←240鞍目 | 241鞍目・うさぎとび駈歩 (2005.3.12 あきる野・日の出乗馬倶楽部) |
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実は先々週の練習の翌日に足底腱膜炎とかいうものになってしまい、先週の練習は回避。私は中学生のときに足裏の靱帯をやっている関係で、足裏のアーチを支える機能がちょっと弱めらしいのですが、それで足裏の腱の周りに炎症を起こしたというものらしいです。 かかりつけの整形外科医が医学書を見せながら説明してくれたところによると、「急激なスポーツ、長時間の歩行、柔らかすぎる靴での歩行などで炎症を起こしやすい」んだそうです。急激なスポーツは当てはまらないとして、「柔らかすぎる砂地を長時間歩いた」というのは当てはまるのかな? 痛みが出る前日、腰の悪いI野先生のアシスタントで馬場を歩きすぎたのがやっぱりいけなかったのでしょうか…(笑)。 ま、それは余談として、炎症も少し治まったし、テーピングさえしていれば馬に乗ってもいいというお許しをお医者さまからいただいたので、今週はテーピングを巻いて日の出へ。いつものように11時の予約で、10時過ぎに倶楽部に到着して配馬表を確認すると、配馬はいつものグレイト。 N子先生を見つけたので、挨拶もそこそこに「先生、グーちゃん張ってる?」と聞くと、「大丈夫だと思うよ」ということ。でもまた駈歩したら跳ねられちゃうんだろうなー。でも乗るけど。 「グーちゃん淋しそうだったよ」「え、先週遊んであげなかったから?」「かもね」ほんとにそれくらい、あのグースケが私に心を許してくれているなら嬉しいんだけど。 急いで自分の準備をして、装備品を揃えてからグレイトの馬房へ。扉を開けたときには興味なさそうだったグーちゃんですが、その扉を結わえ付けている間(こうしておかないと、この馬房の扉は勝手に閉まってきちゃって馬をびっくりさせてしまうのです)、じーっと私のことを見ています。私のことが好きかどうかは知らないけど、私に興味はあるみたいだな、この子は。 無口をつけて馬繋場まで連れて行き(これがまた、無理に引っ張らなくてもちゃんとついてくるんだ)、馬着を脱がせて馬装。蹄の裏掘りは、左後ろを終わってすぐ右後ろに移ろうとすると蹴ることが分かっているので、グーちゃんが自分で納得して左後肢を下ろすまで待ってあげます。 ブラシをかけて装鞍を終えるとちょうどレッスン開始時間になっていたので、頭絡をかけて馬場へ。馬場の中央まで行くと、N子先生が踏み台を持って待っていてくれたので、補助してもらって騎乗します。 最近のグーちゃんは、馬装点検をまたずにふらふら歩き出そうとするので、N子先生に口を持っていてもらって馬装点検。最近はだいぶ前に出るようになってきたし、鞭持ってるといらんとこで跳ねそうなので、「先生、鞭なしにしてみてもいい?拍車着けてるし」「まぁいいんじゃない」ということで、せっかく持ってきた鞭ですが先生に預け、常歩で蹄跡へ。 今日のレッスンは相方のジュンヨーとの2頭部班。ジュンちゃんは先に蹄跡に出ていたので、先生の指示でその後ろへ。 「風邪ひいてて、今日はあんまり声が出ないんだよねぇ」というN子先生、あんまり遠くに行かないほうがいいのかなと思い、「私も道路側にあんまり寄りたくない、グーちゃん見るし」「そうねぇ、それがいいかも」ということで、道路側の蹄跡をショートカットするつもりだったのですが、相方が聞いていたのかいないのか、思いっ切り道路側の蹄跡に踏み込みやがったので、あんまりショートカットできなくなっちゃったじゃないか。 すぐに速歩〜軽速歩に移行。「グースカ、ジュンヨーなんかに置いていかれる馬じゃないはずだよっ。本来の歩度なら大差ないんだから」ジュンちゃんは体も大きく、前進気勢もあるほうですが、グレイトの本気の動きならそんなもんじゃない、はず。でもそんな動きを要求するほどの技術が私にはありませーん。 物見するかと思った道路側の蹄跡ですが、思ったほどは見ていないみたいで、少なくとも横っ跳ねはしない。「隅角でちゃんと前に出さなきゃダメでしょ」あ、隅角で半減却つかうの忘れてた。 速歩で半巻きの号令、ってことはもしかして?「帰りは斜め横足」あ、やっぱり。どうも私は斜め横足の扶助がイマイチよく分からん(理屈では一応分かるけど、体で分かってない)のですが、今回もやっぱり「グースカはできないわけない!」と怒られたので、できていないみたい。 「次の長蹄跡、同じ要領で肩内系の斜め横足」ってことは、後肢を蹄跡に残したまま、前肢を内蹄跡に入れる感じで横運動か。グーちゃんは手綱で操作しようとしても無駄なことはよく分かっているので、脚と座骨で内に入るフリをしといて内方姿勢を作ってから、自分の座骨を真っ直ぐにして斜め横足(のつもり)。 斜め横足を2〜3回繰り返したあとで、「じゃあ次は蹄跡使って腰内。今のがちゃんと出来てればできるはず」って、ちゃんとできてなんかないし〜(泣)。しかも腰内って、あんまりやってなくて下手だから、外方の拍車使っちゃいそうで怖いなぁ。外方を変に使うと、テキメンにグーちゃん跳ねるし。でも予想に反して1度も跳ねられず、先生にも怒られなかったので、少しは形になってたのかな? そういや前回グーちゃんかイレて大変だったとき、あとでN子先生が「そういうときは横運動するといいんだよ。馬が集中するから」と言ってたっけ。もしかして物見しそうなグーちゃん(しかも飽きっぽい)を集中させるための指示だったかな。 前肢旋回や各個巻き乗りなどの後、常歩から「順次に駈歩」の号令。前のジュンヨーが駈歩になるのを待って発進、半減却から座骨を使うと一発で駈歩は出るのですが、間をおかずグーちゃんがもぐって後肢をパカンと跳ね上げます。ふん、そう来るだろうと思って対処済みだ(=サドルホルダーに外方の拳をひっかけてある)から落ちないもんねーだ。彼の場合、跳ねる=駈歩の形にはなってるから、跳ねられつつも座骨でむりやり駈歩のリズムをとると、よっしゃ駈歩続くじゃないの。 10完歩に1回は跳ねられつつも、なんとか駈歩でジュンヨーについていきます。左手前だとけっこう前に出て行くグーちゃん、跳ねてる分不利なはずなのに、ジュンヨーを追い抜きかねない勢いで駈歩してる。すげぇなぁ。 最近力のついてきたグレイト、もぐる力も跳ねる力もけっこう強くて、サドルホルダーだけでは当然持ちこたえられるものではなく、腰(骨盤の前半分あたり)も張るし背筋でも持ちこたえようとするから、なんかさっきから腹筋も背筋も使いっぱなし。もしかして持ちこたえようとするあまり、背中が固くなってるのか? と思ってちょっと腰(後ろ半分)の力を抜いてみますが、大差ないや。 ロデオのようになりながら駈歩を続けていると、N子先生が「グーパー忘れたの!?」あ、そうだった。以前N子先生の師匠であるY先生に習った、足指グーパー。ブーツの中で、馬の歩様に合わせて足指をグーパーさせることで鐙が安定し、余計な拍車を使うことがなくなるらしくて、以前に駈歩で荒れかけたコスモがすーっと落ち着いてくれたことがあるのです。 そうか、あれやればグレートも落ち着くかも、と思ってブーツの中で足指をグーパーさせてみますが、なんだかうまくいかない。つま先が冷えててうまく動かせないってこともあるけど、やっぱりテーピングを巻いている左足のほうはぜんぜん動かせません。 「鐙が深いから拍車か当たっちゃうんだよ」確かにグーパーがうまくできるときは鐙が浅く、でも安定して踏めるのだけど、今日はもう全然ダメだぁ。 それでも必死に駈歩でついていっていると、馬場の外からO先生が「前傾気味だよ」という声がしました(もしかしたら幻聴だったかも)。あ、そっか。私が肩を開いて、ひじを引いて乗っていないと、もっと跳ねちゃうばっかりだ。 跳ねるからと言って脚を使わないでいると、速歩に落ちそうになってしまいます。いいから走りなさいよ、くそ、跳ねたって知るか。速歩に落ちた一瞬、内方の脚と座骨をぐっと押し込むと、1歩で駈歩に戻りました。「よし、うまい!」とN子先生。自分でも、グーちゃんで速歩から駈歩への移行は苦手なので、できてホッとしました。 グレイトは右手前だとちょっと重くなるので、こっちは大丈夫かと思えばやっぱり跳ねる。まぁ左手前のときよりは跳ねる回数が少ないので、駈歩を続けるのはちょっとは楽だけど。 駈歩のまま各個に巻き乗り、巻き乗りへの進入はそれほど難しくないグーちゃんですが、ここは間違って拍車を使ってしまいやすいところ。必死で座骨と騎座しか使わないようにしていたら、案外跳ねられずにすみました。 要は脚の使い方なんだろうけど、少し前にN子先生から「KYOKOさんの騎乗の唯一の欠点はね、くるぶし使えてないこと。あと、それがちゃんと使えれば、馬がばっちり動くようになるよ」と言われたのですが、ふくらはぎとくるぶしと踵を別の生き物のように使うということは、かなり難しいです。 でも何度目かの駈歩巻き乗りのとき、やっぱりやってしまいました。ぐいっと頭をもぐらせてから(逆に言うと、これがあるから私は瞬間的に準備ができるのですが)、グレイトがぱかーんと両後肢を蹴りあげました。腰を張ってこらえようとした拍子に右の鐙が外れてしまい、ついでに騎座も浮いてしまい、落ちるかなーと思ったのですが、サドルホルダーを持っていたおかげで浮いた騎座がもとのところに治まり、落ちずにすみました。でももう少しで、巻き乗りの中央にいたN子先生を蹴り殺すところだった(どきどき)。 さすがにN子先生も「今のは落ちるかと思った」と言っていたし、騎乗後に「よく落ちなかったねぇ…」とみんなが口を揃えて言ったほど。あとでN子先生が言うには、「口を固くして『前に行け』って言ってるから、馬がどうしていいか分からなくて跳ねるんだよ」ということ。ってことはやっぱり、サドルホルダーを持っている弊害だと言えるのかな(先生にはそこまでは言われなかったけど)。でもサドルホルダー持ってなくたって跳ねられることもあるし、卵が先なのか鶏が先なのか。 「ジュンヨーは速歩、グーちゃんはそのままー」う、駈歩のままってこと? と迷った瞬間、速歩に落ちてしまいました。「あーもう、駈歩だってば。もういいや、速歩でついていきな」あ、ジュンの速歩と同じ速度にまでつめた駈歩をさせたかったのか。先生の期待に添えない私でごめんなさい。 軽速歩で、「じゃあ手綱全部伸ばしちゃいな」あれ、確かグーちゃんでそれやるときには、手綱を首から離すなって言われた覚えが。で、前にやったときには手綱をたてがみの上でクロスさせて首から離れないようにしたので、軽速歩をしながら伸ばした手綱をクロス。 「そんなことしないで、手綱の真ん中だけ持ってればいいでしょ。手綱を交差させると、き甲を制限しちゃうから馬が前に出にくくなるの」あれ、そうなの? じゃあ前のは何だったんだ、と思いながら左右の手綱を平行に戻して全部たらし、中央の繋ぎ目とサドルホルダーをまとめて拳に握っておきます。あとで考えたんだけど、以前手綱を首から離すなと言われたときの私と今の私、たぶんグレイトへの慣れの差なんですよね。手綱を伸ばさせる目的が前と今では違うのかもしれないし。 「ほら、悪さしないでしょ。前持たなきゃ跳ねもしないんだよ」ハミを離して軽速歩をすると、グーちゃんの速歩のピッチが上がります。もっともっと、と私も軽速歩のピッチを上げると、グーちゃんのピッチもまた上がる。でもそれでも安定感があって、確かに悪さをしそうな感じはなく、むしろ駈歩のときよりも今のほうが一体感があるくらい。 そのまま数周して、常歩。「各個に右へ」の号令がかかったので、手綱をまとめながら馬場の内側に入り、中央で停止。脚を使いながら停止すると、四肢の動きが止まったあとに、ぐーっと騎座ごと後ろに引っ張られるような感覚があり、あれ、後退されちゃうかな? と思ったところで止まりました。 「グーちゃんは停止よし。…けど、もうちょっと受けさせな」N子先生は馬の足もとだけチェックして、私の停止にOKを出したのですが、確かに馬の首が上がってしまっていて、ぜんぜん受けてない。もう1歩馬を前に出したところで停止しなおすと、さっきよりはマシな感じに。 このぐーっと後ろにもっていかれるような感覚、これまでにも何度か感じたことがあるのですが、あとでO先生に話してみると「そうだね、馬がきちんとトモを入れて停止するとそういう感覚になることがあるね、正しいと思うよ。そういう停止ができていれば、そこから一歩で駈歩発進もできる」と言われました。そうか、そうなのか。この感覚があったのはグーちゃんとロゼッタ(曲がりなりにも馬場馬の調教が入っている)だけなので、やっぱりできている馬は違うということか。 そのあと、グーちゃんにはSさん(お手伝いスタッフもやっていたことのある人で、相当うまい)が乗っていましたが、その後になんだかN子先生が、うちの相方に「KYOKOさんは貴重な存在だ」とか言っています。なんなの? と相方を問い詰めてみると、「乗りがやわらかいし、馬に無理をさせず、でもきちんと乗るから下乗りさせるには最適の人材」みたいなことを言ったらしい。でもほんとのところは、私が数え切れないほどグースケを跳ねさせたので、次にSさんが乗るときにはもうグーちゃんが跳ね飽きてて跳ねなかった、という効果があったということらしいです。ぶー。 |
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