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(2004.8.7 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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せっかく3連休にしたので、昨日に引き続き倶楽部へ。連チャンなので、今日もゆっくりめに15時の予約にしました。
でもなぜか10時過ぎに倶楽部に到着して(笑)、配馬を見ると私はジュンヨー、相方はダンス。ここんとこジュンヨーほんとに多いな。ですがそのあと、配馬表の前でO先生が悩んでいました。聞くと、私の次の時間に予約が入ったビジターさん(初心者ではない)にジュンヨーを使うべきかどうか、ということ。私が乗ったあとに(しかもイケイケにしちゃう可能性大)、続けてジュンちゃんを使うのは、足が弱いジュンちゃんにとってはオーバーワークかも。
見るとハイセイコーJR.が空いていたので、「私JRでもいいですよ。っていうか、JR乗りたい」「そうだね、今日はJRは初心者さんしか乗せないからライトだし。じゃあそれでもいい?」「もちろんです」ということで、JRに配馬変更。へへっ、3級の経路練習で乗って以来、JRのおもしろさが分かったのでお気に入りなのだ。

本当であれば、愛馬ロゼッタに乗りたかったのですが、彼は先週くらいからどうも調子が悪いらしい。特に体調が悪いという感じではないのですが、N子先生に「腰が立たないときがあるんだよね。足元がふらふらしてるし、この夏は厳しいかもしれない。どうしても乗りたいなら乗ってもいいけど、人馬転なんかさせたくないからね」と言われてしまいました。
あれもトシだから、多少は覚悟はしていたんですが、ついにロゼッタに乗れなくなる日が来てしまったのかなぁ。舎飼いではかわいそうなので、せめて引き馬でもしてやろうかな、と考えたのですが、「それなら放牧して運動させたほうが良い」ということ。昼休みの馬場が空いたときに、放牧されることになりました。

放牧されたロゼは、最初は馬場のすみっこに生えている草を食んだり、日陰にぼーっと立っていたりしたのですが、今日お仕事がないということを理解したらしい。なんだか知らないけど、蹄跡に出て速歩を始めました。しかもけっこう、軽快でいい速歩。「ふつー放牧されたら、駈歩か常歩だよねぇ」と言いながら眺めていたら、なんと隅角はきちんと通過するわ、半巻きはするわ、常歩で前肢旋回するわ。しまいにはきちんと斜めに手前を換え、線上で速歩の歩度を伸ばしていました。あんた、人が乗ってないのにどうしてそういうことができるの、ヘンなやつ。自分でトレーニングしているとしか思えない。
こんなロゼを見ていると、またそのうちしれっとして人を乗せているのではないかと思えるのですが、確かに足元は少し不安定。早く元気になって、私を乗せてよ。一緒に2課目踏もうよ。

というわけで14時半ごろ、馬装に向かいます。なんだかちょっと風が出てきて、雨が落ちてきそうな空模様になってきました。ぱらつく程度ならかえって気持ちいいくらいだけど、土砂降りになったらイヤだな。
皮膚の弱いJRは、最近き甲に鞍傷を作ってしまって、悪化させないように鞍下や毛布が特殊加工されています(って、き甲に当たらないように穴があけてあるだけだけど)。JR専用の装備品が鞍と一緒に揃えてあったので、準備は簡単に終わり。馬房にJRを迎えに行きます。

JRは馬房の中で、オガに鼻を突っ込んで口をもぐもぐさせていました。食い意地張ってるなぁ、えーかげんにせーよ。声をかけながら馬栓棒を外すと、一応私のことは認識したようだけど、オガから顔を上げようとしないので、首の左側に回りこみます。
そうしておいて、「お仕事だよ、ほら」と首に手をかけると、諦めたのかそうでないのか、少しだけオガから口を離したので、無口を近づけたらようやく顔を上げてくれました。無口と引き手をつけて、馬房から連れ出します。
こいつはどうにも足元不注意なヤツで(昔は障害飛んでたくせに)、馬繋場に出るまでの段差でつまずいたり、坂で足を滑らせそうになったりするので、いちいち足元を指差して「ほらジェイ、ここ見て」とやってあげたのですが、やっぱりかるーく足を滑らせていました。あわてて無口をぐっと持って、のめってしまわないように押さえます。コイツ巨体だし、自重ですべるんじゃないかしら。

馬繋場につなぎ、蹄の裏掘りとブラシかけをして馬装。JRは、ちょっとハミを持ちすぎると怒って首をつっかけるので、頭を下げるのを防止するサイドレーンという器具を腹帯から装着することになっています。でもそれってつまり、馬に対して正しいハミのコンタクトがとれていないときにそうなるわけで、もーそろそろそういうものに頼っていてはいけないだろう。それさえなければ乗りやすい馬なんだし。
馬装を終えたころにスタッフのNくんが来て、「あれ、サイドレーン忘れてますよ」「いや、わざとつけてないの。3級の練習のときもつけてなかったから」と見栄を張ってみましたが、実はちょっぴり不安だったりして。怒らせると、ほんとに落馬しないのが不思議なくらいに首をつっかけるので。

時間が来たので、JRを連れて馬場へ。途中で道草を食おうとするのを阻止し、馬場へ出て騎乗。この時間は、ロッキー、コスモ、ダンスとJRの4頭。N子先生の指導で、ロッキー、JR、コスモ、ダンスの順で蹄跡へ出ます。
JRは体がでかいので1完歩は大きいくせに、なかなかやる気を出してくれないので、ロッキーちゃんに置いていかれそうになります。あんな小さい馬に置いていかれてどうすんの。先生の号令で速歩から軽速歩にしても、なかなかロッキーに追いつかないし。「なんでその馬でそんなに遅れるのー」とN子先生に怒られつつ、軽速歩のタイミングに合わせて長鞭を使っていると、少しは前に出るようになってきました。

速歩に落とすと、JRの反動は低くはないけどやわらかいので、なんか自分が座れる人になったような錯覚に陥りそう。隅角をきちんと回そうとして、隅角の手前でちょっと半減却を使い、外方の拳をちょっとだけ強めに持って内方を控えると、すごくスムーズに隅角に踏み込んでくれます。へぇ、こんなに半減却がちゃんと効く子だったっけ。ふだんは初心者さんばっかり乗せてるから、こういうことは忘れそうなもんだけど、あんたってほんとにすごいねぇ。
順次に巻き乗りをすると、前の馬の内側に入ろうとして、ヘンに小回りします。あんた体でかいくせに。各個に巻き乗りだと、ほとんど手綱を使わずに半減却と座骨だけで曲がっていけるのですが、途中で極端に歩度が落ちる。常歩に落ちないだけマシだけど。ちゃんと座骨で推してるつもりなんだけどなぁ、鞭使わなきゃダメか。
何度か各個に巻き乗りをするうちで、1度だけしかN子先生のOKが出ませんでした。

N子先生のレッスンだと、軽速歩はそんなになくて速歩率が高いのですが(N子先生は馬場の先生だし)、なんか今日は、速歩をしていると鐙に足がが深く入ってしまう。もともと私は鐙の踏み方がヘタなほうだけど、それにしても今日の鐙はあんまりだ。気を抜くと足の甲がずっぽり鐙にはまってしまって、抜くのが大変なくらいです。こんなの、最近はめったになかったんだけどな。(あとから考えた言い訳ですが、JRのときっていつも鐙が深くなりがち。JRって、肩は細めなのに腹はデカイという変な体型なので、どうしても腹に邪魔されて、脚の位置が後ろにならないんです…。)
それでも、だんだん速歩を伸ばすのが楽になってきました。ここの長蹄跡だけは伸ばすと決めて、隅角手前から半減却を使い、隅角を回ったところで鞭を使うと、ぽんと伸びました。あっ、これ。3級の経路練習をしていたとき、斜め手前変換でぽーんと伸びてくれたときの感覚、そうそう、JRの中間速歩ってこれだったよ。

「じゃあ先頭から、順次駈歩。前の馬が駈歩になったのを確認してから出すんだよ」私の前のロッキーちゃんは、駈歩は出やすい馬だけど、今日はティーディマンも折り返しもつけていないので、荒れたら困るな。
でもさすがに乗っている人が元スタッフのSさんなので、全然荒れずに駈歩してるじゃん。ということで、私もJRに駈歩発進。軽く半減却を使ってからちょっと内方の座骨で推して、外方脚を引きます。あれ、出ないかな、と思うくらいの一瞬の間をおいて、ふわんと駈歩が出ました。体がでかいからかニブめだからか、反応するのに時間がかかるのね。
出てしまうと、1歩が大きいJRの駈歩では、すぐロッキーに追いついてしまいます。Sさんも、できるだけロッキーちゃんを落ち着かせるように乗っているようで、そんなにスピード出していないし。ロッキーのお尻につっかかりそうになり、ロッキーちゃんが怖がるといけないので控えると、JRが速歩に落ちてしまいました。
「KYOKOさん、なんで速歩してんの!」とN子先生に怒られましたが、こうなるとここから駈歩に戻すのは難しい。ちょっと肩を引いて、すこしためてから駈歩に戻します。

速歩でためて、馬間距離をとってから駈歩にしても、歩幅が違うからすぐロッキーちゃんに追いついてしまいます。追いついたところで駈歩をやめたくないので、どうにか駈歩を続けようとするのですが、座骨や脚で推しても、前に馬がいれば絶対に抜かない主義のJR(いや、乗馬としてはすごくいいことだけど)は、自分から速歩に落ちてしまいます。
「KYOKOさん、そこで速歩に落としちゃダメ、ちゃんと駈歩でつめないと! 伸ばした駈歩だけが、その馬の持ち味じゃないんだよ!」とN子先生に怒られますが、いったいこいつの駈歩、どうやってつめていいのか分からない。もっと口の堅い馬なら、拳を控えれば駈歩がつまるかもしれないけど、JRはすごく口が柔らかいので、口を引っ張ったって逆効果なのは分かってる。
あとで「N子先生、あの馬の駈歩ってどうやってつめるの? 口じゃないですよね、騎座?」と聞いてみると、「当たり前じゃん」とあっさり。騎座でつめる、って、言葉で言うのは簡単だけど、私まだそれができるレベルじゃないよぅ。

右手前でも左手前でも、JRの駈歩発進はすこぶる簡単なのですが、右手前だと反対駈歩が出やすくなってしまいました。JRで反対駈歩を出されたのは初めてだったのですが、反動がやわらかいため、反対だということがすぐには分からず、先生に「反対だよー!」と言われて気がつく始末。
だいたい、なんでこんな座りやすい馬で反対駈歩出しちゃうかなぁ、私。ジュンヨーなんかだと速歩でもうまく座れていないので、つい座る位置のバランスが崩れちゃったりしてると思うんだけど、この馬でそんなことしてる場合じゃないのに。
あまつさえ、駈歩で輪乗りをしている最中にバランスを崩してしまい、ちょっと口を引っ張ってしまいました。うわぁ、ごめん! あわててバランスを立て直して、そのまま走りましたが、別にJRのご機嫌を損ねはしなかったみたい。一瞬だけなら大丈夫なんだな、引っ張り続けたりしなければ。

隊列を組み直して、速歩から「そっと手綱を伸ばして」の号令で、速歩のまま少しずつ手綱を伸ばします。若干隅角なんかは回しにくくなるけど、もともとそんなに手綱に頼って動かす馬ではないので、乗り心地はそんなに変わらない。
数周それで走って、そのまま常歩に落として沈静化。馬場中央で停止したのですが、なんか四肢がバラバラに停止した感じがする。「うわーバラバラ」と思わず言ったら、N子先生に「その通りっ」と言われたので、もう2歩ほど前に出して、停止のやり直し。今度は「よし愛撫、下馬」と許可をもらえたし、自分でもバランスよく停止できたと思ったので、良かったのでしょう。

馬繋場に上げて、次の人のためにサイドレーンを付けます。私の次に乗る初心者さんが、JRに飲ませようとバケツに水を汲んできてくれました。勒を外して無口につけかえるまで待ってもらって、好きに水を飲ませてあげます。
彼女は最近入会したばかりで、ずっとJRでとことこマンツーマンレッスンを受けているレベルなのですが、その彼女が私に「JR、私が乗っているときと違う馬みたいでした」と言うので、「そう、私も昔は同じこと思ってましたよ」「ウソでしょう!?」ってそんな、本気で驚かれてもなぁ(苦笑)。
彼女とJRが馬場に出ていくとき、騎乗補助をしたのですが、彼女がまたがった瞬間にもう歩きだそうとするJR。おっとり型の彼にしては珍しいこと。そのあともよく動いていたみたいで、「下乗りの効果抜群だったよ、彼女もよく動いたから喜んでたよ」とI野先生に言ってもらえたので、よしとしよう。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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