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(2004.8.6 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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金曜日ですが、変則夏休みにしたので相方ともども会社はお休み。ゆっくりめの15時の予約で、日の出に行くことにしました。
昼過ぎに日の出に到着して配馬表を見ると、あらぁ平日なのに意外と混んでるわ。自分の配馬はコスモ、これも珍しい。相方はダンスで、もう1人のNさんはアルフォンス。この3人は先日一緒に3級を受験した仲なので、こんなメンバーが揃ったらしごかれること必至(笑)。

いや待てよ、N子先生は金曜日は基本的に、昼過ぎくらいまで外出しているはず。帰ってきてからすぐ馬場に立つっていうのもしんどいだろうから、今日は久しぶりにO先生のレッスンかなー、と思っているところに、N子先生が帰ってきました。N子先生も今日は馬場に立つつもりはなかったそうですが、予想外にお客が多くて忙しいので、指導に出ることになっちゃったそうです。いや、私は別にO先生でもN子先生でも、どちらのレッスンも好きなんですが、コスモのほうはそうはいかないかも。
というのも、コスモはなぜかやたらN子先生を怖がるのです。先生はコスモに乗ったことは1度しかないし、もちろん叱ったこともないそうですが、どうもN子先生の声が聞こえるとびくびくすると評判。私はまだ、コスモに乗っているときにN子先生の指導を受けたことがないのですが、どうなるんだかなぁ。

レッスン開始の30分前、馬繋場に装備品を揃えてからコスモの馬房へ。実におとなしくこっちを見ているコスモに無口をかけ、引き手をつけて連れ出します。
蹄の裏堀り、ブラシかけをして馬装。折り返し手綱がちょっと面倒っていうくらいで、この子の馬装には実に手がかかりません。終わったところでちょうどレッスン開始時間だったので、コスモを連れて馬場へ出ます。
あちゃー、工事やってるよ。クラブハウスの裏手でずっと工事をしているのですが、ふだん来ている土日にはお休みのことが多いんですね。でも今日は平日だから当然やっている。コスモは物見をする子だけど、特に音には敏感。やばいなー、荒れるかもなー。

折り返し手綱を装備するのに時間がかかり、鞍の上に座って落ち着いたときにはもう「ダンス先頭ね」と言われて、ダンスは蹄跡に出ていました。「コスモ、ダンスの後ろね」ということで、3頭の真中で部班を組みます。今日は馬場の道路側の半分(左図でいうと左半分、蹄跡の描いていないほう)を使うことになりました。こっち側の馬場、コスモは嫌いなんですけどね。
最初の常歩は、コスモって意外と重いんだよね。「気をつけ、速歩」で速歩を出しても、なかなか前に出せません。「ちゃんと前に出せ、出さないと近づくよ〜」って、そういう脅しはアリなんですか(笑)。確かにN子先生が近づいてきたら、ちょっとスピード上がったけど。
「そうそう、あなたは姿勢は悪くないんだからね。それでもうちょっと鐙が踏めれば、ちゃんと前に出せるんだよ」。

コスモは横向きにやわらかい馬(ぐにゃぐにゃとも言う)なので、隅角通過なんかはきっちりできるはずなのに、どうも肩から逃げる。まるでN子先生から顔をそむけているみたいな感じなのですが(苦笑)、これは前に出せてないから肩から逃げてるだけなんだよなー。
各個に巻き乗り、ちょっとスピードは落ちるものの、さすがにきれいにこなすコスモ。「今、半減却使ったひと〜」「うっ。すみません」「すみませんじゃないでしょー」今のは本当にきれいさっぱり忘れていた。全然身についていないな。
順次半巻き、ここでは頑張って半減却。帰りの線上で、「コスモ、勝手に斜め横足しないの〜。どうせあとでやるんだから」えっ、今の斜め横足でしたか。確かに帰りのラインに入る前に、馬体を一度まっすぐにするようにはしたけど、あとはなんにもしてないんだけどなぁ。不思議な子。

最初はけっこう落ち着いて動いているかなー、と思ったのですが、遠くで犬が吠えた瞬間に[きゃぁぁあっ]と頭を上げてぱたぱた。コスモさんはいったんこうなると、ほんのちょっとしたことでも怖くて怖くて仕方なくなっちゃう子なので、あっちで工事の音がしたと言っては[きゃあ〜]、拍車が当たったと言っては[ひぃやぁあ〜](これは私が悪いけど)。はいはいはいコスモさん、落ち着いてください。
「手綱引っ張ったらゼッタイ荒れるよ。落ち着いて、何があってもじっと座ってな」「はーい」まぁだいたい、コスモのイヤがる場所はクラブハウスの入り口のあたり(左図でいうと、馬場の上辺の左半分)だと分かっているから、この辺だけ気をつければ。荒れると言っても、ちょっと頭を上げて走ろうとしたり、少しだけ横足する程度で、ぱこんと跳ねたりはしないので落ちやしないだろう。
イヤがりはじめると、けっこう頑固なコスモさん、しまいにはそっち側の蹄跡に入ってくれなくなりました。そんな私とコスモをみて、周囲はコスモが嫌がるから私がショートカットさせていると思っていたらしいですが、違います。コスモが勝手にショートカットしていただけ(泣)。

左手前の常歩で、「先頭ダンスから、ひとりずつ前肢旋回」。相方がダンスくんに前肢旋回をさせようとすると、後肢の動きにつれてダンスくんの頭がラチの上を越え、ちょうど外の草むらに鼻先が入りました。それまで難しいことをさせられて、むーとしていたダンスくんの顔が、[あっ。おやつ〜(はぁと)]という感じでぱぁっと輝き、ぱくっ。「おいおい、前肢旋回に草を食べさせるっていう動きはないよ〜」一同大爆笑。
相方がネタを提供してくれたところで、次は私の番。コスモなら前肢旋回は簡単なはず、とタカをくくっていたのですが、これが蹄跡を進もうとするばかりで、なかなか前肢旋回の動きに入っていかない。進行方向の手綱で壁を作って、もう片方は開き手綱で…ちゃんとやっているつもりなんだけど、何が伝わらないのかな(馬場の外から見ていたSさんに、あとで言われたことには「だってトモの動きと拍車のリズムが合ってなかったもん。トモが出るときに拍車使わなきゃ」へぇ、よく見てるねぇ)。
ここで引っ張ったらゼッタイ荒れるし、慎重に慎重に、どうにかこうにか前肢旋回。続いて反対向きにも前肢旋回をして、今度はあっけないほど一発で決まりました。「最後の1歩だけだね、それ以外は今度は良かった」。あとから考えると、やっぱりタイミングの問題なんでしょうね。

1頭ずつ蹄跡に出て駈歩。まずは左手前でダンスから、その間はコスモとアルフォンスは馬場の中央で常歩。
そういえば私、コスモで駈歩ってずいぶんやってないかも(というか、回数も1〜2回程度)。しかもまだ駈歩で荒れられたことがないから、もし荒れちゃったらどう対処しようかな。
そんなことを考えているうちにダンスの番が終わって、次はコスモと私。さーてコスモさん、焦らずいこうね(と、自分に言い聞かせている)。「ゆっくりでいいからね、駈歩」と、N子先生もこういう言い方をするのは珍しい。1歩で駈歩が出なくても、いつもと違って怒らないし。

もう1度、常歩から駈歩発進。1歩目はふわっと出たのですが、とたんに[きゃあぁ〜]と焦った駈歩に。頭を上げるので、上に行く感じの駈歩はこっちも焦る。「落ち着いて、じっと座ってなさい! 股割って! 外方だけちゃんと持って、内方は絶対引っ張るな!」とN子先生に言われるままに、内方の手綱を譲って、拍車を刺さないように膝を伸ばして乗っていたら、コスモがだいぶ落ち着いてきたようです。あ、この駈歩なら乗りやすいわ。もともと柔らかい馬ではあるし。
速歩に落とすと、「そう、そうやって乗ると大丈夫でしょ? 右手前だともう少しマシなはずだから、この馬は」。
ということで、次に順番が回ってきたときには右手前で駈歩。最初はやっぱり、少し頭を上げる感じがあったけど、今度はすぐ落ち着きました。へぇ、本当に右手前のほうがいいんだ。以前は右手前のほうが荒れやすいって聞いていたけど。

隊列を組みなおして速歩していると、なんかコスモがだんだんイケイケになってきました。というか、彼が苦手な場所(上にも書いていますが、左図で上辺の左半分)になるとぱーっと走ってしまって、前にいるダンスくんを抜きそうな勢い。そのほかの部分では、いつものコスモさんに戻ってくれるんだけど、その場所にくるたびにぱーっと走って、ちょっと持っていかれる感じ。
なんだかやばい感じになってきたので、軽速歩の指示が出ていましたが「先生、座ってもいいですか」「よし」ということで速歩に。そのほうが馬が落ち着きそうに思えたので。何度目かで、きゅっと首を下げられて手綱を持っていかれてしまい、慌てて持ち直します。あんまり持っていかれても危ないしなー、そのたびに引っ張っちゃったら火に油だし。一応外方だけサドルホルダー持っておくか(ここが私の気の弱いところ)。

でももう抑えきれないかも。「抑えるな、前譲って、譲って」と先生に言われてかるーく拳を前に譲っているつもりなのですが、何しろサドルホルダーを握っているからあんまり譲れない。でもあんまり譲ると、前の馬抜いちゃうよぅ。
前のダンスにつっかかりそうになり、内側に入れるとダンスくんが[オレに近づくな]と怒ってる。仕方なく内蹄跡を使って輪乗りすると、「抑えなくていいから、そのまま前に出しちゃいな! 隣の馬場に出ちゃってもいいから!」ちょうど蹄跡のところだけ、隣の馬場との仕切りのラチが開いています。じゃあここから出てしまえ。
隣の馬場のほうが、コスモさんとしては落ち着く場所だろうし、そこで走らせてやろうと思ったのですが、意外にも伸びず。もう1周するなかで、座骨を馬の肩に向かって押し込むようにすると、ぱぁっと伸びた感じがありました。でも私がその動きについていけず、2〜3歩だけ。なんとあとから周囲に聞くと、もうちょっとで伸長速歩が出そうな中間速歩だったそうじゃありませんか。うわーあたしバカ、なんであそこで抑えちゃったかな。

時間がきたので、常歩ですこし沈静してレッスン終了。今日のレッスンに関するN子先生のコメントは、「けっこう伸びてたのに、もったいない。あとはあなたの精神的なモンダイだよ」。
あとでクラブハウスで雑談しているときに、「折り返しなんて、引っ掛けてるだけで効くもんなの。ゼッタイ引っ張っちゃダメ」とN子先生が言うので、「えー、あれでも一応、手綱よりは折り返しをゆるくしてたつもりなんだけど」「それでも効きすぎなの。それで前抑えられちゃって、それで前行けって言われたら、荒れるよそりゃ」そうなんだ。
「でもあなたみたいなタイプは、焦らないでやったほうがいいよ。私もそうだったから」。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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