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(2004.9.4 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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土曜日、土砂降りの音で目がさめました。今日は10時の予約をしているのですが、どうせ乗らなくても日の出に行く用事はあるし、自宅と日の出の天気が違うことは往々にしてあることなので(日の出は山の天気だから…)、とりあえず出かけることにしました。出かける時間にはほとんど止んだし。
武蔵増戸駅に着いてみたら、やっぱり雨の降った形跡すらありませんでした。配馬表を見ると、相方はジュンヨー、私はロッキー。ここのところ、私がジュンヨーに乗ることが多かったので、この配馬は珍しいかも。と思ったら、N子先生が「今日は私が配馬したからテキトー」だそうです(笑)。

9時半ごろ、装備品の準備をしてからロッキーの馬房へ向かいます。扉の外から声をかけると、ロッキーちゃんはお尻を向けていましたが、慌てて体の向きを変えて顔を出してきました。この子はやる気がないと見向きもしてくれないので、これならまぁ大丈夫だろう。
馬房に入って無口と引き手をつけ、ロッキーを連れて馬繋場へ。蹄の裏掘りをして、ブラシをかけはじめてみると、いやーこの子は小さいなー。ここのところ大きい馬ばっかり相手にしていたから、馬の背中ごしに向こうが見えるということにびっくり(いや、ロゼッタならもっと小さいんだが)。
この子はひっかかると頭を上げて走るクセがあるので、防止のためにティーディマンを装着。はいはい、腹帯締めるときに噛まないの。

時間が来たので、ロッキーを連れて馬場へ出ます。今日は拍車も鞭もなし。天気はどうにかもちそうです。
ティーディマンや腹帯を調整しなおしていると、N子先生が踏み台を持ってきてくれたので、補助を受けて騎乗。「じゃあ適当に常歩しててー。ダンナさんの後ろで」ということで、先に蹄跡に出ていた相方&ジュンヨーの後ろに入って常歩。
あれ、ロッキーちゃん、今日はずいぶん重くないか? いつもなら前の馬を抜きたがるくらいにさくさく動くはずのロッキーちゃん、そんなに前に出たがらない。先生の号令で速歩にしても、速歩が出るまでに少し時間がかかってしまいます。おかしいなぁ、今日はお疲れかしら。鞭を持って来なかったことを少し後悔。

ロッキーは基本的に素直な馬なので、各個に巻き乗りでは座骨と脚を使うだけで曲がってくれます。進入はすごく良かったのに、巻き乗りの途中で常歩に落ちてしまいました。「何止めてんのー!」おかしいなぁ、ロッキーちゃんはちゃんと座って内方の座骨を使っていけば、一定のペースで巻き乗りができる子だったはずなんだけど。
何度やっても巻き乗りの途中で常歩に落ちるのを、N子先生がさすがに見かねたらしく、「鞭貸したげようか?」「そうですね、今日は欲しいかも」ということで、先生が持っていた長鞭を借りました。
鞭を持つとだいぶマシで、巻き乗りを止まらずにできるようにはなりました。でもやっぱり、ロッキーにしては重いや。

「順次半巻き、帰りの線上を斜め横足で」1度目はイマイチでしたが、2度目はずいぶん斜め横足らしくなりました。やっぱロッキーちゃん、言われたことはきちんとやろうとするし、器用な子なんだよね。
「次の隅角を回ったら反対半巻き、線上は斜め横足でね。そして半巻きの最後まで、斜め横足の扶助のままで」反対半巻きの場合の斜め横足は、蹄跡から離れる方向にもっていくので難しいのですが、ロッキーちゃんはちゃんとついてくる。内方の拳と内方の脚で外に向かって側対扶助を使っているから、半巻き部分はこのまま外方だけ壁をつくってやればいいのね。「そうそう、そうだ。…あー、最後の1歩がちがーう!」うー、扶助をやめるのが早すぎたか。
「今の扶助を使ってどんどん巻き乗りを小さくしていくと、最後にはどうなるか分かる?」「…ピルーエット? ですか?」「そう、当たり。前肢旋回のときもこの扶助使うんだよ。じゃあその前肢旋回やってみようか」。
常歩から、蹄跡を使って前肢旋回。進行方向に壁を作り、反対側は開き手綱にしたつもりだったのですが、「そこで引っ張るなー!」ちょっと馬を慌てさせてしまった。開き手綱は軽く持っているくらいのつもりだったのですが、これで慌てさせちゃうなら、ハミを外すくらいの感じでいいのかもな。

速歩で輪乗り。「あんまり蹄跡に落っことしすぎないんだよー。ポイントで触れるくらいにね」相方は、ジュンちゃんがどうしても蹄跡に戻りたがるので苦労しているみたいだけど、ロッキーちゃんの場合は実に楽で、思ったとおりのラインで輪乗りができます。
「輪乗りをつめ、側対扶助だけですこしずつつめなさい。目安としてはね、輪乗りの4ポイントで50センチずつ縮めるくらい。すると1周するうちに2メートルくらい縮まるよね」。側対扶助ということは、斜め横足と同じ扶助で輪乗りをつめていけばいいわけだ。外方の脚と拳を使って、すこしずつ内へ向かわせます。前のジュンヨーが苦労していそうなのに比べて、ロッキーちゃん素直だなぁ。
「はい、じゃあ今度は逆、側対扶助でまた50センチずつ輪乗りを開け」こっちのほうはそんなに難しくない。「そう、こういう運動はほとんど横運動が元になってるからね。輪乗りの中で腰内(腰を内へ)とか肩内(肩を内へ)、肩外(肩を外へ)やるのはいい練習になるよ」。

「じゃあ腰内、やり方だけ教えてあげるね。軽速歩の要領と逆なの。内方の前肢が出るのと同じタイミングで、外方の脚でちょこちょこ脚を使ってみて」なるほど、斜対歩で内方の前肢が出るときは、外方のトモも同時に出ているはずだから、それが出るときに刺激してやればいいのか。
速歩の輪乗りの中で、軽く内方姿勢をとらせてから馬の肩をちらっと見て手前を確認し(見なくても分かるようにならないとね…)、気持ち引いた外方脚を、動きに合わせてかつんかつんと使う感じにしてみました。すると内方のトモが前に出てきた感じというか、自分の内方の座骨を馬の背中と腰で包まれた感じというか。へぇ、これが腰内かぁ。「どう、違い分かるでしょう?」「はい」気を抜くヒマがないけど、でも乗ってて気持ちいいぞ。

「輪乗りの手前を換え。KYOKOさん、鞭持ち替えなくていいからそのまま持ってな」内方に持っていた鞭が、手前を換えたので外方になります。「で、腰内の脚を使うタイミングと同時に、軽く鞭をちょんちょんって使って」あぁなるほど、これも軽速歩の要領を裏返しただけなのね。外方のトモが出るときに脚で刺激してやって斜め前に出していくわけだから、鞭でそれを補助してやってもっと深く入るようにするんだな。
やってみると、このほうがより腰内らしい動きになりました。おもしれー。

「今の腰内の要領で、駈歩発進してみな。すごく簡単に出るはずだから」外方のトモが出るときに外方脚で抑えて、ついでに内方脚を軽く使ってみると、すっと駈歩が出ました。
「KYOKOさん、グーパーだよー」「はーい」ちょびっと持っていかれ気味だけど、頭を上げずに走っているからまぁいいほうだろう。「じゃあそこで巻き乗り」と言われて巻き乗りに入ろうとしますが、ロッキーの勢いに負けてなかなか入れない。「自分で入れると思うところからでいいから、巻き乗りしてみな」じゃあ砂が浅くて力がいらないクラブハウス前あたりで入ることにしよう。
でももともと持って行かれ気味だから、半減却とか使うとますます勢いがついてしまったりして。どうにか巻き乗りに入ると、「内方引っ張るな、拳は自分の肩に向けて使うの! 外方下げて!」控え手綱を使うと、微妙に引っ張ってしまうかも。その加減が難しいな。

「はい、はやあーし、常歩に落として」と言われて、速歩から常歩に落とそうとしますが、なかなか移行できません。この子の場合は引っ張ってもゼッタイに止まらないので、腰をぐぐーっと鞍に沈めるようにして止まらせます。
それでいったん常歩に落ちたのですが、そこで許すとすぐにまた速歩で走り出します。しかも、気を抜いたらすぐ駈歩になるだろうな、って感じの歩様。あはははー、拍車つけてないのにこの反応か。ちょっとひっかかり気味かな。
「大丈夫、その馬ただ走りたいだけだから。腰落ち着けて座って」「先生、鞭捨ててもヨイですか」「いいよ、捨てちゃいな」で、どうにか常歩に落とせました。相方とジュンヨーが駈歩をする間、常歩で小さく巻き乗りをして落ち着かせます。

今度は右手前に換えて、蹄跡に出て駈歩。「その馬、右手前は落ち着いて走るから」とN子先生に言われて駈歩発進すると、左手前のときよりもふわっと出る感じ。しかも走っていて、持って行かれる感じがしません。
落ち着いて走ってくれているのはいいが、これは油断すると速歩に落ちそうだな。歩ごとに脚を使って、駈歩をつづけるようにします。今日は拍車をつけてないからいいけど、でもできるだけふくらはぎで。
「そう、騎座がはまるようになったら、1歩ごとに駈歩発進するようにしていくんだよ。そうじゃないとシンプルチェンジとかできないからね」。なるほど、歩ごと駈歩発進してれば、それをやめたらすぐ駈歩をやめてくれるってことだもんね。駈歩の中にいきなり常歩を入れなきゃいけないシンプルチェンジなんかでは、その技術が必要だってことは分かる(頭では)。
「馬だって、最初から駈歩教えるわけじゃないんだよ。腰内とか、こういうことを先に教えて、それができるようになってから駈歩教えるんだから」「えっ、そうなの!?」「そうだよー」それは知らなかった…。

蹄跡に戻り、「ロッキー速歩出していいから、ジュンヨーに追いついちゃいなー」と言われ、半周くらい先を常歩でいくジュンヨーに追いつこうとして速歩を出したら、ロッキーがぱーっと走り出しました。まぁ速歩だから別にいいけど、ちょっと引っかかったかな? 駈歩したばっかりだし。
「KYOKOさん、今日の中で今の速歩が一番いいよ」とN子先生に言われ、思わず大笑い。だって今の、ただ馬に持って行かれただけですけど。
しばらく手綱をゆるめて速歩し、そのあと常歩で沈静化。「列へ」の号令で手綱を絞って持ち直し、馬場中央で馬を止めます。…お。
「よし愛撫、下馬。今の停止いいよ。ちゃんと四肢揃って止まったの分かった?」「はい」いやー嬉しいなぁ。ロッキーちゃん楽しいなぁ、ちょっとくらい持って行かれても、それを上回るくらい面白いや。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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