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(2004.3.14 あきる野・日の出乗馬倶楽部)
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午後のもう1鞍のお相手はアルフォンス。彼は午前中にもお仕事をしていたんですが、ほとんど常歩中心だったということで、「下乗りしたほうがいいですよね」とスタッフS田さん。「当然っ!」「いや、KYOKOさん準スタッフだから、いらないかと思って」「ふざけんなよー、やってよー」と、無理矢理下乗りしてもらいました。
で、下乗りをしたS田さんによると、アルフォンスは「すこし跛行ぎみかも…」ということ。もともと、昨年やった怪我がもとで右後肢はいつも腫れているのですが、それを気にしてかばっているのか、「肩かもしれないね」とO先生。「私はあの子に乗って大丈夫ですか?」「うん、まったく使わないと却って悪くなるし。使ってみて、どうしても気になるようならやめましょう」。N子先生も「あのぶっとい肢のまま固まったらどうしようもないからね、少し動かしたほうがいいんだよ」ということで、乗りにくいかもしれないけど、とにかくアルフォンスに乗ることになりました。

この時間はダンスくんとの2頭部班。指導はO先生です。S田さんが下馬したところで乗り代わり、鐙の長さを合わせてから常歩発進。…うげっ、こいつやる気ない。馬がまるで前に出ようという気になってないのがヒシヒシと伝わってきます。
ダンスくんは先に準備ができて、隣の馬場に出ていたので、私も続いて隣の馬場へ。「後ろに入れてくださーい」と言って自らダンスの後ろについてしまいます。だってどう考えても、このやる気のないアルフォンスで先頭切るなんて私には無理。
2頭なので、蹄跡を常歩で歩きながらなし崩しに部班開始。常歩で歩いている分には、別に跛行している感じはしないな。「常歩だとそうでもないですけどね、速歩がちょっとやりにくいかもしれません」とO先生。

速歩の号令で前に出そうとしますが、これがなかなか出ない。前のダンスくんもちょっと重い馬らしいので、そっちもなかなか出ないみたい。前が軽い馬だと、アルフォンスもつられて動いてくれたりするんだけど、重い馬同士だと「こんなとこでいいんじゃん?」って感じで、重い重い。
ようやく速歩に移行したので、軽速歩をとって、1完歩ごとに鞭を入れながら走らせます。うーん、ちょっと後ろ肢をかばってる感じはするけど、そんなにひどくイレギュラーはしないみたい。
ダンスくんのお尻にくっつきそうになって、そうするとアルフォンスは止まろうとするので、少しでも近づけないように遠回り。できるだけ隅角を深く回すと、ちゃんと回ってくれます。お、ちょっと調子出てきたか? 順次巻き乗りでも、アルはよく常歩に落ちてしまうのですが、今日は速歩のまま巻き乗りできているし。

前にいるダンスが、鐙の具合が悪いか何かで、いったん内蹄跡に入ることになりました。アルフォンスにはそのまま蹄跡を走っていてほしいので、内方をちょっと固めて脚を入れ、鞭を入れながら軽速歩。ダンスが内側に抜けて、そのまま蹄跡を走れそうかな、と思った瞬間、びたっと止まりました。やっぱりダメかぁ! くそー!!
こういうときに拳を引っ張ると絶対後退するので、拳をゆるめて脚で蹴っ飛ばすのですが、やっぱり後退しようとする。鞭を入れるとますます反抗して、それでも前に出そうとしたら横向きに反抗するものだから、その場でぐるぐる回ってしまい、なんちゃって後肢旋回のようになってました。
O先生に「なに高等馬術やろうとしてるのかなー、なんて思ったら、馬にわがままされてるだけなんですね」とからかわれ、「あーうー。そうなんですぅ」。本当はここで思いっきり鞭でしばきたいところなんですが、そうするとアルフォンスが後ろ蹴りをかますのは目に見えている。でも後退しちゃったときに、ダンスくんに近づきすぎてしまったので、ここでアルが後ろ蹴りなんぞしたら、ダンスくんの反撃をくらうこと必至。やめとこ。

ようやくダンスくんが蹄跡に戻ってきてくれて、その後ろについて私も蹄跡に戻れました。本当はこんなことじゃいかんのだがねぇ。前に馬がいさえすれば、とりあえず動いてはくれるし、隅角もきちんと回せるんだけどなぁ。
で、しばらく軽速歩で走らせていましたが、やっぱり具合がよろしくないということで、ダンスが再び内蹄跡に入ることになりました。今度こそ止まらせないぞー、と思って、ダンスが内側に入る前に鞭で軽く気合をつけ、脚を強めに入れて前に出します。お、このままいけるか? と思った瞬間に、やっぱりびたっと止まられてしまいました。むしろこんなに突然止まったら、前肢の負担になるんじゃないのか、っていうくらい、気配も見せずに止まるんですよね。うぬー。

ダンスが内蹄跡にいる間、どうにかして馬を前に出そうとしますが、アルは意地でも前には出ない構え。鞭に反抗して横へ逃げたがるから、くるくる回ってしまうし。馬場に出てきたお手伝いCちゃんが「前傾しないで、手綱引っ張らないで前に出すの」と言いますが、私はそうしてるつもりなんだけどなぁ。
鞭や脚ではどうにもならず、ぐるぐる回るばかりのアルフォンス。ついにお手伝いS田さんに「危ないから」と、馬の口をとられて蹄跡まで連れていかれました。蹄跡まで連れて行かれて、内蹄跡にいるダンスくんと距離が離れると、諦めたらしく前に歩きはじめました。あーほんとにもう。
先週はもうちょっとごきげんに動いてくれたんだけどなぁ。あれも前に馬がいたからだったのか。

ダンスが蹄跡に戻ってきたので、ふたたび軽速歩。今度はダンスとの距離が離れたので、「チャンスですよ、どんどん前に出して」とO先生に言われるまま脚で追い、軽速歩の立つタイミングで鞭を入れたら、けっこうちゃんと動いてるかも。でもお前、ダンスに追いつきたいだけだろ。
追いついてしまうと、やっぱりやる気のないアルフォンスに戻りました。はぁ。突然前肢でがたっとつまづき、こいつが跛行ぎみなことを思い出して一瞬ドキッとしましたが、その後の歩様に変なところはないみたい。でも「あー、今のつまづきで手前変わっちゃいましたね」私のほうが、バランスを崩したときに軽速歩の手前を変えちゃってました…。

なんだか知らんが、アルフォンスが上下に首を振りはじめました。そんなに拳固めてもいないつもりなんだけど、念のためちょっと緩めてみても治まりません。じゃあ拳じゃないんだな。なんなのよ。「首を振ったりするのは、前に出せばやめますから」とO先生のアドバイス。そうですよねぇ、とにかく前に出せればもう少し集中してくれるはずなんだ。きっと今、全然集中力がないからこうやって反抗する余地があるんだろうな。
軽速歩で、立つときに鞭を入れる、座るときに脚を入れる、座るのも座骨で推すようにして座る、と思いつくかぎりの推進をやってみます。少しは前に出るようになったけど(推進が弱いか、やりかたが間違ってるせいで劇的には変わらない)、首振りはやめてくれません。もっと出せなきゃダメだなぁ。

「アルフォンス油断しないでねー。各個に、巻き乗ーり」はい、各個に巻き乗りですね。油断しないんですよね、ええ。頑張って前に出さないと、巻き乗りではペースが落ちるもんね。推進推進。
「あーアルフォンス、油断しないでって言ったのにやっちゃいましたねぇ」「えっ? …あっ、各個だ! すみませんっ!!」耳では各個と聞こえていて、頭の中で復唱もしていたのに、何故か順次に巻き乗りをやってしまっていたのでした。推進に夢中になっていたからだってことにしといてください(泣)。
改めて、各個に巻き乗り。巻き乗りの途中で常歩に落ちられてしまいました。あーくそっ。先生が「油断しないで」と言ったのは、各個に巻き乗りだと前に馬がいないからアルは止まりやすいよ、という意味だったんだと、ここでやっと分かりました。今日は巻き乗りで止まらないと喜んでいたんだけど、あれって順次だから前の馬にくっついていただけだったんだなー。あぁ情けない。

なんか首振りは治まってきたかも。…と思ったら、こいつ巻き込んでる(人間でいうとあごを下にぐっと引いたような状態で、つまりハミから逃げてる)じゃないか! 首振りにしろ巻き込みにしろ、ハミから逃げてる状態であることには変わりないので、まったくコンタクトがとれない。一度巻き込んじゃうと、これをもとに戻すのはかなり難しい(私程度の技量では)。要するに推進不足なんだろうけど、それが分かっていても治せないのが哀しいところ。
結局コンタクトがとれないまま、時間がきたので沈静化して終了。あー納得いかない騎乗をしちゃったなー、と思いながら下馬して、鐙をまとめて引き馬の準備をしていたら、アルフォンスの鼻面が私の袖に寄ってきました。つい今までの習慣で、噛まれると思って反射的に身を引きそうになったんですが、アルはそんなつもりはなかったみたい。ちょっと甘えたかっただけのようです。ごめんよぅ、疑って。でも昔のお前は噛んでたじゃないかぁ。

アルフォンスは次の時間もすぐお仕事なので、いったん馬繋場に上げて腹帯をゆるめ、休憩させます。バケツに水をくんで飲ませると、一応飲んでいたようですが、あとは鼻先でばちゃばちゃやって遊んでいました。
アルが馬場に出て行ったあと、クラブハウスに戻ってN子先生に「馬に反抗されまくりでしたー、首振るし巻き込むし」と言うと、「拳だね、それは。(口の)上下に当たってイヤになったんでしょう」そうかぁ。今日はあんまり拳を固めないで乗っているつもりだったんだけど、やっぱりまだ上手くコンタクトが取れていなかったんだな。
「今日のアルはコンタクトとるの無理ですよ。実はねー、今日は相当苦労するだろうなーって思いながら馬渡したんですよねー」とは、下乗りをしていたS田さんの弁。そうだったのかー!(笑)
まぁ、もともと肢が痛かったりして、やる気がなさそうだったのは確か。そこを何とかできなきゃいけないんだろうけどさ。

日の出乗馬倶楽部の馬場
↑日の出乗馬倶楽部の見取り図
(緑字:貸与馬、青字:自馬)

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