←28鞍目 29鞍目・一番いい馬
(2001.9.24 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
30鞍目→
サーブ
見かけも性格も、アイドル馬の名に恥じないサーブ。
今度テレビCMにも出演するらしいし
すっかり秋らしくなった三連休の最終日(と言っても、自分は初日に仕事が入ったので連休でもなんでもなかった…)、今日の騎乗予約は11時からです。やっと自分のヘルメットを手に入れ、気分は上々(荷物は多いが)。
いつもどおり10時半に倶楽部について、ホワイトボードで騎乗馬を確認。
相方と私の名字が、ハイセイコーJr.とサーブのところにあります。あれ、私今日トリコロールじゃないんだ。
ちょうど近くにいたママさんに聞いてみると、「サーブが奥さんかな」とのこと。
おお、倶楽部のアイドル馬サーブに乗れるのか。トリコは第一段階の馬ですが、倶楽部のビジター係も務めているので、ビジターさんを優先したらしい。

相方の乗るハイセイコーJr.は前のレッスンで使っているので馬装はありませんが、サーブには今日誰も乗っていないので、馬装しなければなりません。
今日の倶楽部は人手が少なめなので、あんまりスタッフさんに手間かけないようにしようと思って、早めに馬房に迎えに行きました。
馬房の前にママさんがいて、馬詮棒を外してもらっている間にサーブに無口頭絡をかけようとすると、サーブは自分から頭絡に鼻を突っ込んできました。偶然かもしれないけど、そんなにやりやすくていいのか?(笑)

裏掘り、鞍を置くのもとてもスムーズでしたが、ハミをかけようとするとサーブはいきなり遊びだしました。
ハミをかけるときは鼻面をかかえこむようにしますが、そのまま顔を私の胸にこすりつけてみたり、私の肩で口をふいてみたり。その仕草はすごくかわいいんですが、そのままではハミがかけられない。
奮闘していると、アルバイトのSさんが助けに来てくれようとしましたが、その前にうちの相方が勒を奪ってハミをかけてしまいました。

馬装も終わって待機していると、前のレッスンが終わって蹄洗場が混んできたので、早めに馬場に出ることにします。
相方との二頭部班ですが、Jr.が馬場に出てくるのにはまだちょっとかかりそうだったので、
「先に蹄跡に出てしまいなさい、常歩で周回してて」というI野先生の指示で、馬を発進させます。お、トリコよりスムーズだぞ。

常歩で周回しているうちにJr.も出てきたので、部班での周回になります。
私が1番騎、相方のハイセイコーJr.が2番騎ですが、サーブはただ乗っかっているだけで動いてくれる馬ではないらしく、脚をまめに入れないと止まりそうになります。それはトリコもそうなんだけど。

常歩のまま順次巻き乗り、各個に巻き乗り。内方の脚を強めに、外方脚をすこし後ろに出して馬の腰を押さえるようにすると曲がる…はずですが、曲がりかたがふらふらしている。
「内方の手綱を引くだけじゃなくて、外方の手綱を押すんだったろ。外をゆるめてやらないと首が曲げられないぞ」
忘れてた。外側の手綱をゆるめにして前に押し出すようにすると、簡単に巻いてくれました。でもちょっと巻きすぎかなぁ。きれいな円ではなく、楕円を描いてしまうのは相変わらず。
馬をとめて、先生に内方脚、外方脚の使い方をあらためて教わります。
「馬を動かすのは、本当は脚と腰だけでいいんだ。手綱は副扶助というくらいでね。君たちくらいになったら、乗馬じゃなくて馬術をするようにならないと。特に女性は馬術に向いているんだよ」

さて、歩度をつめて速歩を出しますが、サーブはとても反応がいい。良すぎる。すぐ速歩が出るのですが、軽速歩で4〜5メートルもいくとすぐに止まってしまいます。
自分で、「あっ脚が前に出た」とか「いまバランスが変」と思ったら必ず止まる。つまり、サーブはちょっとでも下手な扶助をしようものなら、すぐ止まる馬みたいなのです。
速歩から馬を止めて、速歩発進(一歩目から速歩を出す)ことも出来るのに、すぐ止まる。
どうしよう、と思うと余計に自分のバランスがばたばたになり、ちっとも走れない。
「どうした、倶楽部で一番いい馬に乗ってるんだぞ」
きっと私はまだ、その一番いい馬に乗れるレベルに達していないのです。

先生に馬を止められ、
「どうも膝の力が弱いんだな。騎座はここだろ、これで膝までぴったりつけていいんだから。そう、その体勢で腰を張って。」
座りかた、脚の位置、手綱の持ち方、至る所を直されている私。今までに何度も教わっていることなのに、毎回指導されている気がする…

しかし、騎座をぴったりと馬体につけることを意識し始めると、軽速歩で立ったときに馬体に脚を入れられるようになってきました。すると、だんだんサーブが長く走ってくれるようになってきます。
軽速歩はなんとか続くようになりました。速歩に落とすとやっぱり続かないのですが。

隣の馬場では、ママさんがトリコロールに乗ったビジターさんに指導をしていました。
サーブに乗っている私を見て、となりから「いい馬でしょう?」と言うのですが、乗りこなせていない私にはなんとも言えない。
ママさんが隣の馬場から、「先生、そちらに入れてください」と、トリコをこっちの馬場に入れさせました。ビジターさんが私の前に入り、3頭部班になります。

蹄跡のそばに、プラスチックバケツが置かれました。先生にゴルフボールをひとつ持たされ、
「蹄跡を回ってきて、バケツのところで止まってボールを入れてみなさい」
蹄跡を1周し、バケツ(大きな音がしないように、中に砂が入れてある)にボールを馬上から投げ落とします。2メートル近い馬上から地面のバケツまではけっこう遠く思えますが、どうにか入りました。
「上手い上手い。これは馬術競技では玉入れというちゃんとした競技なんだよ。運動会ではこれをやるからね」
日の出乗馬倶楽部の運動会は11月3日の予定です。

馬を馬場中央に並べて、礼をしてレッスンは終わりです。
サーブにちゃんと乗ってあげられなかったことが何とも悔しい限りですが、先生は
「後半良かったじゃないか。最初はどうなることかと思ったけどね(笑)」
「私もどうしようかと思いました」

馬を蹄洗場に上げて、鞍や勒を外して裏掘りをしていると、スタッフのI田さんが
「軽く脚を洗ってあげて馬房に戻して、ごはんあげて下さい」
結局脚を洗うのは彼がやってくれましたが、脚をタオルでよく拭いて、馬房に入れるともう昼飼いが準備してありました。
ごはんをあげると言っても、その飼い桶を馬房に押し込むだけですが、がつがつ食べるサーブを見るとなんだか嬉しい。

自分もお昼を食べ終わって、クラブハウスでのんびりしつつ、倶楽部の看板犬キャンディの散歩にでも行こうかと言っていると、ママさんが
「良かったらもう一鞍乗っていく?今日は馬が空いてますよ」
えっ、ほんとに?


↑日の出乗馬倶楽部の馬場

←28鞍目 30鞍目→

乗馬日記トップへ / トップページへtop