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(2005.1.20 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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いつものように土曜に予約を入れておいたのですが、その日の天気予報は朝から雪。翌日の日曜は晴れの予報だったので、13時からの予約を取り直しておきました。
ところが翌朝起きてみると、小雨が降っています。でも自宅付近と日の出の天気が違うことはよくあることなので、行けば乗れるだろうと軽く考えて出発。武蔵増戸駅に降り立つと、雨はしっかり降っていました…(泣)。
でも往生ぎわの悪い私達、ちょうど駅で会った日の出友達のKさんとともにタクシー捕まえて日の出へ。到着して配馬表を見ると、みんな昨日乗れなかったせいか、予約はパンパンにいっぱいでした。そんなわけで私の騎乗馬はいつものようにグレイト。彼は半自馬だということもありますが、ちょっとクセがあるので、割とそのクセを知っている私に配馬しやすいようです。

なんだかまだ小雨がやまないけど、11時に予約していた人たちはばっちり乗っています。私は13時からですが、グレイトは2日出ていないので、軽くN子先生が下乗りしてくれることになりました。そうすると30分前に馬の準備が終わっていなければいけないので、装備品を準備しているところにSさんが鞍を持ってやってきました。彼は私の次の時間に続けてグーちゃんに乗る(しかも今日がはじめて)のですが、「KYOKOさん、よかったら僕の鞍使う? どうせ次にすぐ僕乗るし、乗せ代えるのも面倒でしょ」「マジで!? もちろんお借りしたいわ!」何しろ彼の鞍はパッシェGG、エクストラディープシート。とんでもなく座りやすい馬場鞍なのです。
私が現金にもニコニコしながらクラブハウスに戻ったので、N子先生が「どしたの?」「Sさんが鞍貸してくれるってー」「ホント? あの鞍ならいっぱい下乗りしたげる、早く出してきな」って、先生もそうとう現金だし。

12時半に先生に乗ってもらうため、すこし早めに飼いを与えられているはずのグレイトのところへ、12時20分ごろに行きます。わりとゴハンを食べるのは早いほうだと聞いていたので、もう食べ終わったかな。私に気づいて、こっちをじーっと見てるグーちゃんに「グーちゃん、もう食べた?」と聞きながら扉をあけると、飼い桶の中にはまだ少し中身が残っていました。「じゃああたしトイレ行ってくるから、もう少し食べな」と言って扉を閉めると、また飼い桶に口をつけるグーちゃん。しばらくして戻ってみると、まだ飼い桶は空になっていませんでしたが、どうも私が声をかけたので気が散ったみたいで、もう食べ飽きたみたい。すまんね。ほとんど食べてるし、ここで中断させても大丈夫と思い、無口をつけたら素直についてきました。
馬繋場につないで馬着を脱がせ、蹄の裏堀りとブラシかけ。グーちゃんは左後肢を裏堀りしたあと、軽く蹴るクセがあるんだけど、これも少し待ってやれば蹴らないことが分かってきた。それでも蹴られたら蹴り返すけど。

馬装を終えたところでN子先生が来たので、一緒に馬場に出ます。あらかじめ「鐙はKYOKOさんの長さでいいよ」と言われていたのですが、騎乗したN子先生が「これ短くない?」「えっそう?」「たぶん短いよ」N子先生と私の鐙の長さは、先生のほうが1穴長い(と言っても、私にとっては長め、先生にとっては短めかなってくらいのところがそこ)。確かに先生の乗り姿を見たら、鐙が2穴くらい短かそう。ってことは私にとっても、1穴短いくらいだったかも。下乗りしていた先生、ついに鐙が邪魔になったらしくて脱いでしまいました。

Sさんの鞍が座りやすいので、なんかニコニコしながら乗っているN子先生。他の馬の下乗りもしなければならないので、レッスン開始10分前を切ったころに「KYOKOさん乗りな」と声がかかりました。
踏み台を持って馬場に入り、騎乗してみると「あ、やっぱ短いわ」「でしょ?」1穴鐙を伸ばして、レッスン開始まで少し時間があるので、とりあえず常歩をしていることにしました。
雨はほとんど止んでいて、これなら1時間もってくれるかな。この時間は3つのレッスンが同時進行するので、馬場が3つに仕切られています。そのうちの真ん中の馬場で常歩をしていたら、N子先生が「あっちの広いほう出てれば?」と、隣の馬場を示しました。その馬場ではO先生がまた別の馬の下乗りをしていたので、「邪魔になんないですかね?」「大丈夫でしょ、グースケも他の馬気にしないし」ということで、O先生にも「そっち入って大丈夫ですか?」と確認をとってから、隣の馬場へ。

「前に出るようにしといたから、抑えないで乗んな」とN子先生に言われていたので、とりあえず常歩で前に出し、ハミを意識させるようにします。
半減却で速歩になる寸前くらいの常歩を指示したつもりが、タッと速歩になり、頭を上げて加速しようとします。前進気勢があるとか、そういう雰囲気の動きではない。なんかおかしいので停止しようとしても、妙な手応えですぐには停止せず、頭を振りながらようやく停止。おかしいな、指示した以上のことをする馬ではないのに、今のはなんか馬が慌ててた。何かに驚いたのかな?
「どうした、大丈夫? イレこんだ?」と、別の馬に乗っているO先生が声をかけてくれました。「なんか馬が慌ててます」「だよね、驚いたんだね。今のは僕でも危なかったかも」という先生の馬もパタパタしていたみたい。どうやら、自馬会員さんが外乗に出るのに、馬場の出口(左図でいうと馬場上辺の中央、開いているところ)から駐車場まで駈歩で下りていったため、グレイトはそれにびっくりしたようなのです。

落ち着くまで軽く常歩をさせようとしたら、またダダッと速歩になって加速しようとします。なんかこれ、やばくないか。N子先生が下乗りしていたときには落ち着いていたようなのに、なんでこんなことになっちゃうのよ(あとで聞いたら、ちょうどそのとき、その自馬会員さんが忘れ物をしたとかで、いったん駈歩で戻ってきたらしいです)。
グレイトが馬場の出口をイヤがっているようなので、とりあえず常歩で安全そうな真ん中の馬場へ。O先生の乗っていた馬もヤバそうだったらしく、同じく真ん中の馬場に入ってきています。馬がピリピリしてしまっているようで、なんかイヤなかんじだなぁ。
でもこの真ん中の馬場は他のレッスンで使うので、いずれにせよ私は元の道路沿いの馬場へ出なければなりません。常歩で元の馬場に戻ろうとすると、グースケは立ち止まり立ち止まりして、なかなかそっちに出ようとしません。この子がこういうことをするのは珍しいので、かなりイヤなんだろうなぁ。でも出てもらわないといけないので、軽く鞭を使って歩かせ、さっき嫌がっていた馬場の入り口へ。しぶしぶそこまで歩いたグレイトを停止させ、「ほら、何もないよ、大丈夫」と首をたたいて愛撫し、馴致しておきます。

ほとんど雨はやんでいます。ぼちぼち他の馬も馬場に出てきたので、蹄跡に出て常歩しますが、グレイトがどうも挙動不審。馬場の出口の辺りに差し掛かったとき、ちょうどクラブハウスに向かって車が入ってきたと言っては横っとびし、それ以降そこを通るたび、何度見るなと言ってもじーっと馬場の外を見てる。
いつのまにか私の後ろに他の馬がついていて、先頭になっていましたが、馬場に立ったO先生が「KYOKOさん、どう? 先頭立てそう?」と聞いてきました。「ビミョーですね、けっこうキョドってます」私の後ろについているのはジュンヨーなんだけど、ジュンちゃんはけっこう前進気勢のある馬なので、すぐ後ろにくっついちゃった場合、今日のグースケなら間違いなく蹴飛ばすだろうし。
「じゃあグースケ2番目に入ろうか」という先生の指示で、巻き乗りしてジュンヨーを先頭に行かせ、自分は2番目に入ります。ほかの馬が前に入ってくれれば、ちょっとは落ち着くんじゃないかと期待したいが。

先生の号令で軽速歩に移行。でも馬場の入り口近くではいちいち挙動不審になるので、軽速歩するのイヤな感じだなー。軽速歩でお尻を持ち上げたタイミングで横っ飛びされたら、確実に落馬しちゃうじゃないの。はっきり言って不安なので、軽速歩をやめて速歩。グレイトの場合は座っていることが全然辛くないし、そのほうが馬が落ち着くような気がする(これはたぶん気のせいだけど)。
O先生も分かってくれたらしく、「できる人は軽速歩じゃなくて速歩でもいいよ。でも軽速歩でリズムを作ることも大事だからね」と言います。それは確かにそうだ。でも馬場の入り口付近ではやっぱり不安なので、そこだけは速歩で、鏡側の安全そうなところだけ軽速歩。
調子が出てくると、先頭のジュンヨーはもともと飛ばし屋だし、グレイトも下乗りのおかげかどんどん前に出て行くので、後ろの馬がついてこなくなりました。あらら。

ハミに対してシビアなグレイトですが、今日は頭を上げたりはしないけど、どうも口がうるさい。なんかイライラしてるのかなぁ。普段だと外方の拳をきちんと持ってあげて、内方をすくうようにして合わせるとすっとハミを受けるはずなんだけど、今日はどうも気が散っている感じ。
頭を上下に振るのは、ハミを意識してる証拠でもあるそうなので、以前N子先生にならった方法で対処。いわく、「馬が口をつっかけたら、どうせ力でかなうわけないんだから一度拳を前に出して、持って行かせなさい。その後すかさず、上にふわっと持ち上げて戻すの」これはきっと、N子先生や私くらいの体格ならではの対処法だと思うのですが、これをやると確かに1度はやめてくれます。
でもまた物を見たりして横っ飛びしたりして、頭振られちゃうんだけど。

いったん止んでいたと思っていた雨が、またぽつぽつ降り始めました。天気が悪いと馬は機嫌悪くなりがちなものだけど、今日のグーちゃんはなんかいちいち物を見るので、横っ飛びした拍子に拍車刺したりしたら収拾つかないな。
常歩にしたときに「先生、拍車外していいですか?」と聞いてみます。「いいよ、じゃあ一回中に入ろうか」ということで、馬場の中央へ。「まだ拍車当たるかな?」「当ててるつもりはないんですけど、ずいぶん今日は過敏な感じです」ずっとグレイトに乗っていて、拍車をつけていても使わないようにはなってきたんだけど、何かの拍子に当たった場合の対処が今日の感じだと難しそうだ。このまま駈歩したら、間違いなく跳ねられる。

隊列に戻り、「先頭から1頭ずつ駈歩」という先生の号令で、先頭ジュンヨーから駈歩。げ、跳ねられやすい左手前からかぁ。まぁこっちでちゃんと駈歩できれば、右手前は楽だろうけど。
ジュンヨーが駈歩し終わったので、次は私とグレイトの番。軽く半減却を使い、内方の座骨で推すと、すぐ駈歩が出ました。すげー、私まだ脚使ってないよ。
「さすが1歩で出したね」と先生に誉められたのも束の間、「でもなんかイヤな感じですねこれっ」もう2歩目にはもぐって跳ねてる。グーちゃんの場合それでも駈歩を続けることはできるんだけど、3回も立て続けに跳ねられるとさすがにイヤになる。「先生、やめてもいいですかっ」「いいよ、無理しないで」ということで駈歩をやめ、最後尾へ。とは言ってもこの時点で、ほとんど1周していたので、すぐジュンちゃんの後ろに入れました。

全頭が駈歩を終え、隊列を元に戻して速歩。半巻きして手前を換え、右手前にしたところで、倶楽部の側の道路まで件の自馬が帰ってきたのが見えました。だいぶグーちゃんが落ち着いてきたのに、あの馬が馬場に駈けあがって来でもしたら(またこの人馬は、よくそういうことをするのです)、またグーちゃん荒れちゃうかも。
先生に彼らが帰ってきたことを告げると、「分隊、常歩。グースケ、あっちで常歩してていいよ」と言ってくれたので、隊列を離れて馬場の入り口が見えないところにいき、常歩。
しばらくして馬繋場に入ったらしく、列に戻るよう指示がありました。今度はさっきと違って最後尾へとの指示。グースケ跳ねるから、最後尾のほうが他馬に迷惑かけなくていいかも。

速歩で輪乗りや巻き乗りをしていると、前にいるJRがいちいち私達を見ているような感じ。JRよりもグレイトのほうが前に出ているので、輪乗りや巻き乗りではJRのお尻の外側を回るようにしているのですが、JRはわざわざ外を向いてまでこっちに視線をくれています。
何度目かの巻き乗りに入ろうとしたとき、JRがいきなり後肢で蹴りあげてきました。当然びっくりしたグーちゃんが立ち上がり、ちょうど蹄跡に戻ろうとして私の後ろにいた先頭ジュンヨーまでびっくりさせてしまいました。そういえばJRって、他馬に後ろにつかれるのがキライな馬だった…。
しかもだんだん、雨が強くなってきました。上半身はナイロンキルトを着ているものの、腰から膝までびしょびしょ。

しばらく速歩して落ち着いたころ、今度は右手前で1頭ずつ駈歩。グレイトは常歩からきちんと歩かせていないと駈歩がでにくいので、待っている間はさくさく歩かせるようにします。
前のJRまで終わったので、最後は私の番。さっき座骨だけで駈歩が出せたので、今度も半減却、内方の座骨で推進。お、成功。さすがグーちゃん。
でも3歩目にはやっぱり跳ねられ、跳ねながらも駈歩はするんだけどウサギ跳び状態。「無理して続けなくていいよ」と先生が言ってくれたので、半減却を使って速歩にしようとしたのですが、歩度はつまったものの駈歩をやめようとしません。普段のグレイトなら、外方脚の位置を戻すだけで駈歩をやめるのに、これがグレイトなりにイレこんでるってことなのかなぁ。
前の馬に追い付いたところでぐっと鞍に座り込むと、やっと速歩に落とせました。それにしても、これだけ跳ねられても落ちる感じがしないのは、鞍がいいせいではないかしらん。さすがパッシェGGエクストラディープシート。

どうにかこうにかという感じで、ようやくレッスン終了時間。いやー、今日のレッスンは長く感じたなぁ。
N子先生に言わせると、グレイトは最近力がついてきたし、肢が痛かったのも改善されてきたので、今までできなかったワガママができるようになってきたんだそうです。しかも私の場合、ウエイトがないので馬が跳ねやすいらしい(泣)。そういや最近、口もうるさいし。
まあ跳ねられてもワガママされても、グーちゃんに乗ることはそれを上回るおもしろさがあるので、乗るのをやめようとは思わないんだけど、過敏な馬に乗るのはそれなりに疲れます…。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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