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(2004.6.19 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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今日の2鞍目はロゼッタ。先月、まぶたをざっくり切ってしまって手術までされたロゼッタ、3週間ばかり休馬していました。それが今日、私に配馬されていたので「もう乗っていいんですか?」と先生に聞くと、「昨日抜糸したからね」ということ。今日が休養明けの初日だというので「張ってるんじゃないですかぁ?」「まぁあいつの場合、張ってるくらいでちょうどいいんじゃない」と、笑い話にしていたのですが、やっぱり本当に張っていたらしい。午前中にロゼッタに乗ったMちゃんが、「体(たい)をかわされた」そうで、落馬しちゃってました。
しかもMちゃんの証言によると、「今日はそーとーわがまま」ということで、腰を据えて(文字通り)乗ってやらないと、私も落とされるなぁ。

レッスンの30分前、ロゼッタの馬房へ。まだすこーしだけまぶたが腫れぼったいようだけど、本人はいたって元気そう。馬栓棒の上から顔を出してきたので、そのまま無口をかけようとすると、無口にぱくっと噛み付きました。ふだんは黙ってかけさせてくれるのですが、こんなやんちゃをするのは珍しい。
でも、引っ張るとすぐ離したので、引き手をつけてから馬栓棒を外し(その間ロゼは、引き手をしゃぶって遊んでいる。これはいつものこと)、馬繋場に連れ出します。あらー、さっきのレッスンでずいぶん汗をかいたんだね。芦毛の馬体に、汗とほこりで染みができてる。あとで洗ってやろ。

馬装が終わったので、ロゼを連れて馬場へ出ます。Mちゃんの補助を受けて騎乗。ロゼッタの鞍はロング託革なので、下から腹帯を締め直してもらいます。
このレッスンは4頭部班。ダンス、ロッキー、ハイセイコーJRの順ですでに蹄跡に出ていて、私は最後尾につきます。つくといきなり、「KYOKOさん準備できたー? じゃあいくよ、気をつけ、はやあーし」で、すぐに速歩に移行。あぁ、今日のロゼッタ挙動不審だな。鞍上に対して集中力ってもんを欠いている。何よ、あんたらしくないじゃないのよ。
倶楽部の入り口あたりで、ちょっと首を振ってばたばたされました。今のは何かにびっくりしたんじゃない、ただのワガママだな。そのまま速歩を続けていると、馬場の道路側(左図でいうと左辺)に来たときにロゼッタが大きく首を振り、横に体をかわそうとしました。てめー、やりやがったな。今のは明らかに落とそうとしただろ。そうはいくもんかい。
ロゼッタが鞍上を試していると思ったので、鞭で叱ったうえで、押さえ込むようなつもりで鞍にしっかり座ります。軽速歩なんかしてたら落とされそう。とりあえずしばらくは、サドルホルダー持っておくか。

そのまま速歩しますが、やっぱり道路側のラチ沿いに行くとロゼッタが挙動不審になり、妙に頭を上げて走ろうとしたり、首を振ったり。ふだんはハミにもたれて頭を落とすクセのあるロゼッタが、頭を上げて走るなんて、珍しいこともあるもんだ。あんたがこの辺の場所嫌いなのは知ってるけど、ワガママすぎだよ。
巻き乗りや方向転換には、さすがにジュンヨーと違って座骨で推していれば止まらないんだけど、そのかわりになんでもないような隅角で止まったりする。明らかにワガママ。くそぅ、跳ねられても知るか(といいつつ、しっかりサドルホルダーは掴んで)、長鞭で思いっきり叱りつけます。
でもずっと外方の拳でサドルホルダーを握っていたので、離せなくなってしまいました。この辺が私の気弱なところ。馬場の外では、私がサドルホルダーを持っていると気づかないMちゃんとSさんの間で、こんな会話が交わされていたそうです。「どうしてずっと馬の顔が傾いてるのかな」「ロゼ、かわいこぶってんじゃないの」。すいません、私のせいなんです。

「速歩のまま、蹄跡全部を使うようなつもりで輪乗り」輪乗りに入っても、けっこう反抗的なロゼッタ。なんか外にふくれようとするし。
「輪乗りの中で、各個に巻き乗り」輪乗りの中での巻き乗りは、馬間距離が狭いから、前後の馬とぶつかりそうになって止まっちゃったりしやすいんだよね。案の定、途中で常歩に落としてしまいました。
輪乗りから「先頭から順次、駈歩。前の馬が駈歩になるのを確認してから、駈歩発進するんだよ」このとき私の前にはダンス、ロッキーの2頭がいましたが、2頭が駈歩になるのを待ってから発進していたら出遅れそう。ちょっと早めに駈歩発進しちゃうかー、と思ったのですが、ロゼがやる気なさそー。結局出遅れてしまいました。「ロゼッタが駈歩出なかったら、後ろのJRが駈歩できないでしょー!」とN子先生に怒られながら駈歩発進、ようやく出た。それでも歩度が伸びないし、油断するとすぐ速歩に落ちてしまいます。後ろでJRに乗っている相方がイライラしているので、とりあえず追い抜いてもらおう。
JRの後ろに回って駈歩、少し調子が出てきたかも。駈歩のまま蹄跡に出ると、途中で踏歩転換されてしまいました。あぁ、私のバランスが崩れたのか。ちぇ。

速歩に落として、軽速歩。各個に半巻きで、私が先頭になって軽速歩。先頭になるととたんに動かないのがロゼッタの常なのですが、今日はどうしたことかさくさく動いています。ちょっとちょっと、私ついていけないんだけど。
ロゼッタの動きにつき遅れて、軽速歩がとれなくなってきた。「ロゼッタはもっと出せる!」「先生、私ついていけない〜」「つべこべ言ってないで前に出すのー!」うへー。
今度は右手前で、1頭ずつ駈歩。今度は駈歩出すのも非常にラクで、最初の3〜4歩だけ鞭を使えば、割とちゃんと走ってくれました。隅角なんか、勢いがありすぎてラチに突っ込むんじゃないかと思ったくらい(でもこいつの場合、体感速度はかなり速いんだけど、実際には大してスピードが出ていないという…)。隅角でいちいち、巻き乗りのつもりで控え手綱を使いました。

隊列を整え、ふたたび最後尾に戻ります。N子先生が、先頭から何か聞いて回っている。私のところに来て、「KYOKOさん、外方でサドルホルダー持ってるね?」「持ってます」「じゃあ鐙を脱いで、速歩」うげー。ロゼッタはかなり反動が固いのと、今日は挙動不審なので、あんまり嬉しくないなー。
でも実際やってみると、サドルホルダー握ってるとはいえ、あたしけっこう座れてない? 以前はこいつで鐙上げなんかしたら「もう私落ちます」って感じだったんだけどな。しかもときどき、鐙のほうで勝手に足に入ってくる。
「速歩のときはねぇ、拳の中に座骨を押し込むんだよ」またN子先生が、難しいことを簡単そうに言っているけど、今日はそれ分かるような気がする。
「みなさんもっと鞍付きがよければねぇ、このまま駈歩するんだけど。今日はやめとこ。鐙履いていいよ」。

「じゃあ少しずつ手綱を伸ばして、そのまま速歩」「えっ、今日のロゼッタ怖いんですけどぉ〜」「だーいじょうぶ、前に出してれば」まぁ、前に馬がいるし、ロゼッタは前に馬がいれば絶対に追い抜こうとはしないから大丈夫だろう。たぶん。
手綱を全部伸ばして、サドルホルダーを握って速歩。あうー、やっぱりハミを外すと、いきなりスピードが出るんだよね。出るけど、歩様が不安定な感じがするんだよね。歩調は一定でさくさく動いているんですが、なんか左右のバランスが悪い感じ(この馬の場合もともと左右のバランスは悪いが)。でも、よく前に出ている馬のほうが、のたのた動いているより安全だと信じてついていくしかないよなぁ。

手綱を完全に伸ばしていて不安定だから、軽速歩と言われたらイヤだなー、と思っていましたが、N子先生の指示はずっと速歩のまま。最初は馬がよく動いているので、反動に負けてうまく座れず、サドルホルダーに頼りっぱなしだったんですが、途中からサドルホルダーを持つ手に力がかからなくなってきました。あら、今座りやすいわ。けっこういいかも。
「はい、なみあーし」手綱なしで馬が止められるのかー!! と思ったけど、もしかしてロゼッタだから大丈夫かも。手綱を引かないまま、ぐっと座り込んで座骨の動きを止めてみたら、ちゃんと常歩に落ちました。すげー。

そのまま常歩で、少し沈静化。「列へ」の号令で手綱をきちんと持ち直し、蹄跡から馬場中央に入ります。さっき言われたように、拳の中に座骨を押し込むようにして、脚を使いながら停止。「よし、愛撫、下馬」としかN子先生が言わなかったときは、それなりにいい停止ができたときなんだよね。よかったよかった。
下馬してみると、ロゼの白い馬体が汗びっちょりで、地肌が透けてグレーの馬になっていました。ロゼの汗のかき方って、右半分だけとかだったりするんだけど、今日は両側ともきちんと汗をかいています。ちゃんと両側の筋肉を均等に使って運動できたんだな。満足、満足。

馬を引いて馬場から上がる途中、O先生に「今日はよく乗れてましたね、さすがロゼッタといいコンビ。自馬にします? 安くしときますよ」と冗談を言われ、「いやー、自馬はちょっと、こんなくそじじいは勘弁です」。
この日は、自分ではロゼにわがまま放題されたと思っていたのですが、周りからの評価はやたらと良かった。あとから倶楽部のママさんも「今日はうまく乗れてましたねー、Sさん(元スタッフ)と同じくらい乗れてたわよ」と言われ、それはさすがにお世辞だと思ったんだけど、N子先生も「そう、今日は最後だけ良かった。最後の方は乗り方ヘンだって言わなかったでしょ」「でも先生、それサドルホルダー持ってたからです」「いいのいいの、それでも」。
これがウマが合うということなのか、ロゼッタって硬くて重くて、そんなに乗りやすい馬じゃないんだけど、やっぱりこいつに乗るといちいち面白い。傍から見て、私はロゼッタに乗っているときが一番上手そうに見えるらしいし、それはやっぱりウマが合ってるんだろうな。くそじじいだけど。

ということで、くそじじいロゼッタを全身ぬるま湯で洗ってあげて、久しぶりにたてがみもきれいに梳いてあげました。あーくそ、やっぱり我が愛するくそじじいだわ。ふんだ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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