←233鞍目 | 234鞍目・だいぶ受けてきた (2005.1.22 あきる野・日の出乗馬倶楽部) |
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今週末は、日の出の仲間たち有志で新年会キャンプ。日の出のすぐそばにキャンプ場があるので、そこのロッジに泊りがけで新年会をします。 今回は(珍しく)幹事ではないので、ゆっくり乗ることにしました。試合も近いので、久々に馬場のレッスンを16時から入れてあります。倶楽部に着くと、やっぱりこういうイベントがある日は予約もいっぱい。私の騎乗馬は今日もグレイトですが、馬が足りなくなったので急遽グーちゃんを15時から部班に出すことになりました。N子先生が、「悪いんだけどグレイトの馬装、KYOKOさんやってくれない。あれ初めての人には馬装難しいから」「いいけど」ということで、グレイトを14時半に迎えに行きます。今日15時から乗るのは初級の人なので、馬装のときに蹴ったり、がちゃがちゃうるさいグーちゃんは難しいだろうという判断のようです。それにしても私、すっかりグレイトのお世話係になってるな。 なんだか以前は、馬房に入ろうとするとお尻を向けようとしたり、無口をかけようとすると頭を上げてしまったりと、心を許していなかった感じのグレイト。さすがにここのところ毎週乗っているので、扉を開けながら声をかけると、私のほうをじーっと見て、入ってくるのを待っているようになりました。しかも、軽く鼻を寄せてきさえする。どうもこいつは、心の扉を開くのにすっごく時間がかかるような気がする(「日の出に来る前が、愛が足りなさすぎたんだよ」とはあーちゃんの分析)。 馬繋場に連れ出し、蹄の裏掘りをしてから馬着を脱がせます(この順序が、私がグースケを甘やかしていることの証)。軽くブラシをして装鞍。これからグレイトに乗ることになっている初級のTさんが、不安そうな目で見ているので「この子基本的におとなしいし、物も見ない(本当は見るんだけど、見ても行動に移さない)し、こっちが何もしなければ何もしないから大丈夫よ」と言ってあげると、「N子先生と同じこと言う〜。何もしないってどんなことか分からない」そりゃそうだ、失礼。 15時50分、前のレッスンが終わると同時に、N子先生の指示でグレイトに乗り代わります。グレイトは筋肉が固まりやすいのか知らないけど、体を冷やすとすぐ跛行を出す馬なので、レッスン開始時間には早いけどすぐ乗って動かすことに。 正式には私のレッスンは16時からですが、どうせこれから馬場の設営に入るので、レッスンが開始されるまで20分くらいあるはず。N子先生に「自分で馬直しな」と言われているので、初級レッスンでだらけたであろうグレイトを、常歩でちゃんと歩かせ、受けさせることに専念。 もともと初心者用に小さく区切られた馬場(20×20m程度)の中で、速歩ぎりぎりの常歩でしばらく歩かせ、速歩に移行。軽速歩と速歩で前に出していきます。クラブハウスのほうから、「もっとトモ入れさせな」とN子先生の声。「はい」とは答えたものの、具体的にどうやるんだろ。とりあえず前に出して、鞭使うくらいしかできないなぁ。 そろそろ駈歩もやっとくかなー、と思って常歩に落とし、かるく駈歩発進をしてみますが、失敗して速歩になってしまいました。と、クラブハウスからN子先生の声が「駈歩やってみなー」げ。 常歩に落として、落ち着いて駈歩発進すると、今度はスムーズに出ました。でも重いなぁ。右手前の駈歩で輪乗りをしていると、「輪乗りで駈歩伸ばして」とN子先生。うげ、よりにもよって重い右手前でですか。 鞭で前に出したいところだけど、駈歩で鞭を入れるとこの子は間違いなく跳ねる。拍車を入れても同じことだし、騎座と座骨で伸ばすしかないのか。しかし全然伸ばせず、右のふくらはぎがつりそうになったころ、N子先生が馬場に出てきました。 「貸してみな、乗ってやるから。そのかわり後で大介(先生の自馬)の肢、洗っといてくんない?」「うわはは、どんな交換条件ですか、そりゃ」下馬して、N子先生に乗ってもらいます。「でもさ先生、今日は(馬の)頭は上がってなかったでしょ?」「確かに頭は下がってたけどさ、全然受けてないぜぇ」あら、下げてるだけでしたか。 「ほら見てごらん、輪乗りだって充分伸びるでしょ」と私の周りで駈歩をするN子先生。先生が駈歩のままがんがん巻き乗りをするので、輪乗りの中心にいた私はマジで1度轢かれそうになりました。まぁ、馬場に立っていて馬の動きを読めない私のほうが悪いわな。 そのまま見ていると、グレイトが首をぐっともぐらせました。あ、跳ねる。あれはグーちゃんのクセで、拍車や鞭が気に入らずに跳ねようとするときは、まず首を深くもぐらせるのです。ところがその後、跳ねようとしたはずのグーちゃんが跳ねるのを止めてしまいました。あぁ、これが先生の乗りなんだよなぁ。グーちゃんは確かに跳ねようとしたんだけど、座骨だか騎座だかで先生が押さえ込んでしまったに違いない。 N子先生が「いいよ」と言うので、踏み台を持ってもう一度グレイトに騎乗。あ、さっきより動かしやすくなってるかも。周りではぼちぼち馬場の準備が完成に近づいているので、それまで馬場の中を速歩で馬を動かします(ここで常歩したりすると、せっかくN子先生が動かしやすくしてくれたグレイトがまた固まっちゃう)。グレイトがわりとあっさり受けてくれました。やっぱ先生に乗ってもらうと違うな。 馬場の設営が終わり、「KYOKOさん、自分でいいと思ったら経路始めていいよー」とN子先生の指示があったので、速歩でいったん待機馬場(というか、A点側にできた隙間)に出ます。そのまま巻き乗りしてA点に入ろうと思ったのですが、方向転換の狙いを失敗して、このままではまっすぐ入場できそうになかったので、もう一度巻き乗りして入場。 X点まで直進し、停止・敬礼。C点の外に立っているN子先生の答礼を受けてから発進、でも2歩ほどたらたらと常歩が出てしまいました。「一発で速歩でしょっ」とN子先生に怒られつつ速歩を出してC点へ。右手前で蹄跡に入り、「隅角甘いよっ」と言われつつ斜め手前変換、この線上は何がなんでも伸びて欲しいところなので、跳ねられるの覚悟で鞭を使います。あ、跳ねずに伸びた。使い方次第なんだな、今のは成功だったらしい。 次の3湾曲、ハミ受けを意識して乗っていると、以前にO先生が「ハミの入れかえ」と言っていた意味がよく分かる。グレイトの場合、ハミを受けさせることは「外方を支点にする」ということなので、3湾曲で外方と内方が変わるたびに「こっちが外方よ、こっちは内方よ」と教えなおすという感じ。また、そういう気持ちで乗っていると、グレイトが簡単についてきてくれるんだ。 次の長蹄跡は、ちょっと半減却を使うだけでぽんと伸びてくれました。部班じゃ絶対こんなに伸びないくせに、馬場だと分かると自分から伸びていく、グーちゃんプロだねぇ。 A点で常歩に落とし、F点で斜め手前変換とともに手綱を伸ばします。「そこで頭上げられないように、ちゃんと前に出していけ」蹄跡に入るあたりで手綱を詰めると、やっぱり今までと同じようにグレイトがハミから逃げて頭を高く上げましたが、そのままにはしておくもんか。「そうそう、外方が先、それから内方教える」なんというか、外方の拳を安定させたら、そこに向けて内方の拳ですくい上げるっていう感じで、なんとかC点直前で受けてくれました。 それでもちょっと遅かったみたいで、C点からの駈歩発進には失敗。巻き乗りしてやり直し、C点から駈歩発進。あぁ重いな、右手前だもんな。輪乗りからC点で蹄跡に入り、隅角を拾って長蹄跡へ。行け、と外方の拳と座骨で軽く合図したら、これもぽーんと伸びました。うわすげー、あんたほんとにプロだねぇ。 斜めに手前を換えてX点で速歩、蹄跡に入るところで常歩…しまった、ちょっと早かった。左手前でC点から駈歩発進、なんかこれも馬に行かれた感じで、私が思っていたよりも少し早かったかも。 輪乗りから蹄跡、長蹄跡で中間駈歩。やっぱり左手前のほうが伸ばしやすいな。駈歩のまま斜めに手前を換え、X点で半減却を使って速歩、蹄跡で常歩。常歩で蹄跡行進して、C点から速歩…っておいおいグーちゃん、まだだって。「控えが足りない、ちゃんとC点まで抑えて」C点から上方移行だって馬が知ってるから、それをいかにぴったり持って行くかだよなぁ。 E点で半巻き、G点まで直進して停止、これもG点よりちょっと早かった。 「まぁ、大体いいんだけどね」「えーと、一応経路は忘れてなかったですけど、私隅角甘くなってますよね」「そう。それと、腰の据えがまだ甘い。腰の据えが甘いから、C点で馬が先に速歩しちゃうんだよ、そこまでちゃんと座骨で抑えとくの」なるほど、腰の据えね。N子先生はそれがちゃんとしてるから、グレイトが跳ねようとしても跳ねさせないことができるんだ。私は跳ねられてるっていうことが、それがちゃんとしてない証拠。 「どうする、もう1回やる?」「はい、もう1回だけ」「よし、じゃあ今度は最後の集中力で、気合い入れていきな」「はい」 待機馬場に出ると、O先生が「だいぶハミ受けつかめたね」と言ってくれました。よーし、この調子で2度目の経路はがんばるぞ。 A点から入場、半減却を使ってX点まで速歩を前に出すように、X点で停止。今度は一発で速歩発進、C点で隅角を拾う努力をして蹄跡へ。斜め手前変換、今度は鞭を使いませんでしたが、ちゃんと伸びた。馬が覚えたな。 手綱を伸ばした常歩では、「いきなり離すんじゃなくて、ちゃんと馬の肩の出に合わせて譲っていきなさい」と言われるとおりにして、頭を上げられることなく蹄跡へ。でも手綱を持ち直すときにまた頭を軽く上げられ、すぐ直すことはできましたが、駈歩発進はちょっと遅れてC点をちょっと越えてしまいました。でも長蹄跡ではきちんと伸びてくれました。 両手前の駈歩が終わったあと、最後のC点速歩発進では、さっき言われたとおりに座骨で押さえ込むようにして、C点まで維持でも速歩を出させないようにします。そうやってC点で出た速歩はけっこう良くて、E点で半巻きしてX~Gまで直進、停止して敬礼。 「じゃああとは整理運動で、しばらく好きなことしてから馬上げていいよ」じゃあ何しようかな。今手綱を伸ばしてしまったので、そのまま手綱を使わずに速歩でもしようかと思ったら、N子先生が「だいたいね、その手綱伸ばした状態でも、速歩でも駈歩でも安定してできるよ、その馬。試しにやってみ、そのまま輪乗りで駈歩」え。 「えーと…外方は持ってもいい?」「いいよーん」外方の手綱をごく緩く張って馬の首に当て、内方は完全にだらんとさせて、駈歩発進を試みます。手綱を使わず、半減却、騎座で発進と。ありゃ、速歩になっちゃった。常歩に落として、もう一度。今度も速歩が出てしまったので、もう一度常歩に落としてきちんと歩かせ、駈歩発進。お、出るじゃん。 グーちゃんは、ハミを持っていないからと言ってがーっと前にいくような馬ではなく、やっぱり出した分しか前に出ないんだな。座骨と脚だけで、安定した駈歩をしていられる。長蹄跡にあたるところだけ、さっきの経路の記憶があるらしくて駈歩を勝手に伸ばそうとしますが、それもそこを過ぎればすっと詰まるし。いやー、おもしれぇなぁ。 昔は手綱を持たないということが恐かったものだけど、最近ではむしろ、座骨と脚に集中していられる面白さがわかってきた。 常歩に落とし、手綱を完全に全部伸ばします。「じゃあ今度はそのまま速歩にして、座骨と騎座だけで輪乗り」と言われ、速歩発進。ハミを離した状態で輪乗りを正確にやるためには、外方の壁は脚でしか作れないな。 手綱を完全に伸ばしているときに跳ねられるとイヤなので、外方の拳を軽くサドルホルダーに引っ掛けておいたのですが、「それ少しずつでいいから離してごらん。大丈夫、安定してるから」と言われ、サドルホルダーを完全に手から離してしまいます。 それで速歩をしているうちに、内方の座骨と脚、外方脚の位置がハマってくると、輪乗りが楽にできるようになりました。このままずっと走っていたいくらい、馬がぜんぜん輪線から外れる気がしない。「ほら、安定してるでしょー」「はい、調馬索してるみたい!」 そのうちに、何かの拍子でイレギュラーが入り、騎座がぽっと外れてしまいました。すぐ座り込んで戻しましたが、いやー、外れて初めてわかる、さっきまでちゃんと騎座がはまってたんだ。 「じゃあ次はね、途中で座骨を真っ直ぐにして、輪乗りを換えてみな。座骨だけで換えるんだよ」また難しいことを簡単に言ってくれるし。輪乗りを換えるときは、輪の中で巴模様のようにS字を描かなければいけないので、まず内方の座骨と脚を強めに使って、少し輪の中へ入れてあげます。そこから内方と外方の座骨を同じ強さで水平に使い、次に内方と外方を入れ替える、と。「ほーらできたじゃん」「ほんとだぁ」。 このあとは本当に常歩で沈静化。「でもさ、だいぶハミ受け分かってきたね」とN子先生。「って言うかね先生、私今まで内方と外方がちゃんと区別できてなかったみたい」「そう、そこなのよ」。 そのあとはグレイトを馬繋場に上げて手入れ。すでに他のメンバーはキャンプ場で仕込みに入っています。私も今日の騎乗では面白い思いができたので、浮かれ気味で新年会に参加し、少し飲み過ぎました(笑)。 |
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![]() ↑日の出乗馬倶楽部の見取り図 (緑字:貸与馬、青字:自馬) |
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