の後ろに付くと、N子先生に「抑えることばっか考えるんじゃないの! そんなに手綱持つなら、手綱伸ばしちゃいなさい。じゃなきゃ手綱取りあげるよっ」と怒られ、慌てて手綱を5センチほど伸ばしました。わたしはそんなに手綱短いほうじゃないと思うんだけど、そういえば最初に「手綱長くしていい」と言われたんだから素直にやってれば良かったんだな。

手綱ゆるゆるのまま、右手前でも1周だけ駈歩します。やっぱり半減却が甘かったらしく(自分では使ったつもりだったけど、先生から見たら使ってないも同然だったらしい)、速歩で出てしまい、いったん常歩に落として駈歩。
発進はできたものの、砂が深くなっているところを通すときに軽く跳ねられてしまいました。そのまま先生の号令で輪乗りに入りますが、輪乗りの最中にも3歩ごとくらいに跳ねられてしまい、思わず外方の小指でサドルホルダーをひっかけます。
「拍車が当たってるんでしょ!?」と先生、それはよく分かってるんですが。輪乗りを開いて蹄跡に出ても、サドルホルダーを持ったまま走ってしまいました。こういうところでわたしの弱さが出てしまうのですが、かえすがえすもここでサドルホルダーを握ったのは失敗だった。このあと、駈歩を出すたびに「跳ねられるかな?」と気持ちのどこかで思い、サドルホルダーを手放せなくなってしまいました。手綱がゆるいままだから、外方のハミを引っ張らないし大丈夫だろうなんて気持ちもあったし。反省。

速歩にして動かしていると、馬もだんだん前に出て行きたい気持ちになっているよう。手綱はゆるいままですが、馬が歯軋りを始めました。グーちゃんの場合、これは[ハミを意識してますよ]というサイン。それが手綱を通して伝わってきたので、2センチだけ手綱をつめると、すーっと馬の首が下がってきて、首が盛り上がってきました。おーい、いきなり受けすぎだよー(うれしいけど)。
でも前に出していないので、すぐに「それは巻き込みすぎ」と先生から指摘が。脚を使うと少し頭が上がってくるのですが、わたしの推進が足りないのでやっぱりすぐ巻き込んじゃう。

輪乗りから、順次駈歩。自分の前の馬が駈歩になるのを確認してからの駈歩発進になりますが、自分も含めてバラバラな発進になってしまいました。まぁわたしはグレイトだから輪乗りのラインに戻すのは簡単なのですが、他の馬が内側に切れ込んできたり、輪乗りの中で停止してしまったり。
そんな中で輪乗りのラインを守って走っていると、外側から他の馬を追い抜く場面も出てきます。そのとき輪乗りの中で停止していたのはダンス。それを追い抜こうとしたら、ダンスが明らかにグレイトを狙って噛み付いてこようとしました。ちょっとあんた、あたしのグーちゃんに何すんのよ。
もともと気の弱いグレイトは明らかに怯えているし、わたしも何が起こるんだか分からないのでちょっとビビってしまいました(そしてもちろんサドルホルダーは握っている)。とにかく噛まれずに済んで良かった。できるだけダンスに近寄らないようにして駈歩します。ダンス、よく見ると機嫌悪そうだな〜。

なんか順番もぐちゃぐちゃになってしまいましたが、駈歩を続けます。長蹄跡に出たとき、そのちょっと内側でダンスが立ち止まっていました。外側から追い抜く格好になるので、さっきのこともあるしやばいかなーと思いましたが、そのまま走らせます。
と、ダンスがぎろっとグレイトを睨みつけ、、その瞬間「うわっ…」グレイトがダダッと引っかかってラッシュしてしまいました。それでも頭を上げないでいてくれたし、すぐ前の馬に追いついたのを幸い、そこで速歩に落とします。「何か見たの?」と先生に聞かれ、言うとダンスの乗り手に悪いかなとは思ったんだけど、「いやあのー…ダンス見たんじゃないですか」と答えると、「そんなんで慌てるんじゃないの。人間が慌てたらどうにもならない」はい、確かに。
でもグレイトは確かに物見をする馬だけど、普段は物を見てもちょっと横っぱねするか、逆に怯えて立ち止まってしまうほうが多いので、こういう風に走りこんでしまうことは珍しかったんだもん。

それでもすぐ落ち着いてくれるのがグレイトのいいところなのですが、わたしのほうは固いままでレッスン終了。速歩で蹄跡行進から「列へ」の号令で、馬場の中央へ。
中央線で半減却を使って停止、そのままじーっと待っていると、ふわーっと馬がバランスバックしてくれました。これだよ、これ。さすがグレイト、この停止の感じが大好きなんだ。
先生が「馬、悪くなかったでしょ?」と言うので「よく頑張りましたよ〜。乗ってるほうがダメダメなのに」と言うと、「まったくだ」というお答え。でもほんと、今日はグレイトの慣らしだったのに、わたしのほうがとんでもない体たらく。こんなこといつまでもやってたら、グーちゃんに乗せてもらえなくなっちゃう。
そしてグレイトを連れて馬繋場に戻るなり、Sくんに「すっごい馬場馬みたいに巻き込んでたし、すっごい馬場選手みたいにサドルホルダー持ってたね」と言われてしまいました。うぐ…。すごい皮肉だが、本当すぎてぐうの音も出ないや。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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