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(2005.7.30 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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さて本日2鞍目、最近鬼門となっているハイセイコーJR(そう思ってるのがいけないのかもしれないけど)。JRは直前のレッスンで使っていて、しかもインターバルの10分間も引き馬で使われています。だから時間がないんだけど、でもやっぱり自分の鞍を使いたいし、どうしたもんかね。
ほかの人馬はとっくに馬場に出てしまい、レッスンが始まりそうだったので「N子先生、鞍乗せかえる時間ください」「はいはい。こっちで常歩してるから、さっさとやんな」ということで、自分以外のメンバーは常歩でレッスン開始。
寸前の引き馬を担当していたI野先生が、「鞍を馬場に持って来い」というので、自分の鞍を抱えて馬場の中へ。「ここで乗せかえれば、すぐにレッスンに入れるだろ」と、馬場の中で鞍を乗せかえることになりました。JRが物見をしないからこそできるワザ。

I野先生とNさんに手伝ってもらって、鞍を乗せかえてすぐに騎乗、そのまま隣の馬場までJRを歩かせます。もう他の人馬は速歩していて、「KYOKOさん、すぐ軽速歩で一番後ろにつきな」とN子先生の指示。
馬場に入ると同時に軽速歩にして、部班の最後尾につきます。他馬の後ろで動いている分にはまぁさくさく動いてはくれるんだけど、後肢で虫を追いたくて仕方ない様子。ちょっと払うくらいなら厳しく叱ったりはしないけど、こいつは何しろ虫を追うのにいちいち立ち止まろうとするのがいけない。立ち止まりそうな気配を感じると即座に鞭で叱り、前に出していきます。
今日も口がうるさいなぁ、コイツ。かなり拳はやわらかめにしているつもりですが、やっぱりときどき首をつっかけます。なんかわがまま度が上がっているような。

しばらく速歩と軽速歩をしていると、「各個に半巻き」の号令がかかりました。げ、するってぇと最後尾だったJRと私が先頭ですかい。半減却を使いまくって半巻き、蹄跡に戻るところでも半減却を使い、今まで他馬の後ろで油断していたに違いないJRを少し強めに前に出します。
1歩だけ[えっ、なんでオレが先頭なのよ?]という歩様でしたが、すぐに諦めたようです。自分の感覚ではだらだらした歩様だなーと思っていたのですが、気がつくと後ろの馬を引き離してしまっています。そうか、ストライドが大きいから、この程度のリズムでも移動距離は大きいのか。
先頭で走るほうがむしろ隅角に踏み込ませたりするのは楽でいいけど、巻き乗りが苦しい。前の馬にくっついて曲がることはそんなにイヤじゃないくせに、自分が先頭だとどうしても蹄跡から外そうとすると反抗するJR。つねづね先生から、手綱で曲げると曲がらないと言われているので、極力座骨と脚で曲げようとしているのですが。同じように手綱で曲げると絶対に曲がらないと言われるジュンヨーのほうが、なんぼか楽に曲がってくれます。昔はJRのほうが楽に回転できたはずなのになぁ。
巻き乗りに入ることができず、結果的にまた他馬の最後尾につきなおすことになりました。

先頭から1頭ずつ、1周だけ右駈歩。JRの場合は発進はかなり楽なのですが、なんか持って行かれ気味。かと言って手綱を絞ると怒ってもっと走っちゃうしなぁ、どうしたらいいんだ。
1周して前の馬の後ろについたところで、「ちゃんと座骨で抑えてないと、よけい馬に持ってかれるよー」と言われました。JRは反動がやわらかいから座れているような気にはなれるんだけど、抑えることってまだ全然できてない。
今度は左駈歩を1頭ずつやりますが、発進したとたんに「反対〜!」右駈歩を出してしまったので、速歩に落として発進しなおそうと思いましたが、これが全然止められない。止めようと思えば思うほど馬も意地になって走ってる感じで、格闘しているうちに前の馬に追いついてしまいました。
追いついて止まったところで、「なんで反対駈歩のまま1周してんの」とN子先生には言われてしまいましたが、ふだんだったら格闘してる最中に「止めてやり直せ!」と怒鳴られてるところ。先生から見て、「ありゃ止められないわ」と思われたのかも。

速歩で動かしている分にはちょっとハミをつっかけようとするくらいで、反抗的な態度は示さないのですが、駈歩になるとやっぱりダメで、私の指示を聞かずにがーっと持っていく感じ。今ラチが全部閉じてるからいいけど、たぶん一カ所でも開いてたら飛び出してるんだろうなぁ。
「ケツが前後に流れてるから! 自分が追ってるのよ。お尻を動かすんじゃなくて、お尻は固定したまま座骨を使うんでしょ」確かに、JRの駈歩のストライドの大きさに負けて、鞍の上でお尻が前後に動いて結果的にあおっちゃってるのかもしれない。たった1センチか2センチの動きなんだけど、こんなに作用しちゃうってことか。
じゃあお尻が動かなきゃいいんだろうから、サドルホルダーに頼ってみるか。外方の拳だけ、軽くサドルホルダーに引っ掛けます。でも後から思えば、これがミスのもとだったのです。

輪乗りの駈歩でも前に行きたがるJR。彼は前の馬を追い抜くようなことはしませんが、ちょうどいい位置でゆっくりと駈歩をさせることができず、前の馬に追いついては速歩に落とされ、駈歩発進の繰り返し。いちいち馬が口で反抗してくるし、止まらないし、こんなに馬とケンカしていてはいつか立ち上がるんじゃないか。自分のお尻を安定させるつもりで持っていたサドルホルダー、もう離せなくなってしまいました。ここらへんが私の小心者たるゆえんなんですが。
「もうどうしていいか、全然分からない」「『分からない』じゃないよ。あんなにサドルホルダーに頼ってたら、ハミ引っ張るばっかりで操作できるわけないでしょうが。だいたいサドルホルダー持って2課目踏むヒトなんかいないよ。まだ怖がってる証拠」「その通りです…」ぐうの音も出ませんわ。

JRの手入れをしながら、「JRに乗ると、なんか自分が下手になったような気にさせられるなぁ…」と厩務員Oさんにこぼしていて、気がつきました。自分が下手になったんじゃなくて、メッキを剥がされるんだよね。ちょっと付け焼き刃で身につけた技術なんてただのメッキだから、こいつにかかると簡単に剥がされてしまうのです。むかつくけど、剥がされないように技術を自分のものにしていかないといけないってことなんだよな。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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