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(2005.6.4 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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さて本日2鞍目のお相手はアルフォンス。彼に乗るのはなんと1年ぶり。アルフォンスは何しろ恐ろしく重い馬で、2年前には彼に乗って駈歩がどうしても出せずに、泣きを入れたこともあるほど。しかも彼は見事な前傾センサーをお持ちで、騎乗者のバランスがちょっとでも前傾する(あるいは浮く)と、ぱたっと停止して前に出なくなり、後肢旋回みたいにぐるぐるその場で回っちゃったりする馬なのです。
1年前は彼に好きなようにやられていたけど、あれから1年も経つんだもん、もう彼にやられっぱなしでいては恥ずかしい。負けへんぞ〜。

アルは直前の13時のレッスンに出ていたので、上がって来ると同時に鞍を外し、自分の鞍と乗せ替えます。あら、アルったら案外抱きが細いのね、グーちゃんよりも腹帯が1穴短い。少し水を飲ませて休ませてから、また馬場に出して騎乗。
さて、アルは他馬の後ろじゃないと動けない馬だけど、1人で蹄跡に出てくれるかな。常歩で1〜2歩出すと、あまりにも前肢の出がゆっくりだし小さいので、さっそく鞭をくれて蹄跡に出します。ふつう蹄跡にまで出れば普通に歩くものですが、蹄跡に出たら出たでまた重い。思わず「なにこれ、この馬こんなにクソ重いんですかぁ!?」とN子先生に叫ぶと、「そうよ。がんばりな」まぁこの場合、がんばると言えば鞭を使うしかないわけで。
ダンス、ジュンヨーに続く3番騎を指示され、巻き乗りをするなどして隊列を整えます。

すぐに速歩から軽速歩の指示が出ましたが、脚だけでは速歩に移行できそうになかったので、鞭をバシンと入れて速歩へ。軽速歩でも油断するとペースが落ちそうになるので、隅角などでは必ず鞭を入れるようにしておかないと。
それでも足りないので、長蹄跡では軽速歩の立つタイミングごとに鞭を入れていきます。最初はどうしても追いつけなくて、短蹄跡をショートカットしたりしていましたが、まぁ彼にしては前に出始めたようです(油断するとすぐのろのろになるけど)。
すると簡単に顎を譲ってきて、形だけならさっきのグーちゃんよりよっぽどいいくらい。昔アルフォンスに乗っていたころには、ちょっと受けたと思ったら巻き込んだり、かつーんと弾いてまた鼻を突き出してしまったりされたものですが、今日は実に素直にいい位置を保っています。譲ってくれると反動もすこし楽になるので、思っていたよりも座りやすい。以前は正反動をとるだけで鞍から落っこちそうになってたのにな。
こうやってみると、ハミも左右どちらかに偏ったようなクセもないし、巻き乗りには(止まりそうになるものの)座骨の過重だけでもついてくるし、案外乗りやすい馬かも。…でもクソ重いけど!

先頭から1頭ずつ、駈歩の指示。アルフォンスの場合、常歩の段階で前の馬にくっついて歩いていると、前の馬がいなくなったときに突然動かなくなりそうだから、少し前の馬から遅れさせます。これが、鞭を入れるのをやめればすぐ遅れるので簡単なんだけど、いいのか悪いのか。
前のジュンヨーが発進して前に馬がいなくなると、案の定歩様がぐうたらになるので、鞭や脚をばきばき使って前に出します。こんな常歩で、ほんとに駈歩出るんだろうか。
ジュンヨーが駈歩を終わったところで、先生に「はい次、アルフォンス」と言われると同時に鞭を強めに入れ、馬の目を覚ましてから駈歩発進。あ、出た。出たはいいけど、いつでも止まれる駈歩だねぇこれは。長蹄跡に入るところで鞭を入れてみると、まぁ止まらない程度にはなったけど、伸びたというほどでもない。
長蹄跡、E点にあたるところで巻き乗りの指示。巻き乗りには入れましたが、ちょっと大きめにふくらんでしまいました。アルフォンスはわりと小回りの利く馬のはずなのになぁ。「外方の押さえが足りないよっ」あ、そか。グレイトなんかは逆に外方の押さえよりも内方座骨だけで巻き乗りできてしまうので、外方の壁が弱くなっていたかも。

右手前に換え、ふたたび1頭ずつ駈歩。今度もちゃんと出たはいいのだけど、「はい反対」ああ、そういえば右手前は反対駈歩が出やすかったっけ。常歩に落として正駈歩を出し直しましたが、やっぱりのろい駈歩。「隅角ごとに鞭入れてみな!」あ、なるほどね、と隅角ごとにバシンとムチを入れます。
のろいけれど、隅角にはきちんと踏み込んでくれるのはアルフォンスのいいところ。拍車で隅角に踏み込ませながら鞭を使い、前に出します。グーちゃんでこんなんやったら跳ねられまくりだな。

よーし、もうちょっとでなんとか1周だと思った長蹄跡の終わりで、「そこで半巻き」。うげ、つまり途中から反対駈歩ってことですよね。頭の中で経路を想定し、先のポイントを見るようにしながら半巻き。反対駈歩で蹄跡に入ろうとしたら、当たり前ですがその先の蹄跡には相対する形で他馬が待機している。どうするんだろなー、と先生の指示を待ちつつ、いつでも内蹄跡に入れるような体勢を考えていると、「そこで巻き乗り」「巻き乗りっ!? 反対で?」そりゃー他の馬とはぶつからなくてすみますけどー!! 反対駈歩のまま巻き乗りなんてやったことないですよぅ。
だいたい反対駈歩なわけだから内方と外方が入れ替わっているわけで、外方脚は腹帯の位置、内方脚を引いています。これでどうやって外方の壁作るんだろう。たぶん騎座だろうけど、それだけの技術はないし、手綱でやるしかないか。
アルフォンスには悪いなと思いましたが、内方手綱を控え手綱にして巻き乗り。彼はきちんとついてきてくれたのですが、「換えないで、換えないで、換えないでっ!」と思わず出た叫びもむなしく、巻き乗りの途中で踏歩転換されてしまいました。途中で私のバランス変わっちゃったんだろうなぁ。

しばらく速歩をしてから、今度は輪乗りから順次に駈歩。自分の前にいる馬が駈歩になってから発進しなさいといつも言われるのですが、アルフォンスの場合、そんなことしてたら間に合わない気がする。先頭ダンスが駈歩になるのを待って、2番騎の相方がジュンヨーを駈歩発進させると同時に、私もアルフォンスを発進。あー良かったちゃんと出て。
輪乗りで前の馬についていきますが、アルフォンスは案外左右どちらにもよれない馬で、きちんと狙ったポイントを踏んでくれるのはありがたいのですが、全然歩度が伸びません。えぇい、鞭だ。輪乗りの場合は蹄跡に触れる3点とX点をポイントとして目標にするようにしていますが、そのポイントごとに鞭を入れます。1周で4回も鞭入れるなんて、ふつーありえないだろって。
アルに比べればはるかに前進気勢のあるジュンヨーの駈歩に、このクソ重いアルフォンスでついていってるなんて、もう誰か私をほめてくださいって感じです。

蹄跡で速歩に落として、「そのまま少しずつ手綱を伸ばして、最後には手綱の真ん中だけ持っていなさい。隅角無視していいから、どんどん歩度伸ばして」ということで、手綱を伸ばしてしまいます。それなりに歩度が伸びることは伸びてるけど、N子先生の「ハミを追わせるのよ」という声でアルフォンスを見ると、全然ハミ追ってないじゃん…。
でもペースが一定で慌てるところがないので、リズムを崩さず軽速歩を続けられます。隅角は思いっきり無視してるけど、こいつなりには伸びているし。手綱を伸ばしてしまうと、絶対に手綱に頼れないだけに自分のバランスに集中できるところが面白いですね。
時間まで走って、少しずつ手綱を持ち直します。馬場中央に馬を並べ、停止・敬礼して終了。1年前のイメージから考えると、アルフォンスって案外乗りやすい馬でおもしろかった。…でもクソ重いけど!

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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