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(2005.4.3 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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いつもは土曜日ですが、今週は日曜日に行くことにしました。時間はいつもどおり11時の予約で、日の出に向かいます。
到着して配馬表をみると、馬もいつもどおりグレイトでしたが、今日は珍しく私の前に乗っている人がいます。私はだいたい11時から乗るので、その日の1鞍目に乗ることが多いのですが、今日は9時からSくんが乗ってくれている。Sくんは以前にお手伝いスタッフをやっていたこともあって上手い人なので、間違いなくばっちり下乗りしてくれてるな、助かった。
10時過ぎ、馬装に向かう前に、ちょうどグレイトをしまってきたSくんに「今日のグレイトどうよ?」と聞いてみると、「最初の常歩で受けさせなかったから、ちょっと失敗しちゃった。最後の常歩でちょっと受けたけどね。だから最初の常歩でばっちり受けさせちゃったほうがいいみたいよ」とのこと。「受けさせようと思って、できないから困るんじゃんよ、私の場合」「そっかー。最初に肩内やっちゃうと楽ですよ」なるほどねぇ。せっかくだから、最初の常歩がんばってみるか。

そういうことで、ちょっと早めに出したいので急いで馬装の準備。鞍やプロテクターを出してからグレイトの馬房へ。さっき声をかけたときには向こうをむいていた(っていうか、たぶん窓の外を眺めてるんだな)グーちゃんですが、無口を持って扉を開けたら、こっちを向いて自分から首を下げてきました。おや、珍しいこともあるもんだ。いつも無口をかけるときには、えらそーに頭をもたげている子なんですが。なんか間違えたのかしら。
馬繋場につないで、まずは蹄の裏掘り。暖かくなってずいぶんハエが増えたので、ただでさえ足回りがうるさいグーちゃんがますますうるさい。油断すると後肢やしっぽが飛んでくるので、ややへっぴり腰で裏掘り(でも蹴られたら速攻蹴りかえすけど)。さっきSくんが乗ったときにやっているはずなので、ブラシは省略。

だいぶ早めに馬装が終わり、ちと4〜5分ほど早いがグレイトを連れて馬場へ。Sくんがついて来てくれたので、補助を受けて騎乗します。
常歩でとりあえず蹄跡に出ると、Sくんが「肩内のやり方ってちゃんと知ってます?」「いや、実は何となくしか知らない」と答えると、横について歩きながら肩内をレクチャーしてくれました。「外方脚ちょっと引いて、内方のトモが出たときに内方脚で推す、外方で受ける、内方の前肢が出たときに外方の手綱をちょっと使う。内方の手綱は使わないんですよ」「え、使わないのっ?」「使わないの」(斜め横足もやったので、このへんごっちゃになってる可能性が高いのですが、Sくんの間違いではなく私の記憶があいまいなせいです)。
レクチャーされながら、常歩で肩内や斜め横足を続けていると、すこ〜しグーちゃんが受ける形になってきました。「ほら、歯軋りしてるの分かります? 集中しはじめてるんですよ。もうちょっとで受けるから」輪乗りに入る要領で内方姿勢をとらせ、そのまま肩内なんてことをやってると、私が受けさせられない理由は拳やハミではなく、脚の推し(特に内方)が足りないんじゃないのかな、という気がしてきました。

そうこうするうちに他の馬の準備もできたようで、レッスン開始。今日はジュンヨー、チョコ&相方、グレイト&私の3頭部班。私以外の2頭は、倶楽部でも前進気勢が強いほうの馬なのに、装蹄前で蹄の状態が悪いグーちゃんはいつもに増して重め。分隊の一番後ろを指示されたのでまだマシだけど、ついていくの大変だろうなぁ。
馬にハミを受けさせると言っても、馬を前に出さなければそんなことはできないので、頑張って前に出すようにします。前に出すのにも、内方のトモが出るときに内方脚で推して肢を出させるように、と。常歩って忙しいし、けっこうしんどい。

馬のほうは全頭2鞍目なので(まだ11時なのに珍しい)、すぐに速歩から軽速歩の指示。1歩で速歩に移行できず、数歩かかってしまいました。まぁとにかく速歩が出たので、軽速歩をとってリズムを作っていきます。
巻き乗りの進入は実にうまくいくんだけど、なぜかどんどん輪が小さくなり、しまいに常歩に落ちてしまいます。「確かにそれをどんどん小さくすると、ピルーエットの練習にはなるけど」「違うんですぅ、そんな高度なことやってるわけじゃありませ〜ん(泣)」でもなんだか、巻き乗りすると必ずそうなってしまいます。推しが足りないのか、内方脚と外方の壁のバランスが悪いのか、うーむ。
内方脚と外方の拳で、やや斜め横足気味な形をつくりながら軽速歩をしていると、いつもよりは頭が下がってる感じ。半巻きでは勝手に斜め横足をしたり、隅角ごとにきちんと半減却を使うように意識して動かします。

左手前の常歩から、1頭ずつ駈歩の指示。私は最後尾なので、前の2頭が駈歩をする間、常歩をできるだけ前に出して、駈歩の準備をしておきます。
私の番が来ると、「蹄跡固いから、グースケは中で輪乗りで駈歩していいよ。輪乗りのほうが受けやすいし」とO先生が言ってくれたので、蹄の調子がイマイチなグレイトのために、蹄跡を外れて内側で輪乗り。ここのところ駈歩というと必ずグースケに跳ねられっぱなしで、ついつい外方だけサドルホルダーを持つようにしてしまっていたのですが、持たないと駈歩ができないようになったらダサい(ってか馬場が踏めない)ので、今日はサドルホルダーを極力持たないようにしようっと。
常歩から半減却、内方座骨という順で駈歩を出そうとしますが、あれっ? いつもならこれで出るはずなのに、出ない。なんか反応ニブめかも。

再度チャレンジしてもなんか出にくいなー、と感じたので、ちょっと外方を固めるためにサドルホルダー持ってみるか(と、最初の意気込みはあえなく崩れ去る)。
サドルホルダーを持つと、あっさり駈歩が出せました。発進で軽く蹴りが入ったみたいですが、でもそれ以上は跳ねることもなく、重めではあるけど順調に駈歩を続けることができています。でもこれ重いのって、私がサドルホルダー持っているせいで馬を抑えちゃってるんだよな。そろそろ離してもいっかなー、と思った瞬間に、ぽんと軽く跳ねられてしまいました。でもその1回だけだったから、離せなくはないんだけど。よし、次は離そう。

というわけで、次は右手前で駈歩。グースケは右手前のほうが落ち着いて駈歩してくれる(その分重めではある)ので、今回はサドルホルダーなしで駈歩しよう。外方拳を安定させないと駈歩が持続できないんだから、私がサドルホルダーを持っているつもりの位置で拳を安定(固定とは違うんだよな、これが)させてればいいんだ。
発進自体はあまり軽くなかったけど、落ち着いて駈歩できてるじゃないか。「そう、拳を安定させて、自分の腰を拳に向かって出す気持ちで」おっしゃ、この感じなら駈歩伸ばせるかも。長蹄跡のところで外方の拳をちょっと譲って内方を合わせ、座骨で前に出していくと、すこし駈歩が伸びました。ここのところ跳ねられてばっかりでちょっと腰が引けた駈歩をしていたので、伸ばせたのは久しぶり。

速歩でしばらく走らせると、駈歩のあとだからか、だいぶ馬がハミ受けの形になってきました。「グースケ、蹄跡外れて中に入ってきていいよ、蹄跡掘れてて固くなってるから。グースケは中で輪乗り」「え?」「今度は順次に駈歩するからね」「あ、なるほど」蹄跡を外れて内蹄跡に入ります。ちゃんと内方姿勢をとらせて、それからでないと受けないし、受けてないとたぶんいい駈歩ができないよな。もうちょっと速歩で、ハミ受けの練習がしたいような気もするけど。
「なんだったら駈歩しなくてもいいよ、輪乗りで速歩してても。そのほうがハミ受けの練習できるでしょ」あれ、O先生ったらどうして私の考えてることが分かっちゃったんですかぁ(笑)。
お言葉に甘えて、他の2頭が蹄跡で駈歩をしているのを尻目に、私は輪乗りで速歩をしていることにしました。せっかくそう言ってもらったので、これで受けさせられなかったらイカンよなぁ。「いつも言ってるけど、方向だからね。外方の拳を安定させて、ちょっとだけ内方の拳を自分の外方の肩に向かって控えてみて」と先生の言うとおりやると、「うん、それでもう70%は受けてるね」それでも70%だし(笑)。

「そこで1回だけ、軽くハミを左右入れ替えてみて」と言われ、普段はあんまりやらない(先生からも邪道と言われている)のですが、軽く左右交互に拳を握ってみます。すると、すとっとグースケの首がハミ受けの形になりました。「OK! ちょっと巻き込み気味だけど、受けてないより巻き込んでるほうが全然点数高いよ。今度はそれを維持するのも難しいからね、頑張って。内方脚の推進を忘れずに、座骨をまっすぐまっすぐ落としてついていって」
受けると重くなるのも確かで、きちんと脚を使っていないとすぐ常歩に落ちそうになる。必死でハミの感触を維持しようとしていると、わずか〜〜に、ハミを通してキリキリと歯軋りしているのが伝わってきました。あ、馬が集中しようとしてるんだ。
お、もうちょっとですっごくいい側方屈撓の形になるじゃん。「形にはこだわらなくていいからね」あ、バレました? でも内方脚をすごく頑張って使って、それを外方の拳で受けていくと、マジでいい形の内方姿勢ができてきた。今までグーちゃんに乗ってたなかで一番いいかも。

「じゃあそこで、輪乗りの手前を換え。左右入れ替えになるからね、そこでハミから逃げられないように頑張って」げっ。三湾曲と理屈は同じだけど、あれよりも内方・外方を入れ替えるインターバルが短いので、ハミから逃げられる自信がたっぷりあるぞ。
「そうそう。おお、頑張った! 逃げられなかったね」とO先生に褒められたのもつかの間、パッとハミから逃げられてしまいました。でもいつもと違うところは、逃げられてもすぐリカバーできたところ。「だいぶハミ受け分かってきたね」とO先生。いやー良かった良かった。
ほかの2頭が駈歩を終わり、蹄跡で常歩をしていましたが、私はもう少しこの感触を維持していたかったので速歩を続けます。「列へ」の号令で、他の2頭が馬場中央に入って停止したので、私は速歩のままもう1周して馬場中央へ。馬場を踏むときのつもりで速歩から停止、グーちゃんがくーっとバランスバックします。よしよし、いい感じ。

この日は1〜2回しかグーちゃんに跳ねられなかったし、Sくんにも「今まで見たうちで一番良かった」と言ってもらえたし、N子先生にも「後半ちゃんと受けてたね」と言ってもらえて嬉しかったです。馬にきちんと乗ろうと重うと一瞬一瞬やることがいっぱいあって忙しくて、すごく疲れるんだけど、今日の騎乗はなにより自分が楽しかった。ふふふ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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