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(2006.4.4 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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午前中にアルフォンスに乗りながら、O先生としゃべっていたら、グレイトがまた調子が悪いという話になりました。
「わたし時間あるから、引き馬だけでもして様子見ましょうか? 愛馬だし」と言うと、O先生は「そうだね。引き馬でもいいんだけど、もし良かったら馬装して常歩だけ乗ってみてくれないかな? 常歩で様子みたいから。もし調子良さそうだったら、最後に調馬策で見てあげる」と言ってくれました。で、全てのレッスンが終わる16時になったら、ひとりでぼちぼち乗ることにします。

馬装しながら様子を見てみますが、確かに左前肢に少し熱を持っているかな。気を付けて触ってみないと分からない程度だけど。
馬装を終え、馬場が空いたようなのでグレイトを連れて馬場へ。I野先生が騎乗補助に出てきてくださったので、補助を受けて騎乗し、常歩を始めます。もともと跛行があることは分かっていますが、これはまた固いな。やっぱり調子悪そう。
O先生が「しばらくじっくり常歩やってみて」ということだったので、ひたすら常歩で前へ。ハミを受けてもらわないと、常歩をじっくりやっている意味がないので、頑張って前に出してハミを受けさせようと思うのですが、馬が動きたくないって言ってるから、前に出すのも大変だ。

ふだんのグレイトは、跛行していても右手前だと楽に動くのですが、楽なほうばかりやっていては馬のためにも人のためにもならないので、左右をこまめに入れ替えながら輪乗りの開閉をやっていきます。
グーちゃんのハミ受けの難しさには定評があるのですが(いらない、そんな定評…)、とにかく外方を意識させて、それに内方をあわせていく。最初は何かの拍子に上を向いてしまっていたグーちゃんも、少しずつ下を向いてきました。ここから、顎を譲るところまで持って行くのが難しいんだよな。
グーちゃんが歯ぎしりをはじめ、腹の底からふーっ、ふーっと出すような息づかいになってきました。この馬の場合、これを始めると馬がハミを受けようとしている合図。よーしもう少しだ、と思い、小さめの巻き乗りを入れたり、半巻きを入れてみたりすると、ちょっと顎を譲りそうにはなりました…が、すぐ逃げられました。うーんと、巻き乗りのときに内方脚できちんと外方ハミに向かって押し出さないと、逃げられるみたいだな。

通りかかったI野先生に「お嬢さん、そろそろ元気に歩かせないと」と言われ、「これでも精一杯なんですぅ」と泣きを入れると、「跳ねられるのが嫌なんだったら、拍車外しちゃえよ」と、拍車を外してくれました。今のグレイトなら跳ねる元気もないだろうと思っていたのですが、気持ちのどこかで拍車で跳ねられたらどうしようと思っていたのかもな、そう言われてみると。
試行錯誤していると、O先生が出てきました。「どう?」「もーちょっとなんですけど…(すでに息切れ)。馬が受けようとはしてると思うんだけど」。先生が下からちょっとハミを持ち、軽く顎を譲らせてくれたので、少し動かしてみます。うん、だいぶ受けてきた。
「この状態だったら大丈夫だと思うから、ちょっと速歩出してみてもいいよ」と、先生が調馬索を取りに行ったので、その間に速歩を出してみました。さすがに重いし跛行もきついけど、速歩が出なくはない。

戻ってきたO先生に調馬策をつけてもらうと、鼻の上にチェーンシャンクがかかるせいもあって、簡単に受けてくる。「ハミ受けと推進はぼくに任せていいから、その感覚をつかんで」ということで、左手前で回してもらいます。するとしだいに巻き込んできたので、調馬策といえども脚はちゃんと使わないとダメだな。
速歩は良かったのですが、駈歩はどうしても反対手前が出てしまいます。まぁ、調子が悪いときのグーちゃんは左手前で反対を出したがるのですが、調馬策でまでやるのは珍しい。そこでO先生が調馬策をかなり短く持って、巻き乗りをさせてくれました。「あれ? 今、正駈歩続きましたよね」「うん、これだけ輪線が小さくなると、馬も内方に傾かざるをえなくなるからね」なるほど。

速歩で「推進続けて」と先生が言いながら、調馬策を外しました。「そうだ、調馬策ついてるつもりでハミ受け維持」と言われ、必死で拳と座骨と脚の感じを変えないようにします。
それでも、ふとした拍子にハミから逃げてしまい、頭をかーっと上げてしまうグーちゃん。「逃げさせるな、がんばって元に戻すよ。今の状態でハミが当たる位置は、馬の口が固いところだから馬は全然痛くないの。ハミ受けの位置は馬の口が柔らかいところだから、受けたらこっちも柔らかくしてあげないと、馬は固いところのほうが楽だと思っちゃうよ」それは目ウロコ。馬の口角にも、固いところと柔らかいところがあるのか。
そのイメージを持って、柔らかいところを誘い出すつもりで外方の拳をむに〜っと握り、次に内方。あまり何度もやり続けると意味がなくなりそうなので、受けなかったらいったん緩めて推進しながらやり直し。

ちょっと受けてはまた逃げられ、を何度も繰り返すうちに、受けるときのパターンが少し見えてきました。抜き差しではないんだけど、拳の高さを変えないまま外方の拳をすくい上げるようにじわっと握り、続いて内方を同じように握り、ということを繰り返すと、受ける確率が高いみたい。
「そうだ、なんとなく掴めてきたね? これはもう理屈じゃないから、感覚で覚えてもらうしかないから」これで、一人で乗るときも同じことができればいいのですが。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)


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