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(2005.5.5 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
外乗→
八王子乗馬倶楽部で開催される八王子市民大会に出場することになったのですが、再来週の試合だっつーに全然馬場の練習をしていなかったので、今日は馬場レッスンで予約。でも愛馬グレイトはまだフレグモーネ療養中なので(腫れは引いて、だいぶ良くなっているみたいなのでほっとしました)、ほかの馬で2課目を踏むことになります。
今日の予約は相方が15時、私が16時なので、いつもより遅めの昼すぎに倶楽部に到着。配馬表を見ると、私の名前がダンスとアルフォンスのところにまたがって書いてあります。「何ですかこりゃ?」とO先生に聞くと、「あ、それね、本命と対抗。とりあえずそこに書いといたけど、ほかの馬でもいいよ」うーん、今わがままざかりのダンスで経路を踏むのは、試合前の精神衛生上よくなさそうだ。まだアルフォンスのほうがマシか。でも同じ重い馬なら「ロゼでもいいかなぁ」と試しに言ってみると、「ロゼでもいいよ、全然」ということで、前後の配馬を調整してロゼッタにしてくれました(それで影響を受けた人、ごめんね)。
ロゼッタは今すっかりボケが入っていると言われている年寄り馬で、とんでもなくニブくなっているものの、私としては1課目のときのパートナーは彼だったので、勝手が分かっているだけマシじゃないだろうか。

前回ララミーでレッスンを受けたことは先生たちに報告してあるのですが、雑談の中でN子先生から「KYOKOさんは、ララミーで何か言われた?」と聞かれました。「うん、いつも先生に言われてることですよ。股関節が固いって」「…ああ、脚が馬体から離れるってか」「すっげー、さすが先生! これだけでそこまで分かるんだ。でね、それから股関節の柔軟やったり、酢飲んだりしてるわけ」「わはは、その努力は認める。KYOKOさんのはねぇ、一見股割って乗れてるように見えるんだよね。鐙踏みしめてるからそう見えるだけなんだけどね」ふうん、踏みしめすぎってことかな。さすがにもう「鐙に立ってる」とは言われないけど、まだ座骨に体重をあずけきれてないんだろう。
今日の馬場レッスンは16時開始予定だったのですが、前のレッスンがずれ込んだために20分遅れになりました。ロゼッタは馬装にまったく手がかからない(勝手が分かってるからということもある)ヤツなので、20分もあれば充分だろうと、16時ちょうどに馬房へ向かいます。

ロゼッタを馬房から引き出し、蹄の裏堀りとブラシかけ。なんかあちこちすりむいてるし(皮膚が弱っているのでしょう)、トモの肉なんてごっそりこそげ落ちている感じで、こいつに馬場の運動を要求したらぶっ倒れないかしらん。
案の定、馬装にはぜんぜん手がかからなかったので、すぐに馬場へ。馬場のほうも、最近は3級検定を受ける人が数名いるおかげで20×40mサイズがデフォルトになっているので、ポイントを打つだけですぐに正規馬場が出来上がったようです。
ロゼッタを馬場に引き出して、待機馬場で騎乗。Nさんが踏み台を持ってきてくれましたが、背の低いロゼッタだし、このところ股関節の柔軟をやっている成果を試そうと思って、踏み台なしで乗ってみます。鐙を少しだけ伸ばして、地面から左足を鐙にひっかけると、お、いけた。
N子先生の「フラットワークして馬の準備してなさい」という指示が人づてに伝わってきましたが、もとよりそのつもり。こんなニブい馬、フラットワークでどんどん動かさないと馬場なんて踏めるわけないっての。

常歩からやる気がなさそーなので、長鞭を(私にしては)ばんばん使って歩かせます。ちょっと目を覚ましてきたかなー、と思うけど、まだ全然足りない。軽速歩に移行して、軽速歩の立つごとに鞭をパシンパシンと入れていきます。
ちょっと動いてきたかな、と思って速歩に落とすと、すぐに歩度が落ちる。仕方なくまた軽速歩で前に出します。座骨だけで前に出てくれたあの頃のお前はどこに行ったんだよ、全く。
いったん常歩に落として、駈歩発進。出ることは出るけど、この止まりたそうな歩様はなんなのよ。止めて強めの鞭をくれてから発進しても、鞭を入れ続けていないと、すぐ常歩に落ちてしまう。この狭い待機馬場(15×25m程度)で、1周するのがやっとだなんてダサいよう。

N子先生に「フラットワークだけで死にそう」と訴えると、「駈歩だけ出やすくしてあげようか?」と、乗りかわってくれました。
「駈歩だけだかんねー」と言いながら乗りかわるやいなや、バンバンバン! と、これでもかっていう勢いで鞭を入れて駈歩を出すN子先生。駈歩しながら、ついに片手手綱で片手鞭を使うと、さすがのロゼじいも歩度が伸びてきました。「すげー先生、馬っぽい」「まるで馬みたいになったろ? このぐらいやんなきゃ」いやはや、随分鞭を使ったつもりでしたが、まだまだでした。
先生が下馬したところで乗りかわってみると、またがって常歩した感じがさっきと違う。「鞭バチッと入れたら駈歩出るようにしといたから、思い切りやんな」先生の下乗りが効いてる今のうち、というわけで本日1回目の経路へ。

A点の外に馬場がないので、K点あたりから入場し、左手前で蹄跡を回ってA点で回転、中央線へ。うわ、いきなり止まろうとするんじゃないよ。そうか、回転で極端に歩度が落ちるんだな、気を付けないと。
本当は速歩のところ、半分くらい常歩でX点にたどりつき、停止、敬礼。速歩発進もだらっと出そうになったので鞭を入れたのですが、C点の手前で常歩になりやがった(泣)。速歩に戻して鞭を入れ、M点からの斜め手前変換。線上歩度伸びてないし。
A点から3湾曲、1湾曲目はともかく、2湾曲目に入るところで全然内方姿勢をとらせられない。あれー、なんで? すっごく左のハミに乗っかってくる感じで、右のハミに対する反応がイマイチ。こんな片っパミだったっけな、こいつ。「いちいち鞭持ち替えな!」と先生に言われて、いちいち内方に鞭を持ち替えては使いますが、あんまり効果ないみたい。まぁ、ふだんはティーディマン着けられてるしなー。

蹄跡に入って長蹄跡、H点から中間速歩なので「たたけ! たたけ! その馬に限っては鞭で出していい!!」とまるで「あしたのジョー」のような指示を受けながら、鞭で前に出していきます。ふつーH点で一度バシッと鞭を入れれば40mくらい保つものだけど、ロゼッタの場合は10mも保たない。長蹄跡で3回以上鞭を入れたような気がします。
A点から常歩…ってあんた、何ぴたっと停止してんのよ。鞭を入れて常歩、F点から斜め手前変換とともに手綱を伸ばします。「その馬に限っては拍車入れていいから、ちゃんと歩かせな!」グレイトで踏んでいるときは、ここで拍車を入れると馬が頭を上げるのでダメだと言われている部分なのですが、ロゼッタの場合はずいぶん例外事項が多い(笑)。常歩でずいぶん左によれよれっと歩いてしまい、H点よりも手前で蹄跡に入ってしまいました。
ここで手綱を持ち直し、グレイトと違ってハミ受けの心配をする必要はないのですが、常歩がだらだら。「そのままじゃ駈歩出ないよー。たたけっ」とN子先生のいう通り、C点での発進に失敗、速歩が出てしまいました。速歩から駈歩にできるかなーと思ったけど無理そうだったので3歩で諦め、常歩に落として駈歩発進をし直します。出たけど、まぁ重いこと重いこと。このままじゃ輪乗りも維持できそうになかったので、歩ごとに鞭を入れながら前へ。

長蹄跡で中間駈歩、「拍車っ! たたけっ!!」というありえない号令のもと、歩度を伸ばしますが、なんか右によれよれっとした駈歩(あとで先生が言うには、「あそこは馬場の地面がうねっているから、ロゼあたりは影響を受けやすいからね」ということでしたが)。どうにか隅角を回ると、あ、しまった。K点の隅角、ラチが開いてるじゃん。
そこは以前JRで2課目を踏んでいたとき、”ワクにはまらない男”JRが必ずワクの外に飛び出そうとした部分で、私がいくら脚と座骨で回そうとしても、馬のほうが力ずくで直進したところ。よりにもよってそこが開いてんのかよー、と思ったのですが、さすがロゼッタ。ここはきちんと回ってくれました。
K点から斜め手前変換、X点で速歩。くそう、下方移行だけは反応いいな。蹄跡に入って、常歩からC点で駈歩発進。「たたけっ!」と言われると同時に鞭を入れると、ちゃんとC点から駈歩に。重いけど輪乗りもどうにか形になったし、隅角も鞭と拍車で押し込んだらけっこうちゃんと踏んでくれたし。長蹄跡の伸びはイマイチだけど、左手前のほうが右手前よりはマシな動きをしている。
最後のB点から半巻き、X点で止まろうとするロゼッタを拍車で押し出してどうにかG点へ。停止だけはいい停止ができました。

「どうする? 何べんでも回ってきていいよ」とN子先生が言ってくれますが、たった1回回っただけで完全に息が上がっている。「しんどそうだねー」とみんなが心配する(いや、からかってるだけかも)中、Nさんがボルヴィックを買ってきてくれたので、騎乗のまま給水。エンデュランス風に、馬にも首の上から水をかけてやりたいところだわ。
一息ついて、もう1度経路へ。さっきの経路で鞭も拍車も使いまくり、ロゼッタの反応がニブいことがよ〜〜く分かったので、1回目よりも遠慮がなくなってきました。隅角で鞭を入れ、中間で歩度を伸ばすところでもパンパン入れていきます。すると3湾曲の途中で、「逆ムチにしちゃいな!」とN子先生の声が。鞭を逆手に持つなんて、「そんな指導初めて聞いたよっ!?」「あたしだって初めて言ったよ!! いいの、その馬の場合はそれくらいしないと!」今まで4年近く馬に乗ってきて、鞭を逆手に持つのは初めてでしたが、でも私もロゼをもっと前に出したいし、やってみるか。
長鞭を逆手に持つと、馬の首あたりで振り回すことになるので、ふつうの馬なら嫌がってひっかかったりするはずなんですが、ロゼッタの場合はこれがぴくりともしないんだ(笑)。駈歩の発進や中間駈歩ではけっこう鞭を振ったのですが、まぁ伸びることは伸びたけど、という程度。逆ムチはそれなりに効果はあるみたいだけど、逆ムチにしてから鞭を使うのにはいちいち片手手綱にしなきゃいけないので、馬体に直接は使えませんでした。

ぜーぜー言いながら3回踏み終わったところで、同じ試合に出るCちゃんが「私ロゼッタに乗ってみてもいい?」というので乗り変わり。私よりも馬に対して強気に出られるCちゃんなので(私が弱気すぎるという話も…)、鞭も拍車もガンガン使いながら経路を回っていましたが、途中で「思ったより軽いよ? 私これなら、何回でも経路回れる」と言い出しました。実際に中間速歩ではきちんと前肢が伸びているし、すごく前に出てるけど、それはCちゃんがちゃんと動かせてるってことで。
「ほんとだって。今乗ってみ!? ぜったい軽く回れるから」というので、だまされたと思ってもう1回回ってくるか。Cちゃんが下馬したところで、相方が出てきて足上げをしてくれたので騎乗。…あれっ、「軽いじゃん! だれ、この馬」「いいから今すぐ行きな!」とN子先生の叱咤を受けつつ、この日最後の経路へ。

蹄跡を回ってA点から中央線へ。さっきはA点を深く回ろうとしすぎてオーバーランしたので、今回はちょっと手前に目測して回転します。X点まで鞭を使いながら直進、停止。「そうだ。敬礼省略していいから」了解、ここで常歩で発進してしまいたくないので、バチンと鞭をくれて発進。C点の手前、隅角、いちいち歩度が落ちそうになるので鞭を使い、M点で斜め手前変換をした瞬間にバンバンバン! と3連発の鞭をくれたら、さっきよりはだいぶ前に伸びてるんじゃないかい。
3湾曲では、馬の屈曲はぜんぜんダメだったけど、とにかく今日は前に出すこと。蹄跡に入って長蹄跡、H〜K点間の中間速歩に入るところでも、「たたけっ!!」と言われつつ歩度を伸ばし、「たたくのやめれば自然に歩度はつまるから! その馬もう半減却なんか効かないんだから」ってN子先生、なんすかそりゃあ(笑)。そうか、半減却なんか効かないのか。じゃあA点で常歩に落とすときに半減却使ったって無駄ってことか、けっ飛ばしちゃえ。

手綱を伸ばした斜め手前変換でも鞭を使い、H点手前で手綱を持ち直したときには速歩が出そうになりました。よしよし、ロゼにしてはいい前進気勢だ。このままC点で駈歩出すからね。C点ポイントの1完歩手前で鞭をくれ、C点で駈歩発進。「よし、今の発進いい!」歩ごとに鞭を入れながら輪乗りから長蹄跡、ここは中間駈歩。「鞭! 拍車! 刺せ〜!!」となぜかギャラリーがエキサイトする中、腹筋に力をこめて鞭を振るいながら隅角を回り、斜め手前変換、速歩へ。
左手前の駈歩発進もきっちり発進でき、輪乗りから蹄跡に入って隅角をきっちり踏ませます。隅角のパイロンに馬の鼻面を突っ込むくらいの気持ちで入り、内方の拍車を使って隅角通過。よし、よく踏んだ。すぐにH点から中間駈歩、ここもバシン! と鞭をくれて歩度を伸ばします。
隅角入って短蹄跡、隅角、鞭を入れ続けていないと速歩に落ちてしまいそう。「がんばれ、がんばれ、あと少しだから!」と声に出して馬をはげまし(相方がここですかさず「お前ががんばれよ」とツッコミ入れてウケをとったらしい。さすが私の相方だ。誉めてやろう)、F点を回ってどうにか駈歩のままX点、速歩。

H点から蹄跡に入って常歩、蹄跡更新。C点で速歩発進ですが、1歩だけ駈歩が出そうになりました。ロゼにしては素晴らしい前進気勢。速歩でB点から半巻き、拍車をぐりぐり入れて内方姿勢をとらせ、X〜G点直進。G点の停止は1歩だけずれて四肢が揃わなかったけど、いやーおもしろかった。
先生が「今の良く回れてたよ」と言えば、Cちゃんも「今まで見たなかで一番良かった。グーちゃんのときよりも」へぇ。それはやっぱり、ロゼッタが絶対に物見をしない馬だってことと、今まで50鞍以上乗ってきて遠慮のない間柄だから、馬に対して強気に出られたってことなんだろうか。
私としても、こんなに思い切って乗ったのは初めてなので、私ってこんな乗り方ができたんだぁって感じ。どうしても、どこか腰の引けたところがある私だけど、今日はなんかふっきれて乗れて、すっきりしました。ロゼッタの重さやズブさが、こういう効果を持っているとは知らなかったなぁ。
半減却は効かないわ、ほとんど拍車と鞭に頼ってるわ、馬場的にはとんでもない乗り方したかもしれないけど、私みたいなビビリにはたまにこういうのもいいかも。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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