←64鞍目 | 65鞍目・かっこよく、かっこよく (2002.5.5 あきる野・日の出乗馬倶楽部) |
66鞍目→ |
---|---|---|
今日は友達のSさんが馬に乗りたいというので、日の出乗馬倶楽部に連れて行くことにしました。ところが彼女が使っている路線の電車が朝っぱらから遅延。私たちが先に乗ることになっているし、馬装もあるので、仕方なく道順を教えてあとから一人で来てもらうことに。 私たちは11時からの騎乗、Sさんは13時半から30分の騎乗になります。 10時半に倶楽部に到着し、ホワイトボードを見ると私の騎乗馬はアルフォンス、なんと半年ぶり。相方も半年ぶりのハイセイコーJR.。Sさんは初心者係のトリコロールに乗るようです。 着替えをして更衣室を出ると、EさんとスタッフのF田さんが休憩中で、前のレッスンを見ながら話をしていました。私もチャップスを履きながら参加。 「駈歩のときって、速歩と同じ上体?ちょっと後ろ目でいいの?」とF田さんに聞いてみると、 「そうだね、最初はね。気持ち後ろで。それでなくてもさ、KYOKOさんはちょっと前傾ぎみの人だもん」 「うっ、きびしい」 「背中がちょっとこう、反っちゃってるから。腰が入っちゃってるんだよ、ちょっとそこに騎乗姿勢で座ってみて」 手近の椅子にちょっと座ってみます。 「背中真っ直ぐしようと思うとさ、腰が前に出ちゃってるでしょ。そうじゃなくて、もっと腰楽にしてみて」 自分の気持ちとしてはちょっと腰を曲げるくらいの気持ちでゆるめてみます。 「そうそう、それくらいの気持ちでいいんだよ。軽速歩で立ち上がるとどうしても腰が入っちゃうんだけど、座るときにはちょっと抜いてやわらかくするの。立ち上がったままの姿勢で座るから鞍の前のほうに座るのが不自然になったりするんだよ」 「ふうん、なるほど」確かに腰を抜いて座ると、座骨の当たり方が良くなったような気もします。 「まぁ、女の人はどうしてもなりやすいんだよ。私もその気あるもん」 「そっかー。じゃあ今日は意識してやってみる。馬装行ってきまーす」 馬房へ向かう途中、スタッフのK村さんに会って「今日は誰に乗るんですか?」と聞かれたので、「アルフォンス。どうしよーう」「どうしようって何ですか」「いや、馬装が」 半年前にアルフォンスに乗ったときには、ハミを全くかけさせてもらえませんでした。いや、無口かけるのすら大変だった気がするな。 そう思うからうまくいかなくなるんだよ、とF田さんに言われたので、気持ちをあらためてアルフォンスの馬房へ。扉を開けると、入り口に近づいてきましたが、馬の左側に入ろうとすると鼻でブロックされてしまいました。あーあ、やっぱり無口から苦労するのか。アルが顔の左側をぴったり壁にくっつけてしまったので、無口がかけづらい。右側を向かせようと思って鼻に手をかけると払われる。2〜3回やってダメで、困っていると、アルがふっと顔を下げてきて、無口に鼻を入れてくれました。あらっ?素直だわ。 馬房から出たところで、アルは必ずトリコの馬房の前で立ち止まり、押しても引いても動かないというもっぱらの噂なのですが、今日は立ち止まらずゆっくり馬繋場に入りました。 アルはちょっと肌が弱いので、蚊帳のように薄い虫除けの馬着を着せられています。それを脱がせて裏掘り。前脚を掘っていると、F田さんがやってきて「あんまり馬の下に入らないでね、虫がいるから蹴られるよ」前脚の間は大丈夫でしたが、後ろ脚を掘るときに派手に蹴り始め、後ろ脚をとるのが難しい。F田さんが心配して「大丈夫?」「うん、やってみる」どうにか両後ろ脚とも裏掘りできました。 鞍の装着は問題なくできましたが、アルフォンスの難関はハミかけ。半年前には結局かけることができずに、K野さんにやってもらったはず。 無口を外し、そのまま右手でアルの鼻を押さえて右手で勒をかけます。お、逃げないじゃん、いけるか?ハミを歯の間に当ててハミごと引き上げようとすると、やっぱり逃げられてしまいました。再チャレンジ、やっぱりもうちょっとのところで逃げられます。 「ちょっと貸してみて、やるから見ててね」とF田さんがハミをかけるのを見ていると、馬の口角に入れた左手の親指で、下顎を下に向かって押すようにしています。 「あ、そうやって口を開いてやればいいんだね?」 「そうそう。そしたらハミが簡単に入るから、同時に引き上げる。はい、やってみて」 と、せっかくかけたハミをあっさり外すF田さん。 「え、外しちゃうの?」 「いや、せっかくだから自分でやってよ」 確かに、自分でやらなきゃ練習にならないので、渡されたハミをもう一度習った要領で装着。一度目は失敗、「もう一回やって、ダメなら代わるけど。馬がイライラしちゃうからね」「うん」再度チャレンジ、今度はアルに逃げられる前に勒を装着することができました。 アルフォンスを連れて馬場へ出ます。騎乗して腹帯や鐙を調整したところでI野先生が出てきて、「Sさん来てるぞ」遅れて到着したSさんが、クラブハウスから見学しているようです。 先生がS夫人のウィンダムと、相方のハイセイコーJR.、アルフォンスを見やって、S夫人に「連続で申し訳ないけど、また先頭に行ってもらえますか。あっちの2頭はハナに行かないから」S夫人は前のレッスンから連続のようです。ウィンダム、アルフォンス、JRの順で蹄跡に出ます。右手前なのは、たぶんウィンダムが右手前が得意だからでしょう。 常歩で蹄跡を周回。アルフォンスは虫が気になってしかたないらしく、後ろ脚で虫を払ったり、胸前につく虫を鼻や歯で払おうとしながら歩くので、ちっとも進みやしない。集中していない証拠なので、そのたび脚で軽打したり、ムチを軽く入れたりして叱るのですが、なかなか集中してくれません。「アル、こら!」と叱ったりしながら歩かせていると、先生が「なんで友達来てるときにそんな扱いにくい馬にするんだ、もっと簡単な馬にしておけばいいのに」「私が決めたわけじゃありませーん!」 美星やロゼッタのように、ムチを鳴らして叱ってみたけどあまり効果がない。「その馬、ムチより拍車のほうが効くぞ」アルが何かやるたびに蹴ることにします。 常歩のまま順次巻き乗り、ウィンダムのあとについて外方の手綱を押し、内方の脚を踏み込むと、軽い感じで進入していきます。ウィンダムの蹄跡より外めを回るのが基本なので、内方の手綱を外に押しぎみにしながらウィンダムのあとをついていくと、思ったとおりのコースを回ってくれる。すごく扱いやすい(と思ったそばから、虫を気にして首を下げられたりして上体を引っ張られるんだけど・・・)。 さて速歩。前のウィンダムが速歩になるのを確認してから、アルフォンスを2回ほど蹴ると、あっさり出ました。しかもそんなに早くもなく遅くもなく、楽な速歩。反動は少しあるけど、これくらいならついていける。ウィンダムがのんびり屋さんなので、ほとんど追わずについていけます。虫も気にならなくなったようだし、調子いいぞ。 速歩で順次巻き乗り、しかし巻き乗りの途中で常歩に落ちてしまいます。追わなかったので、勢いが足りなかったか。蹄跡から簡単に軽速歩に戻せましたが、次に入るときは直前で脚を入れてから行くことにします。いけた。 軽速歩で走っていると、先生が馬場中央にパイロンを並べています。 馬場の中央線上に4つのパイロンが感覚を開けて並べられました。う、スラロームか。常歩に落とし、先生から説明が入ります。 「巻き乗りの要領で、パイロンの外側から入って、こう、行ってこう、波を描くように。パイロンごとに鐙をうまく左右踏み込んで、内方に傾くつもりで。まず常歩でやってみなさい」競技会のジムカーナとほぼ同じですが、競技会のときは大回りしちゃって上手くいきませんでした。 ウィンダムについて、スラロームコースに入ります。私の扶助が早かったのか、かなりパイロンに近いところで進入してしまいましたが、手綱と脚できれいに回ってくれました。しかもけっこう経済コース、この馬でジムカーナやりたかった・・・ 「蹄跡から軽速歩。つぎは速歩でいくぞ」 軽速歩で半周して、そのままスラロームに入ります。進入して速歩でパイロンを回ると、外方の押し手綱と内方脚を踏み込むことでちゃんと回ってくれます。しかし3つ目のパイロンで、常歩に落ちてしまいました。蹴っても常歩のまま、ゆうゆうとスラロームをまわったアルフォンスは、蹄跡からまた簡単に速歩に戻ります。何なのよ。 蹄跡での勢いが足りなかったんだと思ったので、ウィンダムから少し離れて、スラローム直前で追って少し勢いをつけます。今度は進入が少し速すぎ、アルがパイロンをけっ飛ばしちゃうかなとはらはらしましたが、ぎりぎりをちゃんと回ってくれました。パイロンごとに、右、左とパイロンに向かって踏み込むように体のバランスを変え、押し手綱を使い、今度は最後まで速歩のまま成功。 すると先生が、ライン上にまっすぐ並んでいたパイロンを、少しだけジグザグにずらしました。「少し難しくなるからな」 覚悟して臨んだのですが、最初に入った左手前ではかえって簡単になっていました(ジグザグの間を真っ直ぐすり抜けるようになってしまったんだな)。でも次に右手前で入ったときには、大回りになって確かに難しかった。でもアルフォンス、ばっちりじゃん。すごいぞ。 蹄跡に戻り、常歩に落として周回、ひといき入れます。 すると先生、今度は蹄跡に対して垂直に横木を置いている。あらら、横木またぎ。今日は盛りだくさんですねぇ。 まず常歩で横木に向かいます。先生が相方と私に、「君たちは馬が勝手に飛ぶから大丈夫」。確かにアルフォンスとJRは、日の出乗馬倶楽部の障害馬ナンバー1とナンバー2なので、横木くらいは難なくこなしてくれるでしょう。でも一応障害飛越への初歩なので、馬が飛ぶのを邪魔しない程度にはこっちも意識してやらないと。 障害競技では、飛越の直前に2ポイントになる(両脚の2点だけで馬体に接し、3ポイント目のお尻をつかない。要するに立ち乗り)のを見ているので、せめて横木をまたぐ間は2ポイントで行くようにしようと思い、横木を通過するときに腰をあげてみますが、馬の反動に負けて3歩目でおしりをついてしまいました。 横木をまたいだら、アルフォンスが勢いがついちゃったのか、勝手に速歩になりました。抑えて常歩に落としましたが、これって速歩でまたいだら駈歩出ちゃわないかー?ちょっと不安になったので、サドルホルダーを片手でつかんだままやることにしました。 速歩を出して、横木へ。アルフォンスは難なく飛んでくれましたが、私のほうは2ポイントが保たず、やっぱり3歩目でお尻をついてしまいます。これは慣れるしかないのかな。 2周ほど置かれた横木をまたいだあと、先生が横木の片側の下に台を置きました。片側だけ15センチほど高くなった、斜め障害になります。 斜めなので、低いほうならさっきまでと高さはあまり変わらないのですが、わざわざ高くなっているほうに向かっていくアルフォンス、さすが障害馬。 一度も足をひっかけることなく、きれいに横木を通過してくれました。 常歩に落とし、沈静化。 先生が「どうだった?」と言うので、アルフォンスの調子かなと思ったら、「これくらいやっておけば 格好がついただろう?」 どうもSさんに見せるために、上手く見えるような技をいろいろと取り入れてくださったようです。 馬場中央で挨拶し、下馬。馬繋場へ馬を上げます。アルフォンスはこのあともお仕事があるので、手入れはなし。蹄の裏掘りをして馬房に戻し、昼飼いをあげます。 クラブハウスに戻ってSさんとお昼を食べ、Sさんが馬のために持参したりんごを馬にデザートとして配って回っていると時間が近くなって、ママさんが「そろそろ準備しましょう」と呼びにきました。 たまたまSさんが履いていた靴が「これでも乗れますよ」とママさんのお墨付きが出たので、私のチャップスを着けてもらい、ヘルメットを合わせて馬場へ。 I野先生の調馬索で、トリコロールに乗ります。馬に乗るのは10年ぶりというSさん、最初は怖がっていましたが楽しんでくれたようです。 |
||
↓日の出乗馬倶楽部の馬場![]() |
||
←64鞍目 | 66鞍目→ |