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(2007.10.20 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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秋晴れとはいかないけれど、気持ちのいい天気の土曜日、いつものように日の出へ。でも到着してみると、前夜の土砂降りがたたって馬場は水浸しでした。こういうときは、砂を掘って水の通り道を作り、水を抜いてやるしかないのだ。
先週は試合だったので3日連続で通ったこともあり、ちょっと疲れも出ているので昼休みにちょっと乗るだけのつもりだったのですが、たまには部班に入って先生の指導も受けたい。配馬表を見ると14時が琥珀1頭だけだったので、先生にお願いしてそこに混ぜてもらうことにしました。
愛馬グレイトは、朝イチでNさんが乗ってくれているので、そのまま14時に乗ればいいかなと思いましたが、N子先生が「昼に時間があるなら調馬索やっときな。調馬索も練習しないとうまくなんないよ」と言うので、昼休みに調馬索をかけることにしました。

人馬ともに早めのお昼を食べ、12時過ぎからグレイトを連れ出します。あらあんた、なんか機嫌悪そうね。
裏掘りと肢巻、簡単にブラシがけだけして、無口に調馬索をつけて馬場へ出ます。常歩で少し歩かせて、速歩に移行。舌鼓で簡単に速歩の出る子だけど、後肢の上がりが今ひとつなので、追いムチをしつこく使ってみたら、ぽんとひとひねり跳ねて蹴り上げてきました。あら、左手前ではほとんどやらないのに、珍しいな。
速歩でやるくらいだから、もちろん駈歩ではもっとやる。普通に駈歩もするんですが、追いムチを使うとやっぱり蹴りが入ります。調馬索である程度の距離を取ってあるし、ぐーちゃんはわたしに正対してくるようなことはないので危険ではないのですが、なんかやな感じ。

速歩に落としたところで、ちょうどNくん先生が通りかかったので、「今日コイツ張ってるのかな?」と聞いてみると、「でもさっきNさん乗ってるんですよ」という返事。「だよねぇ。でも今日よく跳ねるんだよ」「じゃあ、馬が少しナメ始めてるのかもしれないです。跳ねるならもっとビシッと強く出ないと」なるほどね。
右手前にすると、やっぱりいつもより多く跳ねております(笑)。いやー、調馬索って乗るより難しいな。あとでN子先生にも相談すると、「そりゃ出し方が足んないんだよ。調馬索なんだから、乗ってるのと違っていくら跳ねられても平気でしょうが。だから調馬索のうちに、どんどん前に出しとくの」と言われました。結局、乗ってるのといっしょなんだよね。

馬繋場で肢巻を外し、裏掘りだけして、グレイトをいったん馬房に返します。そして14時からのレッスンに出るため、13時半ごろに再び迎えに行き、馬繋場に連れ出して馬装。
14時に馬場に出て騎乗し、常歩で歩かせていたら、馬場の外から「またそんな小道具使って〜」とO先生にからかわれました。というのは、最近調教に来てくださるY先生直伝の小道具で、鐙同士を結んで脚位置を矯正していることです。
「何言ってるんですか、当分止めないですよ」この小道具はわたしにとってブレイクスルーだったので、脚位置がクセになるまで使うつもり。

この時間は初めて琥珀に乗るSさんとわたしの2騎。半自馬会員になってからは、レッスンは「時間いくら」で乗る一般会員さんの指導を優先してもらっているので、わたしは琥珀の後ろをついていきながらたまにアドバイスをもらう程度です。
軽速歩にすると、グレイトがやたら首を上下に振ります。この動きって、手綱が緩くて[ハミが取れないんですけど!]って文句を言うときにやることが多いのですが、今はそんなに緩く持ってるわけじゃない。どちらかというと、前に馬がいる状態が久しぶりなので[前に出たいんですけど!]って言ってるんだろうな。
たまに、距離を取るためとハミ受けを誘うために、勝手に巻き乗りを入れますが、左手前が巻き乗りしにくい。外方脚で小さく蹴っ飛ばしてやっと入ってくるような感じで、ハミに乗せることはなかなかできません。

琥珀に駈歩の号令がかかったので、琥珀が半周くらいするのを見計らってわたしも駈歩発進。あらま、アンタまた思い切って跳ねるわね。自分の拍車が入ったことは良くわかっているので、座骨を落とし、跳ねる勢いを利用してそのまま発進。まぁ出るこたぁ出るんだけど、何かの拍子にまた跳ねさせてしまいます。

何回目かの駈歩をしようとしたとき、グレイトがピタッと停止し、後退しようとしました。グレイトの場合、少し馬が詰まってくるとよくやる(余談:アルフォンスの場合は伸びてるとやる)んだけど、以前そのまま下がられて、「なんでムチ使わないの!」とN子先生に怒られたことを思い出しました。
同じことで何度も先生を怒らせたくないので、手綱を引っ張らない程度に片手にまとめ、片手で思い切って鞭を入れ、同時に脚も入れます。と、内方のトモのすぐ近くまで琥珀が追いついてきていたことに気がつきました。もしかして琥珀の鼻先に鞭当たった?
とっさに「うわぁ、ごめん琥珀!」と叫ぶと、「琥珀は気にしないから大丈夫、そのまま行け!」とN子先生。そこでグレイトを前に出すと、思い切って叱ったのが効いたのか、跳ねもせずにすぐに駈歩を始めました。ある程度は強気に出ないとダメなのね。

琥珀がどんどん調子が出てきて、本来の歩様で速歩するようになってきました。こうなると、わたしの推進ではなかなか追いつけません(グレイトも本来の歩様なら琥珀に負けないはず、なんですけどね)。
と、突然ぐーちゃんが前肢で構え、パッと横っとびしました。駈歩で跳ね(ひねりつき)ても落ちなかったのに、うっかり落ちそうになっちゃったじゃないのよ。
幸いもちこたえられたので、速歩しながら「今のなんですか?」と先生に聞いてみると、「ロッキーが後ろからきたから驚いただけ」とのこと。後ろって言っても、隣の馬場でスタッフKくんが下乗りをしていただけで、別に引っかかっていたわけでもないし。たまたまラチごしに後ろから駈歩してきただけなのに、自分より小さい馬にそこまで驚かなくてもいいんじゃないかい。
続けて速歩していると、ラチごしにロッキーと向かい合うような体勢になったので、グレイトをラチから離して歩かせていたら、N子先生が「その馬、対面は平気だよ」と言います。試しに近づけてみると、確かに大丈夫。さっきのは、後ろから迫ってくる感じが本能的に怖かったんでしょうね。

あと約5分でレッスンが終わるというころ、腰のよくないSさんがギブアップして常歩に。わたしも常歩に落とすと、「何してんの、KYOKOさんはそのまま速歩」とN子先生。あら、そうでしたか。
ここから急にマンツーマンになり、「だいたいハミ受けが不十分。そういう馬を受けさせるには、どんどんいろんなことさせろって言ったろ。はい腰内、はい肩内系の斜め横足、はい腰内」と、ほぼ3歩ごとにどんどん体勢を入れ替えていきます。「入れ替えるときは、半減却で1歩はまっすぐに戻さなきゃ」ってことは、3歩どころか歩ごとだわ。
わたしはただでさえ横運動が下手なのに、先生の号令についていけずにぐちゃ。こんな扶助じゃぐーちゃん荒れるんじゃないか、と思いましたが、意外にそうでもない(荒れると先生に向かって突っ込んでいくからね、コイツは…)。

まっすぐに戻して、すぐに駈歩の号令。馬場馬であるグレイトは、推進をやめるとすぐさま駈歩をやめてしまうので、わたしのバランスが変わったり、無駄にあおったりすると駈歩が続きません。
視線はクラブハウスの屋根を見るくらいの高さに維持し、速歩に落ちそうになったら外方脚ではたいて駈歩。先生に「駈歩の歩度伸ばしてみなさい」と言われましたが、伸ばしたつもりでも全然伸びてない。
速歩にして、「鞭を使って、同時に内方を譲る! そうやってどんどん前に出してみなさい」と先生が言うのに従って、歩度が落ちやすいところでパンと鞭を使い、すかさず内方の拳を譲って前に出します。これをやると前に出ることはわかったけど、自分が出した分よりわたしが遅れたら意味ない。座骨を前へ前へと押し込むようにして、馬より早めのリズムを作るようにします。
あ、ようやくまともなハミ受けになってきた。

次のレッスンが始まる時間になったので、常歩に落として手綱を伸ばし、沈静。ぐーちゃんは終わったことを理解すると、歩きながらチラッ、チラッとわたしを見上げてきます。歩くの面倒かもしれないけど、アンタ年なんだからクーリングダウンしないと、あとが大変でしょうよ(あたしが)。
それから馬繋場に上げて足を洗い、汗を拭いてやっていると、N子先生が来て「汗かいてる?」と聞いてきました。「はい、首とトモに」「そのへんにかいたらOK。いつもそこに汗をかくような運動をしなきゃ」首とか鞍の下に汗をかかせるのはそう難しくありませんが、トモに汗を浮き上がらせるのは難しい。そこに汗をかかないのは、そこらへんの筋肉を使わせてないってことなんですよね。
エビになりやすい前肢の管にカンメルブルーを塗り、背中とトモにはハーブローションを塗って、さらにトモには軽くマッサージをしておきました。年寄りだからね、大事にしないと。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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